生業
「……ほら、ちゃんとしゃぶって」
こいつら何が楽しくて生きてるんだろう。
「……こっちの手サボってるよ」
早く死ねばいいのに。
「……しっかり握らないと。そんなんじゃいつまで経っても終わらないよ?」
いや、死んじゃ駄目か。
「……そう、上手だ。やればできるじゃないか」
生活できなくなる。
「……うっ。出るっ」
きたならしい。
「……はい。今日の分ね。お金と、いつもの」
さっさと渡せ。
「……また遊ぼうね」
ぶくぶくと太った醜い肉塊、通称「おじさん」が部屋から出ていく。
部屋に一人取り残された俺は、急いで浴室に向かい、火傷しそうなほど高熱のシャワーを出した。それを頭から浴びて全身の汚れを一気に洗い落とす。身体を洗い終え浴室から出た俺は、服を着て急いで部屋を後にした。
外はもう暗くなっていた。
周囲のネオンが騒々しく辺りを照らす。道を行き交う人々は一様につまらなそうな顔をしている。俺もその風景に溶け込むように歩き出すと、じめっとした生ぬるい風が制服の隙間から首筋を舐めた。
俺はいつもと同じようにコンビニに立ち寄り、そこそこに冷えた水と一番辛いガムを買って帰った。