かじのみちはまだとおく
432 鍛冶道足踏み中
ミスリルの装備がこの世界で出回らない理由
鉄、鋼鉄、銀のような普通の金属の上のランクの装備に、みんな名前は知ってるだろうミスリルがある。
運が良ければ初期装備で当てているかもしれないな。
だが、現物は見たことが無い人も多いんじゃないだろうか?それには理由がある。
以下長々書くがだいたい読み飛ばして良い、簡単に言うとこれだけだ。
『現状、ミスリルは普通の金属よりはかなり強いが値段が高いのと製作依頼できる相手が見つからないことでコストが高く付きすぎる、金属加工技術がゲーム開始時点からあまり上がっていないので、鍛冶施設、燃料、魔石燃料、鍛冶関連スキル、などをそろえてミスリルを安く作れるところまで誰かがたどり着かないと、ミスリル装備を戦力に入れるのは難しそうだ。』
もっと簡単に言うと『武器屋のレベルが足りないからまだ安くは作れないっぽい』だな。
これからまずミスリルの性能を書いていく。
比重が軽い、純度が高いミスリル鋼なら羽根のように軽いと言われているが、普通のミスリル装備でも普通の鉄やほかの金属の装備と比べればかなり軽い。(ミスリル装備と言われているものはほとんどがミスリルで表面を覆ったものか少量のミスリルとほかの金属で合金にしたものだ、それでも値段は高いが)
攻撃力はほかの金属で作った装備と同等以上。
銀武器以上のアンデッド特効、装備破壊されにくい、切れ味が落ちにくい。
値段と入手難易度を抜きで考えれば、全部ミスリルにすれば最強なんじゃないか、と思う程度に長所しか無い。現時点のほかの金属と比べれば。
433 鍛冶道足踏み中
弱点は値段、入手難易度だ。
まずミスリル鉱石の純度が測定しにくい。ミスリルは比重が軽すぎるのもあって、重量当たりで取引額を決めることが難しい。
鉱石の質も、鉄などの普通の金属原石なら、識別スキルが最低限あれば粗悪な、普通、良質、上質など品質を数段階で見分けることができる。割に合わないような不良品は最初から使わない、といったことができる。ミスリルは識別難易度が高いのか品質は表示されない。
純度を上げれば上げるほど軽くなるから、うまく値段設定をしないと、純度が低いほうが高いといったことも起きかねない。
冒険者協会ではミスリル原石の値段は品質にあまり関係なく原石の重量で決まる。あまりにも品質が悪いと買取不可な場合もあるが、普通以上なら値段は変わらないそうなので、品質の見分けがつくなら良質以上を買い取りに出すのは損だろう。(自分は見分けがつかなかったから、ミスリル鉱石の納品依頼を受けて不合格が出たものは使わずに合格が出たものの中から自分で使う分を取って残りを納品してクリアした。これで最低品質の物だけは避けることができたはずだ。)
434 鍛冶道足踏み中
次に、材料の使用量が予想しにくい。
ミスリル鉱石からミスリル鋼に精錬するだけでも鉱石使用量が予想しにくいが、ある程度精錬してミスリル鋼を作ることはできる。
加工方法は、ミスリルを含む鉱石からほかの金属や石成分などミスリル以外の部分をどんどん溶かして溶けた分を取り除いていくのが一番簡単な方法だろう、力押しだが。とにかくミスリルは溶けにくい。ある程度までならこの方法で不純物を減らしていける。粗悪なミスリル鋼までなら作れたが、それでも大量のミスリル鉱石と大量の燃料を必要とした。(ミスリル鋼のほうがミスリル鉱石よりは品質を調べやすいようだな)
435 戦士休憩中
ミスリルか、見たことないな。
たいていのゲームで強いってくらいしかわからん。
436 鍛冶道足踏み中
ミスリル鋼を作れたとしても、完成品の装備にどのくらい使うか、という問題が出る。
純ミスリルだと値段が高くなりすぎるので、ほかの金属との合金にしたり表面だけミスリルになるように加工したりするのが定石らしい。
どのくらいのミスリルを使えばいいのかは専門家ならわかるのかもしれないが、その最低限の量も実力次第で違ってくるらしい。実力がある職人ほど安く上がる可能性がある、材料費だけで言うなら。
