1-9 ミーの大冒険
猫神神社を飛び出して、西の御鳥村の御鳥神社へ向かう私は、猫神様の神使です。
初仕事だ。がんばろう。
方角は・・・わかる。 でも道がわからない。
こういうときは神力。地形把握。
ふんふん。 川を越えて、森を抜けて、ここをこうこうこう。 よし、覚えた。
鳥の神使のように空を一直線に行けるわけではないけれど、猫の神使だって普通の人の目には見えないので、遠慮はいらない。 最高速で走り抜ける。
川だ。 キラキラして綺麗だな。
大丈夫。 そんなに大きな川じゃない。 石を飛んでピョンピョンピョンと。
森か。 視界が悪いな。 枝を飛んで行こうかな。 なんか出そうな雰囲気だな。
でも行かなくちゃ。 猫神様が待ってるもんね。
やあ~! 忍法猿飛の術~! ピョンピョンピョンと。
グオォォーン。
うわっ! なんか出たっ! サルのようなトラのようなマンドリルのような。
サルトラマンと名付けよう。 別に戦う意思はないよ。 さっさと回避っと。
アッとすべった。 でも蔓があるから大丈夫。 アーアアー!っと。
うわっ! なにこいつ? 恐竜?
えいっ! ブーメランで威嚇だ! オ~ラ~! さあ、今のうちに。
ふう。 やっと森を抜けた。 はずなのに村にも樹がいっぱい生えていた。
なにこの村。 エルフなの? エルフ村なの?
あ、違うっぽい。 なんだ。 でもちょっと鳥っぽいかも?
ところで 変身忍者 嵐ってどう見ても鳥っぽいよね。 くちばしもあるし羽もある。 足もあんなだし。
でもおはなしのどこに鳥の要素があった? 謎だ。 まあ今は関係ないんだけどね。
そんなことより神社、神社っと。 神力捜索。 ん? この向こうか。
あれ? 巣箱っぽい? いやいや失礼なことを思ってはいけません。
「ミー(すみまちぇん。 どなたかいらっちゃいまちぇんか。)」
「誰? ああ、新神の猫神の神使ね? 何なに?」
御鳥様はとっても綺麗な神様でした。
鶴のようなカナリアのような孔雀のような。
「ミー(遅くなりまちたがご挨拶にお伺いしまちた。 詳しくは猫神に変わりまちゅ。)」
「・・・(・・・)」
「ミ?(あれ?)」
「・・・ねえ?」
「ミー(すみまちぇん、ちょっと電波が悪いみたいでちゅ。 アンテナは何本立ってまちゅか?汗)」
「・・・これってとっても失礼なことだって知ってる?」
御鳥様のお姿がちょっとずつ変わっていきました。
そのお姿はまるで、まるで、そう、変身忍者 嵐のようでした。
「クワーッ!!」
「ミー!(出直してきまちゅ-!)」
泣きながら校門を出る(?)神使猫。
「ミー!(うわーん! 猫神ちゃまー!)」
猫神様はきっとエマージェンシーです。
このまま蛇神神社へは行けません。
一先ず急いで猫神神社へ引き上げます。