5-11 真珠号
猫神村に転送した貝の魔物の破片の中に巨大な真珠があった。
それは巨大すぎて宝飾に使えないので、中をくりぬいて白鳥の家にした。
家というか、神籠。 これごと移動すれば、いちいち猫神村に戻ってこずに睡眠が取れる。
中にはかわいいベッドがあるのだ。
しかしまだまだ赤ちゃんで、ごはんはミルクだから、やっぱり毎日戻ってくるのだった。
そんな真珠号が、今日は西の海へ向かう。
「トドさんバッヂはかわいくないなあ。 もっとこう、白くまさんバッヂとか。」
「そこはガマンしてくれ。」
「次の魔物は海のギャングだよ。」
「わかるのか?」
「変な魔物反応なんだよ。 大きくなったりバラバラになったり。」
「たぶん蜂や蟻みたいに、集団で一匹なんだよ。」
「そして1匹でも逃がしたら、増殖して復活すると。 ほぼ無敵じゃないか?」
「逃がさなきゃいいんだよ。」
白鳥は、そう言うと無邪気に笑った。
西の海の幹部クラス魔物は、見た目シャチだった。
だが集団で合体して大きなシャチにもなれた。
真珠号は巨大シャチに追いかけられている。
「パンダみたいでかわいいかも。」
「余裕あるな、おまえ。」
ときおり光るリボンが伸びてシャチに絡むが、絡んだところのシャチが抜けて、また合体、巨大シャチへと戻る。
「大きいのを倒すためにリボンにしただけで、本当の武器はリボンじゃないからね。」
リボンは無数のアイスラッガーに分かれると、それぞれがシャチを1匹ずつ倒してゆく。
やがてプチプチがつぶれていくように巨大シャチは小さくなり、最後の1匹まで倒された。
「ね、相性のいい魔物だったんだ。」
「それはいいんだか、これどうするんだ?」
「猫神村に転送するよ?」
「そうじゃない、シャチって食べられるのか?」
「それを考えるのは、パパの仕事。」
ここは猫神村の 水産加工部 試食製作課。
結論だけいうと、シャチはクジラよりもおいしかった。