加工方法は、魔力を含んだ炎で溶かすことから始まる。石炭に魔石を混ぜて直接加熱する方法、魔法鍛冶用の鍛冶施設で魔石燃料を使って焼く方法、火山などの魔力があふれている地形で地形からの魔力を吸収することを祈って作る方法などがあるらしい。攻撃魔法で強力な熱を出せる物があるならそれも使えるかもしれない。スキルがどのくらいあれば加工を始めることができるのかが未知数だから、道具があればできるというわけでもないようだが。
魔石の値段は最初に比べれば相当安くなってはいるが、それでも試しに使ってみるには高い。
自分は予算不足もあって、少量の粗悪なミスリル鋼を作ったところで足踏み状態だ。
437 鍛冶道足踏み中
実際にミスリル鋼から完成品の武器や防具を加工できるくらいのスキルと設備があるなら、鉄の鎧くらいなら簡単に作れるだろう。目を瞑っても作れるとまでは言わないが、ミスリル原石からミスリル鋼の精錬作業の合間の片手間に数着の全身鎧を作ってみた、みたいなことができてもおかしくはない。
ポーションだったら材料と道具と魔力と気力があればかけ声ひとつでジャンクポーションくらい作れる薬師は存在するし、鎧でも同じくらいのことができる可能性はある。
だから、普通の鎧とはケタが違う値段はするだろうし、ミスリル製の鎧が普通に買えるくらいの値段になるころには鉄や青銅の装備などは二束三文の安値になっているかもしれない。
ポーションのC級、D級が最近安く入手できるようになってきていることと同じように、そのうち金属装備も安く入手できるようになるのかもしれないが、現時点ではまだそこまではいっていないらしいな。鍛治関連、金属加工のレベルが伸びが悪い、出回っている武器の強さがあまり上がっていないのは確かだろう。
以上、半端にミスリル加工に手を出して散財した武器職人の情報、実質愚痴だな。
437 戦士休憩中
情報お疲れ様。ミスリルは万能装備か、欲しいな。
だが現状は入手は難しいか、まず金属鉱石が安くないしな。
初期装備で当てて使う予定がない、戦うつもりがない人から買い取れれば一番楽そうだな。技術が進むほど安くなるんだろうし、おそらく。現状の加工難度をもとに取引価格を決めるとどっちにしろ買えるような金額にはならなそうだが。
438 通りすがり
ミスリル鉱石の精錬で鉱石を大量に溶かすなら、ほかの成分を集めて副産物としてほかの金属塊も作れるかもしれないな。それを込みに考えても割に合わないんだろうが現状では。
長期的に見れば値段は下がっていくんだろうが、それでもしばらくは高値を保ちそうな気がするな。
432 名無し
今の相場だと皮の鎧の中古品でも銀貨千枚単位からだし、鉄の鎧の良品美品なら少なくとも1万枚はしそうだな。
それを簡単に作れる実力があってさらに挑戦してできた希少金属の装備…。
銀貨満載のアタッシュケースで取引するくらいか?それでも安いと言われそうだが。
432 戦士休憩中
アタッシュケースが無いけどな。
まあ今の話をもとに考えると、今のミスリル装備の高さは日本円に例えれば億からスタートくらいなんだろうな。今の銀貨相場だと数十万とか数百万枚とかそういう単位か?
オーダーメードが前提になりそうだし、冒険者なら超人的な強さの証か?まず値段がいくらかという前に作れる職人の当てがあるか、という話になりそうだ。金も必要だが。
432 名無し
迷宮の宝箱からミスリル装備が出る可能性もあるらしいが、中央都市の迷宮はまだそういうレベルまで行っていないのか、それとも確率が低いから当たっていないだけ?
432 戦士休憩中
今いけるくらいの階で出る可能性があるとしても、現実的に狙える程度の確率では無いだろうな。そんな簡単に狙えるほど出るなら、迷宮に潜る人はもっともっと多いだろう。NPC住人でも安全にある程度戦えるだろうっていう強さのはそこそこいるしな。
432 体力なら負けない、ほかなら勝てない
初期設定体力マックスにしたら初期装備でミスリル防具もらったが、そんなに高いのか?
