表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

写真の依頼

 雑貨店の店員に顔を覚えられてしまった。それどころかファンだと言われた。その一瞬自分の写真を肯定された嬉しさが通り過ぎたが、なんだか気まずくて恥ずかしくて、店に行きづらい。


 数日後の夜のことだった。インスタに赤い印がついていて、DMが来ていることに気がついた。DM?誰から……?私にはメッセージを飛ばしてくる友達も知り合いもいないのに。

 名前を見ると、見覚えのあるオフィシャルアカウントからのものだ。


「私は雑貨屋 pieni( ピエニ)のオーナー兼店主の 汐谷(しおや) (なぎ)と申します」

 

「この前はファンだ、なんて言って驚かせてしまいすみません。憧れの方にお会いできて、つい取り乱してしまいました」

 

「この度は折り入ってお願いがあります。うちの店の商品の写真を撮って頂けませんか」


「写真を?」


 どういう意味だろうか。思わず聞き返してしまった。


「はい。インスタを開設したのですが、僕には上手に写真を撮ることが難しいのです。綺麗な写真を掲げられず、うちのアカウントや店に興味を持って下さる方が増えないのです」


「勿論、お礼はさせて下さい。maoさんでしたら素敵な写真を撮って頂けると思います」

 

 お手伝いということだろうか。小さい頃はボランティアが好きだったが、今は奉仕活動に積極的に取り組むタイプではない。

 でも、現実で写真を褒めてもらうことなんて今まで無かったし、褒められて嬉しかったのも事実だ。たしかに気まずいとも思ったが、そのように評価してくれる人の力にもなりたいとも思う。

 

「今度、撮りに行きます」

 

「本当ですか!ありがとうございます」


 こうして次の日。私はまたあの店へ向かうこととなった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