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重ね掛けは高等技術です
「あーびっくりした、センパイどーしたんだろ、いきなり攻撃してきて。」
「白ちゃんの状態を見て、攻撃しないと危ない、と判断した・・・ということかしら?」
「あ、そーいえば、白ちゃんは!?」
「くぅ。」
「あ、寝てる。
でも魔法陣はそのままだね。」
「あれ、でもあの異様な気配は消えてるわね。」
「とりあえず魔法陣だけでも調べておくか。」
(ちりんちりん)
「お呼びでしょうか。」
「その魔法陣の内容解読してくれるか?」
「これは旧世代によく使われていた疲労軽減の魔法陣ですね。
重ね掛けで効力を割り増ししてあります。」
「そうか。ご苦労さん。」
「それでは失礼します。」
「だそーだ。魔法陣自体は危険なものではないようだな。
単に疲れたから魔法陣展開しただけじゃないか?」
「疲れたから、って、それだけ?」
「疲労軽減の魔法陣なんだったら、疲れたからか疲れるからくらいしか理由はないだろうよ。」