2話 救出
戦闘シーン少なめと言ったのに2話目から戦闘です
ハーレム展開は悩んでるので意見があったら教えてください
俺は眩しくて、思わず目を閉じた。すると何が起こってるか説明できない状況になった。が、何故か今自分が時空を渡っているということだけは理解できた。
そして俺が目を開けると、目の前に広がる光景に絶望した。目の前には燃え広がる家の数々。そして目の前では人達が戦いを繰り広げている。
剣と呼ぶには粗末なもの。金属の棒を持って叩き合って戦っている。剣すら作ることが出来ないのか····
「な、なんだ!俺は貴族に呼ばれたんじゃ無かったのか」
俺は自分を呼び出した人を必死に探すが見当たらない。そのうち、戦っている人達が自分に気付き、自分にも剣を向けてくる。
「そこのお前!何者だ!いつからそこにいた!」
「え、俺?俺を呼んだ人を探してるんだけど」
「何を言っている!怪しい奴め!殺せ!」
そう言ってその場に居た全員が俺に剣を向ける。
「は?なんで、なんでだよ!俺はただ自分を呼んだ人を探してるだけなのに!」
「そんなことは知らん!殺せ!」
そう言って剣を向けてるうちの1人が俺に飛び掛ってくる。俺はその時咄嗟に目をつぶった。が、その剣、いや棒が俺に当たったのは確かだ。しかしそれを喰らっても痛いだけで、死ぬほどじゃなかった。
「痛っ!この程度ならいつも殴られてたわ!」
そう言って俺はやり返すように相手の腹にパンチする。何の修練も積んでない素人の拳。しかし創造神によって強化された肉体が繰り出す攻撃が並な攻撃な訳が無い。
「カハッ!」
地面から50センチくらい浮く。肺の空気を吐き出してむせてしまう。そしてそのまま棒を手放す。
地面に落ちた棒を咄嗟に拾い構える。が、素人の構えじゃ何も出来ないはずだが、何故か構えが分かる。そしてまたもやかかってくる相手を前に1歩引いて、相手の攻撃を空ぶらせる。そして相手が体勢を崩した所で、相手の頭目掛けて棒を振り下ろす。
相手の頭の骨を砕く感触が棒を伝って伝わってくる。嫌な感触だ。
「クソっ!こうなったら全員でかかれ!」
今度は全員で俺に殴りかかってくる。が、俺はその間をぬって相手を避ける。自分にもなんだこんな動きができるのか分からない。ただ考えた通り動いてるだけで、相手の攻撃を避けることが出来るてるのだ。
相手は全員の攻撃で自分達を攻撃して倒れた。アホだな。
「あっ、俺を呼んだ人はどこにいるんだろう。おーい!俺を呼んだのは誰ですか!」
俺は大きな声で言いながら探しな回るが、なかなか見つからない。その間にも軍隊みたいな人に襲われたが、難なく撃退できた。
俺は一通り探し終わり、俺が始めいた場所に戻ってくる。そこには俺が倒した人達が未だ倒れている。しかし、事切れている訳では無い。だから俺はこの人達を起こして話を聞いてみることにした
「おーい、起きてくれ!話を聞きたいんだ」
「きっ、貴様!よくも!」
「俺を呼んだ人知らない?」
「知るかっ!誰だそんな奴!」
「うーん。あ、ならこの場所に住んでた貴族の名前は?」
「ふんっ!そんなの誰が答えるか!」
「うへぇ、面倒だな。話してくれたら、その傷回復してあげるよ」
「お前、回復魔法の使い手か!くっ、回復すればこいつも捕まえられる。
いいだろう、その貴族の名前はアラン・ベクターだ」
「へぇー。それでその人達は今どこに?」
「今はご主人が捕まえている」
「その人達はどこに?」
「真ん中にある捕まえた奴が所有してた屋敷にいる」
「ありがとな。それじゃ」
「おい!回復魔法をかける約束だろうが!」
そんな声を気にすることなく、無視して進む。
そのまま、この街の中で1番大きな家に向かう。そこには兵士が槍っぽいもの。すなわち長い棒を持って周囲を警戒していた。
俺は一旦隠れてタイミングを伺おうとした。
すると中から声が響いてきた。
「吐け!聖女の居場所を吐け!」
「し、知らん!聖女様はここには来ていない!」
との声と鞭で打たれるような音が響く。俺は直ぐに突入することを考えた。目の前ではあくびをしている気の抜いた兵士に走って近づく。
「な、何も」
そして俺は棒で相手の頭を殴り昏倒させた。この場所には幸いにも1人しかいなかったが、今の声を聞いて新たに人が現れる前に、内部に侵入する。
