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みーのーぞくと、ひゃくだいのもも。

「むー。やっぱりはなしが通じにくいかな。」


「あれ?ご飯食べた後動き止まってたと思ったら、魔法で誰かと話してたの?」


「らー。まほうでミーノーのひとと話してた。」


「あら、ミーノー族の人なのね。

 この前もたくさん牛乳を持ってきてくれていたみたいね。」

 

「ああ、ミルク屋さん一族ね。なんかいっぱいミルク持ってきてくれるようになった感じだったよね。ポーションの代金代わりに。」


「はやてちゃんがうっかりミルク屋さんって言ったから結果的に丸くおさまったみたいだけど。

 あのとき、はじめてミルク配達決死隊に直接会ったときは服装と所持品と表情と雰囲気、すべてが違和感しかない状態だったわね…。

 ミルクの配達で決死隊、という言葉に問題を感じるのは私だけかしら……。」


「いや、普通に変でしょ。白ちゃんだってちょっと驚いたって言ってたし。あの時は。

 それに、あたしがミルク屋さんって言ったのはたしかだけどミルク屋さん一族を名乗れとは言ってないし。あたしは悪くない。」


「らー。あのときはびっくりした。

 配達は依頼料を払えるならぼーけんしゃにまかせたほうがたぶんらく、だけど、みーのーのひとは通貨の取り引きの習慣がほとんどないらしいし、たぶんぼーけんしゃにまかせてもうまくはいかないだろうから自分たちで運ぶのが一番楽だっておもったのかも。ぼーけんしゃを知らないだけかもしれないけど。

 呼び方はどっちでもいいけど今はミルク屋さんのほうが正しい感じかな。くわしく説明すると長くなるから省略すると、仮名みたいな感じで仮の役職。

 召喚術の神降ろしとかそういう感じのちょっと危ない魔法を使う時にダメージをある程度のところで止めるための技術。役柄、立場を仮定して交渉するほうが安全、みたいな感じ。

 だから、良い感じの役柄を指定するのにちょうどよかっただけだから問題はないはず。

 魔法的な契約を結ぶときは名前の定義は重要。」


「ふむふむ、今のところは問題はないということだけはわかった。

 つまり、約束するときに個人の名前で約束するか会社とか騎士団みたいな団体の名前で約束するかで説得力も変わるし失敗したときの被害も変わる、くらいな感じでしょ。

 ミルク屋さんとしての約束ならミルクの品質とか量に対しては効力はあるけど一族そのものが吹っ飛ぶくらいの失敗はたぶんない、みたいな感じで。最悪ミルク屋さんやめればいいだけっぽいし。」


「らー。だいたいそんな感じ。

 たぶん、最初の時は一族の財産から奪って持ってくる、みたいな隠ぺい工作もしていたと思う。状況によって、一族から離反していたものだということを言える程度にはいろいろやってそう。」

 

「ああ、一族からいったん離れて交渉しておいて、いい感じな結果が出たら一族の手柄にするってことか。かしこい、けどちょっとずるい。」


「悪魔召喚みたいな魔法で偶然白ちゃんとつながっただけらしいから、大きな代償がある場合の対処法は考えてはいたんでしょうね…。白ちゃんが相手だったら怒らせなければ問題ない、と私たちなら言えるけど、知らなかったら交渉の席に立つだけでも難しいと思うわ。」


「まあ自分の力が足りないから召喚魔法なんて考えるんだろうから召喚相手が自分たちより強いのが当たり前だろうしね。」


「み?召喚魔法もいろいろある。眷属召喚とか使役召喚だと自分より下の存在として呼び出すから代償が安いぱたーんだね。あとは一回限りとか回数制限がある分代償が安くて強力なものとかもある。みーのーのひとの魔法は相手を指定しない魔法だったから、効果は安定しないし相手も指定できないけど代償は高かったり安かったりする。

 そんなことを言ってる間に交渉成立。半分だけだけど。」


「半分だけっていうのは、まだ交渉をしなくちゃいけない部分が残ってるってことか。薬代をミルクで払うっていうところまでは決まってたんだから、薬代以外の何か?また病人かけが人が出て薬が必要になったとかかもね。」


「むー。薬が必要になったわけじゃないけど、必要になるかもしれないから連絡先、魔法のてがみのあてさきをおしえた。儀式魔法の応用でわたしに直接魔法で注文できる。注文に応えるかは保証できないしほかのこと考えてる間は読まないから読むまでどのくらいかかるかも知らない、何日か何か月かかかるかも、そのくらいの条件。そうしたら、連絡先の代償ってことで生贄を送るっていう話になって、生贄ならどこかでかった獣を贈ってもらうようになって、ついでにミルクの納品先も直接に変えた。そうしたら肉とミルクを持ってきてくれた。そこまではいいんだけど、住所の代償としてまた生贄贈るって話をし始めた。いまここまで。」


