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39 忙しくなる? 日常

現在モンスターや怪人、犯罪組織などの対抗勢力は大きく3つに分かれている。

 まずはユーリ達、8英星を筆頭としする討伐隊や防衛隊の国際政府。

 さらにその国際政府直轄のギルドヒーロー組合に登録しているギルドチームや個人登録している賞金稼ぎ。

 トレジャーハンターなどの者も原則として組合に登録しなければいけないことになっているのそれらも組合になる。



 そして最後にどこにも属さず、誰からも報酬をもらことなく活動している者。

 どこにも属さずに活動しているものは少なからず存在しており、政府でもそれらの動向を確認している。

 裏社会にも非合法な報酬で活動している者もいる。

 だがそれらは正直政府からすれば取るに足らない者達ばかりですぐに情報が確認することができ少しでも度が過ぎれば捕縛し、警告を出すこともある。

 だがその中に数人の例外が存在する。

 "白金の英雄" "個人戦艦" "純白の戦乙女"

 それが"2英1狂"と呼ばれる3人だった。

 この3人に関しては情報がなく、調べてもまるで蜃気楼を追っているように何も掴めないのである。

 出現場所もばらばらでまさに神出鬼没なのである。

 そして一番警戒すべきは1人1人の戦闘力。

 その実力は個人で世界に影響を及ぼすほどの力を有している。

 3人とも世間一般で知られているほどの知名度をもち、人気もある。

 だが3人はそんなことはまるで気にせずに活動している。

 それがギルドヒーロー組合からすれば非常におもしろくない存在であり、組合に所属ヒーローの中には尊敬しているものもいるが目の仇にしているものも多い。

 国際政府としても平和に貢献してくれているのはありがたいが、政府などに報告などがないので事件や怪人の存在有無など状況把握ができないのである。

 例として"人食い"の件がある。

 政府としては"人食い"を討伐した報告がないので捜査を続けなければいけない、仮に今回のように倒されたという情報があったとしても事実確認をしていない情報を開示する訳にはいかない。

 これが政府軍やギルドの者ならば事実確認しやすいが、個人で解決されてしまうと事実確認ができないので非常に厄介なのである。

 



 「"個人戦艦"に関しては派手なのでわかりやすいのですが。」

 「はははは! たしかに、あいつはわかりやすいな。」

 武蔵はまた大笑いする。

 「だが"白金の英雄"はこっちの到着前に解決しやがるからわかりずらいったらありゃせんわ。」

 武蔵の言葉に清明が続く。

 「たしかに、それに彼は"個人戦艦"とちがい非常にクールな方なのでこちらとしても読みづらいですからね。」

 ダンディムは難しい顔をして口を開く。

 「問題は"純白"の嬢ちゃんだな。」

 ダンディムに同意するように清明も険しい顔をする。

 「そうですね、彼女場合は他の2人と違って捕縛や力の無効化で終わりませんからね。」

 「完全な抹殺、もしくは周囲一帯を消滅させちまうからな。」

 「民間人に被害が出てないのがせめてもの救いだのぉ。」

 「しかし、行き過ぎた力は暴力でしかありません。」

 「他の2人も同様です、いつ我々の敵になるかわかりませんので警戒は必要です。」




 ここで武蔵が大きなため息をつきながら円卓の真ん中に映る魔導師を顎でさす。

 「はぁ~、更にこいつまでそこに加わるのか?」

 「私は警戒すべきだと考えています。」

 「魔法を使うからか? ユーリ嬢。」

 ダンディムの言葉に他の2人もユーリを見る。

 「はい、彼はレクス隊長が常備している魔法制御装置を無視できるかなり高等な魔導師であり、さらにはその思考はレクス隊長からの報告からすれば自己中心的な人物です。ヘタに刺激をしてよい人物ではありませんが水面下で調査を行うべき存在だと考えています。」

