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ばしょのしたみと、ふりょうぶっけん。

「あんまり来たことない場所だね、こっちのほうは。まだ現物みたことはないんだよね?店買おうかなって思ってる場所は。」


「らー。ちゃんと不良物件の情報は聞いてある、だから大丈夫。」


「うん、それなら安心……

白ちゃん、ちょっと聞きたいんだけどさ。」


「み?なに?」


「いま向かってるところ、っていうか今回見に行くところ、もっと言うなら今遠くに見えてる場所。ああいうのを不良物件っていうんじゃないの!?壁に変な呪文みたいな落書きあるし!カウンターが朽ちてボロボロになってるし!」


「らー。そうだね。情報通り。」


「あの、白ちゃん、私からも聞いていいかしら。あの土地の近く、よどんだ魔力が充満しているように見えるんだけど、不良物件の情報、って、不良物件を避けるためじゃなくて不良物件を選ぶためだったの?」


「らー。いい条件の店なら、ふつうは閉店しない。いい土地なら、ふつうは手放さない。だから、普通のにんげんのひとが嫌うような要素がある物件のほうが、いいものが多いかも。」


「ああ、そう言われればそう、なのかな?」


「金銭的な理由で手放すことがありえないとは言えないけど、普通は経験を積むほどにレベルもスキルも増えていくから、収入もそれに応じて増やせるわね。だから、よほどのことがない限り『自分が持っているものより良い条件に買い替える』以外の理由で土地や店を手放す理由がないことになるわ。だって、その土地を欲しがる人は自分より価値が低い土地で商売をしているんでしょうから、ふつうに考えれば相手のほうが収入は少ないでしょうしね。」


「らー。そういうこと。付け加えるなら、食事とか薬とかのスキルの昇格条件緩和条件のなかでたぶん一番簡単なのが『自分の作品で多数のおぶじぇくと?対象?に同時に影響を与えること』だったりすることが多いから、それの実現法の中でも一番簡単なのはモンスターの群れにエサ投げ込むとかガスばらまくとかだけど、その次くらいに簡単なのが飲食店とか薬屋とかでいっぱい売ることになると思う。いい店を持っているとスキルが上がりやすくなりやすくなるわけだから、ふつうは手放す理由はない。価値が上がること間違いないんだし。だから、ふつうにいい条件で探すと、かなりほかが大変なことになる感じ?」


「まあ普通に考えれば、どう考えても価値が上がるってわかってるものを『譲ってくれ』なんて言ったら断られるか、めちゃくちゃな条件付けられるかはするだろうね。」


「らー。出店エリアの場所取りして使うという方法もあるけど、それも私の場合むずかしい、無理。だから、条件悪いって言われてる中で良さそーなものを探すのがいいかなって思った。安かったし近いし。遠いけど。」


「まあ白ちゃんの足の速さでは遠いよね、ってことか。それで、あのなんか変な雰囲気の魔力が充満してるような店、じゃないね、壁の穴?実際見てみてどんな感じに思う?この魔力をなんとかできるならたぶんお買い得なんだと思うけど。」


「むー。呪いをかけた、っていう感じじゃなくてかかってるっていう感じ。祭具とかそういう系統のもの?本来使ってた目的じゃなくて破棄されたものとかの残留思念みたいなふんいき。発生源が動くものではなさそうだから、効果範囲にはいる前に解呪できれば大丈夫、でも、解呪できないうちは入らないほうがいい感じ?そのぶん安いから、解呪できるならすごく安い。ここのあたりまでなら近寄っても大丈夫だけど、これ以上近くに行くと呪いの干渉範囲に引っかかる。」


「まだ土地まで少しあるけど、このあたりが限界なのね。ふつうの解呪ポーションで解決できる程度のものだったら土地を値引くより解呪してから普通の値段で売ったほうがいいでしょうから、かなり解呪は難しいのかしら。」


「らー。たぶんむずかしい、けど、となりのみせのひととかはふつーに店やってるし、たぶん気にしない人は気にしないのかも。魔力をみえるようにしてない人だったら、なんかふんいきわるいなーくらいで済むのかもしれないし。よくわからない。」


「あ、そっか、あたしたちは魔法陣を見るために魔力見えるように特訓したけど、そういうのやってない人にはわかんない程度…だったら普通値引きはしないよね。値引くってことは普通じゃないことは認めてるんだろうし。」


「土地を見れば嫌な予感がする程度には『普通じゃない』土地なんでしょうね。」


「そんで、いくらくらいだったの?試しに買ってみる、ってやっても問題ないくらい?」


「相場が銀貨6000枚、値引き後の売値が銀貨500枚、だって。銀貨はいっぱいあるから金額は問題ないくらい、だと思う。」


「相場から5500枚引くというのは、呪いを解くのがそれほど難しいということなのかしら?それとも相場がデタラメなのかしら。あまり詳しくはないけど、最初に高く言っておいてから値引いたことにして自分に有利な値段で決着させるという交渉法もあったはずよね。」


「むー。どっちなんだろうね。でも、ばしょはいい感じだと思う。普通だったら軌道列車の線路下は価値が落ちるはずだけど、魔力不足で走れないから関係ないし、呪いは解ければ関係ないから。でも、こういうのは買う前にちょっと値切るといいらしいから、値切ってから買ってみるね。行商人協会に行ってくる。」


・・・・・・


「にゃー。こーしょー成立。買ってきたー。」


「おめでとー。いくらになったの?」


「銀貨150枚。おまけで営業税180日分無料。」


「うん、なんかすごい値引きされてるね。一日あたり銀貨1枚以下だし。今なら毛布部屋より安いことになっちゃうよ、たぶん。」


「たぶん、仕入れ値がタダみたいな値段だったのかもしれないわね。あの場所は今のままでは眠るのには使えないでしょうから宿がわりにすることもできないでしょうし、お店を開いても誰も来ないんじゃないかと思うから。」


「らー。たぶんそうかも。それじゃ、さっそく店の解呪してくるね。」


「うん、それはやってみないとね。解呪できなかったらぜんぜん意味なくなっちゃうもんね。営業税無料は他の店でも使えるのかもしれないけどさ。」


「らー。呪いの装備とか作るのには使えるかもしれないけど、ふつうの目的には使えない土地になるだろうね。呪いのかけ方覚えるのには便利かも。あと闇属性?混沌属性?の体質だったら今の環境くらいがちょーど快適かも。だから、どうしようもなくなったらそういう属性のひとにゆずればいいのかも。」


「ああ、たぶん闇属性な人なら一人知ってるもんね。正体を隠して行動しているみたいだから使うかどうかは知らないけど、いざという時の隠れ家みたいな感じでだったら価値はあるってことなのかな。」


「らー。たぶんそんなかんじ。」

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