表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました【1巻発売即重版!!】  作者: ネコクロ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

140/156

第140話「やはりお姉さんは強い」

「…………」


 美咲は頬を膨らませながらも、黙り込んで笹川先生の言葉に従う。

 考える邪魔かと思って彼女の頭から手を避けようとしたら、『まだ撫でて!』と言わんばかりに手を抑えられた。

 拗ねているのに甘えたい気持ちは変わらないようだ。


 彼女は俺に頭を撫でられながら、黙って思考を巡らせる。


 そして――何かに気が付いたように、目を大きく見開いた。

 やっと状況を理解したんだろう。


「お姉ちゃんが、お泊まり……それって……」


 美咲は期待したように俺の顔を見上げてくる。

 本当に、現金な子というか、自分の欲求に素直というか……。


「俺が何言っても、心愛は笹川先生から離れないだろうからな」


 兄としては悲しいことではあるが、心愛は笹川先生がいる場合彼女にベッタリだ。

 当然、一緒に寝るのもお風呂に入るのも笹川先生を選ぶだろう。

 それでどうなるかというと、笹川先生と俺が一緒に寝られるはずもないので、俺はフリーとなり――美咲の相手をすることができるというわけだ。


 元々この辺は、美咲も理解していたはずなんだけどな……。

 だからこそ、俺と心愛を笹川先生の家に連れていこうとしていたわけなのだし。


 ……まぁもちろん、だからといって美咲と一緒にお風呂に入れるわけではないのだが。


「お姉ちゃん、泊まっていいよ……!」


 全てを理解した美咲は、先程までとは打って変わって満面の笑みで姉を歓迎した。

 面白いほどの手の平返しに、さすがの笹川先生も苦笑いを浮かべる。

 逆に心愛は、満足そうにウンウンと頷いた。


 ある意味美咲は、命拾いしたようだ。

 これで心愛の好感度は下がらずに済んだだろう。

 むしろ、話がわかる姉として評価が上がった可能性もある。


「部屋は空いているところがありますので、そちらに案内します」

「そして、私は来斗君のお部屋だよね?」


 俺が笹川先生に笑顔で話すと、間髪容れず美咲が確認をしてきた。

 姉の前で言質(げんち)を取るつもりなのだろう。


 いっそのこと、笹川先生と美咲を同じ部屋にしてもいいのだけど、さすがにそれは美咲と心愛から恨まれそうなのでやめておく。


「笹川先生さえ問題なければ」

「私は白井さんのことを信頼しておりますし、妹のことを任せられる御方だと思っておりますので、何も問題はありません。父から言われたのも、家に泊まることだけですので、お部屋のことは言われていませんし」


 まぁここまで導いた張本人なのだから、当然そう答えるよな。

 美咲父は俺と美咲の抑制のために笹川先生を寄越したのだが、完全に逆効果だった。


 ……美咲母が美咲父の電話を見逃したのは、こうなると確信していたのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』5月23日1巻発売!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック2巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック2巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
女性陣のチームプレイでお父さんは完全に逆を突かれてますね〜 楽しくて次回も楽しみです 更新ありがとうございますm(_ _)m
別作品の内容ですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