 「もし、”純白”のようなやつなら広範囲な破壊魔法を使いかねないか。」

 「見た目からして怪しいからな。」

 「他の3人同様の調査を直ちに手配いたします。」

 「で、こいつのことは下の奴らには何ていうつもりなんだダンディム。」

 武蔵の言葉にダンディムは帽子を押さえながら返事をする。

 「な~にありのままを言うさ、隠してもしょうがねぇからな。」

 「”2英1狂”は今度から”2英2狂”に変更するってか?」

 「”2英2狂”か・・・・そもそもこんなもの誰が名付けたんだ?」

 「いつの間にか俺たちまで定着しちまったからな。」

 「お2人共その辺で、まだまだ報告事項はありますので。」

 ユーリの言葉に中年(?)2人が驚愕の表情を見せる。

 「まだあんのか!?」

 「はい、途中退席は認めませんので。」

 ユーリはモニターから目を離さずに次の資料を映し出す。

 「ダ、ダンディム。」

 「あきらめろ。俺の後ろも部下が見張ってるんだからよ。」

 会議が終わったのはそれから3時間後のことだった。





 

 「すいません。今大丈夫ですか?」

 一神斎がマンションのコンシェルジュに声をかける。

 「はい、大丈夫でございます。何かございましたか?」

 「これからしばらく家を空けることになりますので、何か荷物や来客があればこちらまで連絡していただけますか?」

 ブレスレット型の携帯電話を起動させると電子モニター現れ、そこにはメールアドレスが表示されている。

 コンシェルジュも同様にブレスレットを電子モニターの前へ出すとアドレスが表示された電子モニターがブレスレットへと吸い込まれていく。

 「かしこまりました。」

 コンシェルジュが一神斎が持っている旅行鞄に目をやる。

 「ご旅行ですか?」

 「ええ、たまに帰ってくることもあると思いますが友人の仕事を手伝いにも行きますのであまりここにはいないと思います。」

 「そうですか、では荷物などはこちらから所在地へ発送いたしましょうか?」

 「あぁ・・・・いえ大丈夫です。ありがとうございます。」

 「わかりました。気を付けて行ってきて下さい。」

 「はい、いってきます。」

 一神斎はマンションを出て近くの小道に入り人がいないことを確認すると”弧黒の宮殿”へと転移する。



 

 たまに寝泊まりしている自室に転移する。

 そこには自宅からここへ移動させた"RPRリアル・プレイ・ルーム"が設置されていた。

 先日から怪人やら怪物やらと遭遇しており、無防備の状態になる"RPRリアル・プレイ・ルーム"による外界での冒険は危険だと考えた。

 ”孤黒の宮殿”ならば誰にも邪魔されないし、身を守るための魔法を使いたい放題だ。

 それにここなら大農園や大牧場から新鮮な食材を選びたい放題、食べ放題だ。

 巨大な厨房には自動料理設備もあるので栄養バランスも完璧だ。

 それに何か食べたくなった元の場所に戻ればいいだけだし。

 もちろんさきほどの旅行の話や友人の仕事の話は嘘だ。

 長期で家を空けるのだから何か理由は必要だろう。

 旅行に関しては嘘ではないかもしれない、外界に行くのだから。 

 シルクェーナスとの話や”白金の英雄”に出会ったことで外界に行く目的ができた。

 この世界には自分が所持している”至高の47”のようなものがあるかもしれない、それを見つけて自分の手中に入れることだ。

 


 とはいっても別にそれらを利用して世界を征服するとかは全然考えていない。

 もちろん世界平和のためでもない。

 これは自分のためだ。

 自分の脅威とありえる存在の確認と回収、万が一の場合は排除することも辞さない。

 なんとなくだが”白金の英雄”が装備していたものはそれに該当するのではないかと思っている。

 というか他の2人もそうだろう。

 だがわざわざ”2英1狂”と自ら闘うことはしない。

 別に何もしていないのだから。 

 それに自分のいた世界では”8英星”、政府軍、ギルドまでいるのだから行動しずらいったらありゃしない。

 もし自分の命を狙ってくるのならば闘うほかないが自分からそのようなことはしない。

 外界にも似たような、いやそれ以上の強者がいるかもしれないが国際政府のような組織がないので外界の方が動きやすいだろう。

 それに外界の方が未知の秘宝が多そうだ。

 


 「よ~し、装備は万端だ。」

 ダルトには全身鎧を装備させている。

 指には”魔法の指輪マジック・リング”を装備させその上から篭手を装備、手荷物には”巻物スクロール”やポーションも入れてある。 

 "RPRリアル・プレイ・ルーム"の中に入り、椅子に座ってヘルメットを被り起動する。

 ダルトの身体に入って準備完了・・・・。

 「転移の魔法かけるの忘れてた。」

 一神斎は元の身体に戻ると”杖”を取り出して外界へいくための魔法をかける。

 「さ~て、忙しくなるぞぉ!」

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