1-5 ロリコンではない
猫神は子供が好きだった。
いや、語弊がある。 子供好きだった。 一緒か?
子供はかわいい。 かわいいのが好き。 だから子供が好き。
そこに何の問題があろうか? いや、全くない。 清廉潔白。
どうして世間のイメージが悪いのか。 親が子供をかわいがるがOKで、親じゃないものが子供をかわいがるというだけでどうして性犯罪者扱いされるのか?
一部の事件でそういうイメージがついてしまったのだろうか?
一部の犯罪者のせいで全員がそうだと思われるのは心外である。
まあでも親の気持ちもわかる。 そんな野郎のそばに自分の子供は近づけたくない。
だが今、自分は猫である。 しかもかわいい仔猫(主観)。 誰にはばかろうことがあろうか。 いや、ない。
「ニャ(ねね子ちゃん、撫でてもらってもいいだろうか?)」
「はい、猫神しゃま。」
ねね子は猫神のそばに座って、頭や背中の毛皮を撫でだした。
「ニャー(極楽、極楽。)」
「ふふ、猫神しゃまって、じーじみたい。」
「ニャーン(ガーン)」
猫神に痛恨のダメージ。
しかし撫でられているうちにダメージは回復した。
「ニャニャニャン(よし! ありがとう! 元気になった! さあ、仕事をしよう! 何か村で困ったことはない?)」
「はい、実は日照りが続いて困っていましゅ。 猫川がもう少しで干からびしょうなんでしゅ。」
「ニャーアー?(な~に~? やっちまったなぁ!)」
村のことを何にも知らん!
え~となんだっけ? 猫神村だっけ?
まずこの村を把握しないと。 ってあれ? そう思うと、なんとなくわかりそうな。
よし、村を把握っ! ふむふむ、こういう範囲ね。
でこの西から南に流れてるのが猫川か。
日照りの原因は・・・。 雨不足。 まんまか。
じゃあ村全体を覆うように雨雲を集めて。
とりあえずしとしと降らせようか。
上流もしとしとで、ため池にはドッサリ降らせとこう。
という設定で、よし、エンター!
「あ、わわわ。 猫神しゃま! 雨でしゅ! 雨でしゅ!」
「ニャー(まあね。 ねね子ちゃんが撫でてくれたからね。)」
「猫神しゃま、ありがとうございましゅ!」
「ニャン(よいよい、よきにはからえ)」
田んぼの水不足が解消できたくらいで、神通力(?)を切った。
あんまり降ると逆に水害が怖いからね。