表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/446

ありふれた不運

「さてさて、次の町まで急いで行って攻略しちゃおう作戦会議第一回、はっじまるよ~☆」


「おう、始めようか。」


「そうね。始めましょう。」


「ぶー、ふたりともノリ悪いよ~。

こう、次の町にはどんな面白いものがあるのかな、とか、何食べるか~とかさ。

いろんな作戦立てないといけないんだから、楽しくいかないと☆」


「いや、観光じゃないからな。」


「そうよ、早くクリアするために自力で行こうってことなのよ。

ゆっくり観光だったら誰かが町まで行くときに便乗できるように待ってるだけでいいんだから。」


「はーい、それじゃ急いで次の町に行ってから観光ということで~。」


「・・・もうそれでいいわ。」


「さて。

情報を再確認しようか。」


「そうですね。

まず、私たちの情報を。

私が神官。ただし、まだ洗礼前なので偽神官ですけどね。

主なスキルは体力回復、負傷回復、毒回復です。

杖術も少しだけ鍛えたので、いざというときには防御も、まあこの子よりはできると思います。

そして、この子が魔法使い。

手持ちの呪文は火炎魔法と幻火炎魔法。

火炎魔法は普通の炎、幻火炎は動物系にしか効かないけど火事の心配がない炎の魔法だそうです。」


「てきせーが火炎しかなかったから両方とっちゃいました、てへっ☆

ポイント全部つぎ込んだので、威力はけっこー出せると思いますっ。」


「なるほど。

俺は騎士志望の軽戦士だ。

スキルは片手剣と盾を鍛えてる。

ステータスは防御重視で上げてるから、俺を盾にして後ろから援護してくれると安定すると思う。」


「了解です。

防御、攻撃、回復と分担できるのが理想ですね。」


「道の情報は冒険者協会にあった地図を写して入手してあります。

次の町まで、この道を使えば、かなり遠回りにはなりますが昼間のアクティブモンスターははぐれ犬くらいしか発生しないので特に安全だ、と書いてありますね。

夜はアクティブモンスターが多く発生。歩き続けると危険ですが、このエリアの敵ならテントと焚火で敵が近づくのを阻止できる、と。」


「はぐれ犬1匹だったら俺一人でも無傷で倒せたから、名前通り1匹でしか出てこないならいけそうだな。」


「戦士さんは守りかたそうですから大丈夫だろーけど、あたしはまほーつかいだから怪我したら大変なんだけど~。

その辺はだいじょぶなの~?」


「大丈夫よ。

はぐれ犬なら最初にかまれるのは足からだから。一撃では死なないわ。」


「ああ。そうだな。

足をかまれた時点で転ばなければ勝ちは確定だ。1匹なら。

まあ盾かなんかで防御できれば無傷だから一番いいがな。」


「それ、全然安心できないんだけど~?」


「冗談だよ。

前か真ん中で歩いて、正面から敵が見えたら俺の後ろに隠れれば大丈夫だ。

一番怖いのは背後からの奇襲だからな。」


「物事に100%はない、って言うし、ある程度覚悟はしておいた方がいいと思うけどね。

まあ私が神官魔法である程度の傷なら治せるし、それぞれでポーションも持っているんだから、万が一怪我してもすぐ治せるわよ。」


「そうなの?それならちょっと安心かなぁ?」


「ただし、パニックになって走ったりはしないようにな。

背後から襲われるとどうしても傷が重くなりがちだし、俺はそんなに足速くないしな。防御重視だから。」


「うん、わかった。

それじゃ、がんばっていこーねぇ☆」


・・・・


そして、目の前には巨大な熊。

どう見てもボスキャラ、だよな。これ。


「犬さんしか出てこないんじゃなかったの~っ!?」


「そうだな。

アクティブモンスターははぐれ犬くらい、のはずだったんだが。」


「・・・『発生しない』。

そういえば『移動してこない』とは書いてなかったわね。」


「えっ、そんなのありなの、おかしいよね、ずるいよね!」


「・・!

来るぞ!」



『威圧』発動。

圧倒的な強者のオーラが、プレイヤーたちの行動を封じる・・・。


させねぇ!

『鼓舞』発動!

「気合入れて行こうぜ!!」


これでふたりとも動けるようになったはずだ。

「俺が押さえとくから回復と攻撃頼む!」


(しーん)


・・・


「ちょ、ふたりとももう逃げてるのかよ!」


・・・まあ3人逃げないで残っていたとしても生き残れそうな気は全くしないけどな。


まあいい。

だが、そう簡単には倒れてやらねぇ。


「おら、熊公、かかってこいやぁ!!」


(がつっ)

その爪の攻撃は「盾にかすっただけ」にすぎない。

しかしその衝撃は、戦士の盾を弾き飛ばすのに充分だった・・・。


「ぐっ・・・」

かすっただけでこれかよ・・・。

これまで、かな・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