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カミングアウトは必要ない  作者: 冬通 すばる
1/16

生業

「……ほら、ちゃんとしゃぶって」


 こいつら何が楽しくて生きてるんだろう。


「……こっちの手サボってるよ」


 早く死ねばいいのに。


「……しっかり握らないと。そんなんじゃいつまで経っても終わらないよ?」


 いや、死んじゃ駄目か。


「……そう、上手だ。やればできるじゃないか」


 生活できなくなる。


「……うっ。出るっ」


 きたならしい。


「……はい。今日の分ね。お金と、いつもの」


 さっさと渡せ。


「……また遊ぼうね」


 ぶくぶくと太った醜い肉塊、通称「おじさん」が部屋から出ていく。

 部屋に一人取り残された俺は、急いで浴室に向かい、火傷しそうなほど高熱のシャワーを出した。それを頭から浴びて全身の汚れを一気に洗い落とす。身体を洗い終え浴室から出た俺は、服を着て急いで部屋を後にした。


 外はもう暗くなっていた。

 周囲のネオンが騒々しく辺りを照らす。道を行き交う人々は一様につまらなそうな顔をしている。俺もその風景に溶け込むように歩き出すと、じめっとした生ぬるい風が制服の隙間から首筋を舐めた。

 俺はいつもと同じようにコンビニに立ち寄り、そこそこに冷えた水と一番辛いガムを買って帰った。

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