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55 騒動の終わり

 シモーヌを見るとシモーヌの横にはライオンに似たモンスターがいた。

 「そのモンスターは・・・・まさか。」

 「そうよ、私が使役しているモンスターよ。」

 それはライオンの身体に翼を生やし尾が蛇になっている最近みたモンスターだった。

 「シモーヌあなた魔物使いだったの!?」

 「正解よ、ダドリアン様。」

 「街の人が見たモンスターはお前のものだったのか。」

 「そう、ダドリアンの秘密を握ることに失敗した私はハクアを森へおびきよせて捕らえるために森にモンスターがいるように見せかけてハクアが討伐へ向かうように仕向けたのよ。」

 だから何で聞いてもないことを自ら言うんだよ。

 ていうか、1年間何してたのまじで。

 やっぱりコイツはバカなのかもしれない。

 というかその計画も結構無理がある気がするのは俺の気のせいだろうか?

 「でもそれも失敗、高い金で雇った奴は役に立たない今私自らそこの雌雄族を捕らえることにしたの。」

 シモーヌの雰囲気が一変する。




 「そんな雑魚モンスターを引き連れてきたところで俺たちに勝てると思っているのか?」

 一神斎の言葉にハクアも剣を構える。

 「そうね、あなたたちはA級、もしくはそれ以上の実力があるのは事実でしょうね。 でもこれならどうかしら?」

 シモーヌは指を鳴らす。

 「なっ。」

 その瞬間ハクアの持っていた剣の刀身が崩れた。

 それと同時にモンスターも4体に増える。

 「残念ね私は召喚士でもあるの。 それにいくら強いといっても衰弱して武器がない状況でこれは厳しいのではなくて?」

 シモーヌが不遜に笑う。

 ハクアの剣はシモーヌが用意したものだったので何か魔法でも仕込んでおいたのだろう。

 「あははは、大人しく捕まりなさい雌雄族! 他の2人は殺すこと確定だけー」

 シモーヌが言い終わる前に横にいたモンスターから血しぶきがあがる。

 「ちっ、外れたか。」

 「なっ!?」

 シモーヌの横にいたモンスターの顔面に大剣が刺さっており、モンスターは悲鳴にも似た雄たけびをあげるとその場に倒れる。

 シモーヌを狙ったつもりだったのだが外れたようだ。

 「くっ、何て野蛮な奴なの!」

 「お前に言われたくはないな。」

 「ふん、それで? 不意打ちは失敗したようだけれどあなたまで武器がなくなってしまったけどどうするつもり?」

 「シモーヌの言う通りだ! どうするんだダルト!」 

 「安心しろハクア。」

 一神斎は腕の道具箱の腕輪アイテムボックス・ブレスレットから短杖ワンドを取り出すと同時にシモーヌとモンスターに向けて魔法を発動する。

 「<雷撃ライトニング>!」

 短杖ワンドから放たれた雷撃ライトニングは途中で枝分かれしてシモーヌ達に着弾する。

 「きゃぁぁぁぁぁぁ!」

 シモーヌとモンスターは雷撃ライトニングを浴びて悲鳴をあげる。

 ゴブリン程度なら一撃だがさすがに魔物使いが召喚したモンスターだけあって補正が付いているのか一撃では倒れないようだ。

 そして雷撃ライトニングが終わると間髪入れずにもう一度魔法を唱える。

 「<雷撃ライトニング>」

 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 モンスターの声はうるさいが・・・・シモーヌはエロい。

 何か女スパイを拷問にかけているみたいだ。

 しかし、服が破けない。

 何か魔法を付与しているのかもしれない、残念だ。

 「ダルト何か変なこと考えてないか?」 

 「こ、こんな時に何をいっているんだ。」

 エスパーかお前は。

 いつのまにか横に並んだハクアに目をやる

 ハクアの言葉に気を取られた瞬間。




 「くそがぁぁぁ!」

 シモーヌが雷撃ライトニングを振り払い短剣を手に飛びかかってきた。

 「ちっ。」

 一神斎は横にいたハクアを突き飛ばしてシモーヌの短剣を受ける。

 「驚いたな、雷撃ライトニングを2回くらってもまだ攻撃してくるとはな。」

 「はっ、これでも魔法耐性の個性タレントを持っているのよ! 装備にも魔法耐性の付与しているしね!」

 ご丁寧に説明までしてくれる。

 「それはご丁寧に・・・・どうも!」

 力でシモーヌを押し返して横に薙ぎ払う。

 しかし、シモーヌは宙返りでそれをかわしこちらに手をかざして魔法を唱える。

 「<雷撃ライトニング>!」

 雷撃ライトニングがハクアを狙い、それを庇った一神斎に直撃する。

 鉄製の鎧を装備している者にとって電撃系統の魔法は効果がある。

 ただの鉄製ならばの話だが。

 一神斎の鎧は通販で購入したものを真理の錬金釜アルケミーポッド・オブ・ヴェリティで姿形を変えたものだ。

 外界の防具がどういうものかはわからないが、魔法と科学が同時に発展している現代では通販のオブジェ用といえども火災防止の観点から耐火耐電くらいは当たり前になっている。 

 ただ魔法によるものに関してはそこらへんを完全に無視できる耐性無効のものもあるがシモーヌの魔法は一般的なものなので一神斎にダメージはない。

 (ダメージはないが少し眩しいな。)

 「ちっ、魔法耐性のある鎧か! 邪魔するんじゃないわよ! そこの雌雄族を渡しなさい!」

 「渡せと言われて渡すやつがいると思うのか?」

 「馬鹿すんじゃなわよ!」

 シモーヌは更にモンスターを2体召喚して1体をダドリアンに、1体をこちらに向かわせる。

 「ちっ、ダドリアン! これを使え!」

 ダドリアンに短杖ワンドを投げて一神斎はハクアの前に躍り出る。

 モンスターの牙がダドリアンに襲い掛かった時だった。

 「どゅりゅああああああ! ”虎王剛鉄拳こおうごうてっけん”!」

 ダドリアンは野太い声と共に赤く光る拳の連撃がモンスターに直撃し、モンスターは吹き飛ばさせる。




 「なっ! ちょっー・・・・ぐはっ!」

 吹き飛ばさたモンスターはシモーヌを巻き込んで壁に激突する。

 モンスターと壁に挟まれたシモーヌは失神してしまった。

 シモーヌが意識を失ったことで召喚されたモンスターは消える。

 「レディとしてはもちろんだが人間としての風上にも置けない奴だ。」

 ダドリアンは拳を握ったままシモーヌへと近づいて手際よく縛りあげる。

 「ダルトちゃん、ハクアちゃん大丈夫?」

 呆気にとられていた一神斎とハクアにダドリアンが声をかける。

 (こいつもS級クラスじゃないのか?)

 などと考えていると後ろにいるハクアがまた咳をしている。

 「俺は大丈夫だ、それよりもハクアの具合が良くないから医者を頼む。」

 一神斎はハクアを抱き上げる。

 「わかったわ、奥の部屋は私の寝室だからそこのベッドまでハクアちゃんをお願い。」

 ダドリアンはそのまま執事を呼んで医者と兵士を呼ぶように命令している。

 「ひ、1人でいけるから降ろせ・・・・うっ。」

 「ほら無理すんな。」

 一神斎はハクアをベッドまで運び、ダドリアンと共に後始末をすることにした。

昨日は更新ができず誠に申し訳ございませんでした。



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