「ああ、前回ミルクと一緒にいろんな肉を置いていったのはそういうことだったのね。連絡先の代償っていうのがわからないけど。」


「通貨の取り引きの習慣がない、ということはお金を払ってポーションを買うということができないということよね。

 それで魔法で呼びかけて、呼びかけに答えた白ちゃんのポーションで危ないところから助けてもらった。

 そのうえ連絡先を教えてもらったなら、今度また同じようなポーションが必要になった時はまた助けてもらえるかもしれないと考えて、連絡先を教えてもらったこと自体にお礼をするというのもあり得る話だとは思うわ。

 普通だったら誰か助けてくださいって魔法で呼んで助けてもらえる可能性はほとんどないでしょうし。

 そんな方法で簡単に助けてもらえるなら冒険者協会はいらなくなっちゃうでしょうから。」


「むー。りかいはできるけどなっとくはいかない、なかんじ。

 物々交換が基本な一族ならしかたないけど、つりあうところをさがすのがけっこうたいへん。

 液体やそれに近いものを代償にして、ミルクはあるから水とか砂とか土とかかな?穀物や雑草でもいいけど。量の計算方法も適当だから、あとは受け取りながら調整するしかなさそう。

 みーのーのひとは数を数える習慣がほとんどないっていうことはわかった、だから、通貨のとりひきはたぶん通貨数枚、多くても指の数が限界くらいかな。妖精にお願いするときみたいな感じでいいのかも。」


「通貨10枚が限界なら、銀貨ならちょっといい食事1回で終わっちゃうくらいだね今なら。

 たとえば市場で値段見ないで好きなのを食べるなら銀貨100枚くらいは持ってないと難しそう。

 大銀貨とか金貨とかならもっと大きい取引もできるだろうけど、そっちは逆に数が少なすぎて準備するのが難しいだろうし。

 ポーションをお金で買うのは難しいだろうなそれなら。」


「難しいでしょうね…。

 大銀貨なら、それに数本でつり合いが取れるポーションも難しいでしょうし、安いポーションなら逆に数が多くなりすぎるでしょうし。いまでも大銀貨はかなり価値があるはずだったわよね。銀貨は価値が下がったけれど。」


「らー。むずかしい。

 ぽーしょんの値段は売るひとしだいだから、もともとむずかしいけどね。」

 

「なるほどもともとか。そういえば白ちゃんがタダみたいな値段で補充してくれるから気軽に職員が飲んでるCポーションだって普通に買ったらすごい高いらしいしねー。」

 

「CぽーしょんはAポーションを千倍くらいに薄めればいっぱい作れる、だからAポーションが作れればタダみたいな値段で作れる。Aポーションも材料を自分で確保できれば安く作れるし。」


「いやAポーションが作れるならBポーションも作れるんだろうしBポーションを作ったほうが儲かるんじゃないかな。普通に売ってる中では一番高いっぽいし。」

 

「らー。そういわれればそうかも。」


「ところで、食事のあとのデザートを食べる余裕はある?

 白ちゃん、この前なんかいろいろ作ってたって言ってたよね。どんなのがあるのか期待してたんだけど。」


「らー。いろいろ作ってある。

 百代桃、完成するまで三百年かかるといわれている桃、実際作ると一週間くらいかかる。たぶん一か月あれば仙桃まで行けるかもしれない。けど、今はここが限界かな、はじめたばっかりだし。作業あきたし。」


「いや三百年かかるといわれているのが一週間って、それでいいもんなの?

 作る実力を身に着けるところからで三百年みたいな意味なのかな?普通の人間には無理だぞみたいな。」


「モモは三年柿は六年みたいな言葉を聞いたことがあるわ。だから、桃を百代、百回育てるのが必要な条件なら三百年で百代の桃ができる、ということじゃないかしら。」


「らー。だいたいあってる。

 桃を育てて収穫してその種からまた育てて、百回繰り返すと変異させられる、ただし一代目から魔力をたくさん注いで育てるのが条件。失敗したら最初から。」


「いや、植物を魔法で早く育てられるのは知ってるけど、それでも早すぎない?」


「み?やってみたらできた。」


「いやできるならいいけど。……普通に食べていいもんなんだろうかこれ。」


「たぶん普通の桃よりはちょっとおいしい、そのくらいかも。

 仙桃でも桃源郷の住人は常食してるっていう言い伝えがあるし、たぶん、毎日食べても飽きない程度の味にはなってるんじゃないかな。」


「うん、まあ気にしてもしかたないか、それじゃ切ってくるね。」


「にゃー。わたしはすこしだけたべるー。」


「りょーかい。みやっちは出されたものは食べるから適当に多めでいいよね。」


「そうね、おねがいするわ。」

 百代桃は体の微妙な不調を少し回復するくらいの効果、古傷とかでポーションで治りきらないものもちょっと良くなる(結果的に能力値が上がるかも?)

 ネクタルの材料としても使えるらしい。

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