内部には兵士はおらず、いたのは鞭を持ってる人と、手足をはりつけられ、鞭で打たれてる男の人の姿が。
「聖女の居場所を言え!お前が隠したのだろう!既に調べはついている!」
「くぅ、そ、そんなことは、していない」
鞭で打たれてる男性は身体中に傷があり、血で地面がぬれている。俺はすぐさま棒を振りかぶって投げる。そのまま鞭で打ってる人の胴体にあたり、男の手にある鞭が手から離れる。
その隙に鞭で打たれてた男性をはりつけから外し、そのまま離れた場所に行く。
「大丈夫ですか!」
「はぁ、はぁ、はぁ。君は?」
「異世界から来た者ですよ。多分ですけどあなたが俺を呼んだんでは?」
「そうか、創造神様は私のために人を遣わしてくれたのか。使徒様、1つお願いがあるのだが、いいだろうか?」
目の前の人は真剣な目で言ってくるので、自然と俺の目つきも真剣なものになる
「はい、なんですか?」
「この家にある········地下室に人がいる。その人を·······保護してここ、から·······逃げ出すんだ」
途切れ途切れの声になった俺はようやく気付いた。
この人の先はもう長くない。と。
せめて、楽に逝かせてあげようと
「はい、任せてください。あなたの望み通り、その人も保護しますし、この世界の文明も発展させます」
「ふふっ·········あなたは、本当に優しい······ですね。ああ、シャーナ。俺も今から········そっちへ逝くよ」
そう言って持ち上がっていた首が垂れた。
心臓はもう動いていない。
俺はそっとこの人の体をそっと置いた。そして俺が吹き飛ばした男に向き直る。
「ふっ、最後まで聖女の居場所を吐かんとは役立たずな奴め」
俺はよく目の前の男を観察すると、まるで豚のようにでかい鼻。そしてデップリ太った体。すぐ側にある体とは雲泥の差だ。そしてさっき棒を投げた時に持っていた鞭も放り出したので、武器は持ってない。
「イヒヒ、お前は何をしている。平民は平民らしく地に這いつくばっていればいいのだ。ほら今なら命だけは助けてやるぞ」
そう言ってデカい腹を揺らしながら俺に寄ってくる。俺はそのデカい腹を助走をつけて走り、蹴っ飛ばす。
「ビヒヒイイイ!!お、お前伯爵の俺を蹴ったな!不敬罪で死刑だ!兵士!誰かいないかぁ!」
そう言ってポヨン、ポヨンと跳ねて行き、壁にぶつかる。そのまま叫んでどっかに走っていってしまった。俺は追うことはせず、俺をこの世界に呼んでくれた人、アラン・ベクターという名の人を埋葬してあげたい。
俺はアラン・ベクターを埋葬し、その前でお祈りをする。
「絶対に文明を進めてみせるから」
俺はアラン・ベクターにそう誓い、その場所を離れる。地下室を探し、目的の子を保護することだ。
俺はその子を探すためアラン・ベクターの家の中を探した。人の家を荒らしてるようで気分は良くなかった。そして木の板の下にハシゴがあり、下に続いていた。俺はその階段を下に下がると、中は木で囲った狭い部屋だった。
「どなたですか?」
俺は声のした方を向くとそこには15歳くらいの女の子が狭い部屋で警戒したようにこちらを向いていた
「俺はアラン・ベクターに頼まれて君を保護しに来たんだよ」
「そうなんですか!アラン様は無事ですか?」
俺に必死な目で縋る女の子。俺は落ち着けるような口調で、残酷な事実を語った。
「アラン・ベクターは死んだ」
「そう、ですか。薄々とは分かっていた事実です。悔やみはしません」
「とりあえず、ここから脱出しよう。アラン・ベクターにもそう言われてる。後のことはここから脱出した後にしよう」
「はい、分かりました。その前に名前を教えてくれませんか?」
「名前。かぁ」
俺の名前は正直使いたくない。あの名前は俺がいじめられる原因となった名前だから。
うーん。名前を考えるか。この世界のようにカタカナの名前がいいよな。0からこの世界で生活するって意味で『ゼロ』作るって意味で『メイク』ってところまではいいな。ゼロ・メイク。ってのはダサいからなしで、合わせてゼイク、メイロ、ゼイロ、メロク。うーん、ゼイクかな。
「············俺の名前はゼイクだ」