筋力が無いから装備できないしアイテムボックスに放置なんだが。軽くは無いからミスリルが軽いって言うならメッキか合金のほうだろうけどな。
432 名無し
なにそれ初耳、俺は鉄の短剣とか皮の鎧くらいだったぞ。
メッキでも高くて強いらしいし、偽物じゃないなら大当たりじゃないか?うらやましい、売って欲しいわ、買う金が無いけどな。
オークションで相場を見るのをお勧めする。どの程度売買成立するのかは知らないが、売買成立するときは冒険者協会での買取よりは間違いなく高くなる。(冒険者協会の買取が安すぎるだけともいう)
432 体力なら負けない、ほかなら勝てない
高いなら売却も考えてみようかな、オークション見てみる、ありがとう。
432 名無し
メタなこと言っちまうとミスリルはおそらくそれほど強い素材では無いんだよな。鉄とか銅とか銀とかからちょっと上がった性能だし、ファンタジー素材の入り口くらいだろう。ポーションはA級が安定してっていうほどではないが入手できるくらいまで進歩しているのに対して、装備のレベルは上がっていないようだと思う、感覚的には。
432 鍛冶道足踏み中
まあ鉄や銀よりは強い、くらいの素材が最強格っていうことは無いだろうな、普通に考えて。
迷宮の最終的な難易度がわからないから使えるかどうかはなんとも言えないが、金で何とかなるレベルなら何とかしたいものだな。
その金がないわけだが。
432 名無し
まあ金属が高いし練習するのも金がかかるよなぁ、練習でどんどん加工を続ける、とやるには予算が足りない。
多少効率が悪くても安全に掘れる採掘場でもあれば良いんだがな。だいたいモンスターがつきものだ。
そのころ図書館地下の仮眠室では……
「そろそろ買い物に行く予定の時間だけど、白ちゃんは準備できた?」
「らー。ばっちり。今日の新作デザイン、普通のミスリル裏地の服できたー。いつも通り隠蔽もつけたから鑑定では普通の服にみえるはずだし安心。
ミスリルの純度を上げたらミスリル糸じゃなくて厚めなミスリル板を使っても軽さは布より軽いくらいにできた。このくらいの厚みにすれば防御性能はミスリル糸の裏地よりかなり強いし、魔力付与の容量もすごく大きいからたくさん追加効果を乗せられる。
あと試作品のプリンセスラインドレス、戦闘時対策で広がった裾の下の見えない部分にアンカーを地面に刺す機能をつけてある、だから本人が踏ん張る力があんまり強くなくてもいざというときタンク、壁役になれるくらいの防御力にはなるかも。そのぶん歩けなくなるから、歌姫みたいなスキル構成、守られる側のひとに装備させるかんじの装備かな。
予定外に襲われたとき、吹っ飛びすぎて助けが間に合わない、とかを避けられるかも。地面が穴だらけになるのが難点かな。
あと重量級装備に見えるフルプレートアーマー、これも純ミスリルに近い純度で作ったからちょっと慣れれば普通の服と同じくらいの感じで走ったり跳んだりできる。
攻撃を受ける時、逆に攻撃する時など、都合の良い時だけ金属鎧以上の重さとして使える、重量の変化が本人の負担にならないようにいろいろ調整が自動的にされる。走って体当たりするだけでも必殺技って感じの攻撃力になるかも、自分も痛いだろうけど。
普段の動きが軽すぎて、こすぷれ、仮装かなって思われるかもだけどね、強そうには見えないかも。
今日は3種類作ってみた、今日はお祭りで出店があるそうだから、普通の見た目と目立つの2つ試作品。」
「ありがとー、それじゃあたしは普通の服のほうを着てみるよ。フルプレートで普通の服くらい軽いっていうのもすごく気にはなるけど、買い物に行く装備としてはおかしすぎるしね。みやっちはどうする?」
「私も普通のものを着させてもらうわね。1人だけドレスで買い物というのはちょっと目立ちすぎるでしょうし。」
「わかったー。それじゃ普通のデザインの服を渡すね。」
「ありがとう。さっそく着替えてくるわね。」
「あたしはここで着替えようかな、ところでどんどん生地が厚くなってるみたいだね。ミスリル部分が、それでも軽さは変わらないし、なんか不思議。」
「ミスリルの材料がたまってきたら少しづつ純度を上げたり厚みを増やしたりしてた、それでもまだまだ予備はあるけどね。今回作ったドレスとかはいっぱい材料使ってるよ。」
「見るからに豪華って感じだったもんね。あれはすごいわ。
今度出かける予定がない日にいろいろ着てみようか、せっかくだし。」
「それがいいかもしれないわね。実用性を考えちゃうと普通のデザインになりがちだけど、白ちゃんはいろいろ作れるんだから時々変わったものを着るのも楽しそうだわ。」
「にゃー。それなら、今度からは試作品も少しのこしておくね。
鉱石はまだまだいっぱいあるから、ある程度なら分解しないで残しておくこともできるし。次のを作る材料がなくなるところまでなったら分解して材料に戻すこともかんがえるかんじで。」
「よろしくー、楽しみにしてるね。」