めでたしめでたし?
「さて、と。
お前ら、みやとはやてだったか?」
「はい。みやです。」
「はい、はやてです。」
「この簀巻き、どうする?
勘違いとはいえやったことがやったことだから追放でもいいし召喚契約結んで手下にするとかでもいいぞ。
ああ、狙われてたのはフォルスちゃんだからあっちに聞かないといかんか。」
「それでは私がフォルスちゃんに聞いてきます。」
「えっと、栞手裏剣は所長が止めてくれたから怪我もなかったみたいだし、って、そーいえばあの技ってどのくらいの威力なんですか?
魔力系攻撃って、あたしたちからだと凄さがあんまりわからないんですよね。」
「『ぶ厚い鉄板に撃ち込んだら枝折りの長さの半分くらいの深さで刺さる』、くらいじゃないか?
不意打ちだったから俺が止めたが、根性入れればなんとか耐えられる程度だろ、おまえらでも。」
「いや、それ根性では無理です。
ドワーフ族ならいけるのかもしれないですけど、すくなくとも人間には無理だと思います。」
「そうなのか?不便だな。」
「不便とかいう問題じゃないような気が・・・。」
「ただいま戻りました。」
「お疲れさん。
で、なんて言ってた?」
「とりあえずおなかがすいているようです。
攻撃されたのは気にしていない、というか、あの状態だったので覚えていないのではないかと。」
「ああ、そーいえば白ちゃんまだ晩ごはん食べてないね。
とりあえずあたしたちもおなかがすきました。」
「そーいえばトランス状態みたいなことになってたな。
うーむ。
まあとりあえず、こいつは地下室の魔力封印部屋でしばらく謹慎でもさせておくか。」
(ちりんちりん)
「それでは魔力封印部屋に監禁してきます。」
「ご苦労さん。」
「お前らは食堂行って来い。
支払いはあいつの財産からさせとくから、好きなもの頼んでいいぞ。」
「え、良いんですか?」
「まあ勘違いだとはいえ3段目の必殺技撃ち込んだんだから、そのくらいは良いだろう。」
「それじゃ行ってきますっ。
ごっはん~、ごっはん~。」
「それでは私も失礼して行ってきます。
白ちゃん、晩ごはん行きましょう~。」
「にゃー。」
「・・・・あいつらくらいの防御力だと、防御失敗したら全身バラバラになるくらいの技撃ち込まれてたんだがなぁ。
晩飯1回分であれだけ上機嫌になれるのか・・・。」
「み?」
所長の「なんとか耐えられる」=「死ぬ寸前でなんとかもちこたえられる」です。