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かいてんまえのそうだん。

「お昼寝が終わったところで、白ちゃんに聞きたいんだけどさ。なんで薬屋をやりたいのかな?」


「この街のおみせ、品切れしたら休める。営業時間も一定ではない。だからだいじょーぶって思った。」


「うん、そりゃそうだよね普通。ポーションでも料理でもそのほかのものでも、材料がなければ作れないし気力とか魔力とか切れたら作れなくなるし、調子悪いとかの時には何日か休むことになったりもする。だから、いつからいつまでとか指定してもあんまり意味ない。無理なもんは無理なんだよ、で終わりだね。この街に限ったことでもないと思うけど。冒険者協会とか図書館とかは昼間はずっと開いてるけど、人数いっぱいいるし、職員少ないときには建物の一部だけ使ったりして調整してるからできてるだけで、ふつうの店ができることじゃないと思う。」


「にゃー。そういうこと。だから、わたしが眠くなったからおやすみ、とかやっても問題ない、ということになる。」


「うん、たしかにそれも問題はないね。体力の都合とか、なんか用事があるとかの人はあっという間に店閉めちゃう場合もあるし。」


「お店を作っておいて薬とかいろいろ置いておけば、買いたい人は買うかもしれないし、買いたくない人は買わない。だから店を作ることに問題はない。」


「うん、まあ無理やり買えっていうわけじゃないんだから、いらない人は買わないだろうね。」


「らー。だから、おみせを作る。」


「うん、つまり、作っても大丈夫そうだから作る、っていうことなのね。」


「らー。」


「それじゃ、まずしょちょーに聞いてみない?どんな感じに準備すればいいか。白ちゃんがエルフなことも知ってるし、薬とか強いの作れることも知ってるから相談相手にはちょうどいいかな、って思うんだけど。」


「らー。でも、さいきんは認識阻害とか使ってないから、みんなエルフだってことは気づいてると思う。あんまり気にしない人が多かった。」


「あ、そうなんだ。それじゃ、エルフだっていうことは知られても大丈夫、ってことか。それならほかのところで聞いてもいいってことにはなるのかな?どうする?」


「むー。なにか変わったことをやるときには教えてほしいっていってたから、しょちょーに聞いてみることにする。」


・・・・・


「こんにちはー。おみせやることにしたー。」


「おう、ひさしぶりだな。店を作るのか。開店祝いは何がいい?」


「おいしいものがいいー。」


「そうか。聞いた話では最近は酒は飲まないんだったな。酒以外で旨いものが良いか。」


「らー。たべもののほうがいい。」


「おう。開店日が決まったら教えてくれ。当日届けさせよう。」


「にゃー。ありがとー。」


「みやっちどうしよう。なんか一瞬で相談が終わった。」


「えっと、相談だっていうことを言わないと相談にはならないんじゃない?あの、所長、白ちゃんが店を開きたいと思っているそうなんですけど、なにか気を付けたことが良いこととか、こういうやり方をするほうがいいよ、というようなことがあったら教えていただきたいです。」


「普通の店として考えるなら、まず、なにをする目的の店なのかを考えることが重要だな。商売をすることで、自分が得るもの、相手が得るものを考えて、どれを優先するのか、どの程度の成果に対してどの程度の行動までとるのか、予想外に状況が悪化した時どの程度で撤退するのかなど、少し考えておくといい。戦場に例えるなら戦う目的、想定戦力、制限条件、勝利条件、撤退条件だな。多少は変なことも起きるものだと考えておいたほうが準備はしやすい。まあそれでも現実が予想を超えることも多いがな。あとは考えた内容に応じて店の規模、営業時間、店員を何人雇うか、商品の販売量などを決めていけばいい。」


「むー。目的は不用品の処理?冒険者協会であつかいにくいよーな甘いぽーしょんを売る予定。想定されるお客は準備したぶん売り切れるまで、売り切れたらおやすみ。撤退条件は、甘いものが品薄になったとき?お金で甘いものが買えないような状態になれば甘いものを薬に買えちゃうのはもったいなくなるね。それとある程度以上混雑した時とかもやめるかも。」


「ポーションか。ポーションなら、効果を体感したやつらも多いから売れるだろうな。まちがいなく。冒険者協会での買い取りやオークションへの出品などでも充分利益は取れるだろうが、そういう方法は使わないのか?扱いにくいかもしれないが扱わないというわけではないだろう。」


「むー。それも考えたけど、せつめーがむずかしいものが多い感じ?普通のぽーしょんと性質をにせるのも難しいし、今の流行と違ってるぽーしょんだからしかたない。たぶん品質も安定しないと思うし。個人で作ってる自家製だって言えばかろーじて大丈夫かもしれないっていうくらい。」


「なるほど、まあいろいろと変わった性質があるポーションだったから、目立つだろうな。ところで、今まで職員用に納品してもらっていたポーションについてだが、前回先払いした代金がまだ残っているなら残りの金額で買えるぶんを引き続き頼みたいんだが。」


「先払いでいっぱいもらってるし、今のぺーすだとたぶん1かげつくらいもつかな?払ってもらってる分については単価上げたりはしないから、まだけっこう残ってる。もちろんそのぶんはとどくようにする。でも、だんだんつかう本数増えてるみたいだから、このままふえるならたぶん1週間もつかどうかくらいかも。表にするとこんな感じ。甘いものはいくらでも飲める、っていうひともいるから、たぶんおいしいって思う人もけっこういたのかも。あと、ケガする前に飲んでも効果あるから、そういう目的に使うひともいるかもしれない。あとで使う使い方ならケガをしなければ使わないけど、予防に使う場合はケガをしない時でも使うから、結果的に使用量はふえるかも。使い方としては間違ってないし、おいしいから飲むっていうのも自然なこと。味を良くするという行動に対して想定されるべきリスクだし、そーいうの避けるために味を悪くしすぎて廃棄されちゃう食料も昔あったりしたらしいし。」


「単価が変わらないままでいいのか。助かる。非常用のポーションの品質を良くすると消費が増えるのは予想はしていたことだが予想以上だな。全員に使わせるほどの量がない物だから、誰かに使われる前に使ってしまえと考えるのも自然なことだが。」


「らー。おなかすいたら、体力とかいろいろ減る。だから、自分を優先するのもある意味正しい。ポーションも味を落として飲みたくはないけどいざという時には仕方なく飲むくらいにできればいいんだけど、味覚の閾値?味が悪いものに対する許容範囲はひとによって大きく違う。だから、『飲みたくないけど非常時にはしかたなく飲む』っていう範囲に収めるのはすごく難しい。だから、『おいしいけど、いっぱい飲んでも問題ないくらい供給される』とか、『おいしいし身体もよくなるけど、値段が高いから気軽には飲めない』とか、需要と供給のバランスを考えないとダメなかんじ。かも。」


「難しいところだな。まあタダで使わせているのも予算の範囲内だから全部飲んでも問題ない物ではあるんだが。」


「飲むための薬だし、おいしくなるように作ってるから、置いてあるのに飲まないようにって言われてもたぶんむずかしい、かもね。わたしみたいによくケガをするひともいるかもしれないし、どのくらいであぶないかとかも、ひとによる。」


「人間も長く生きてれば古傷の一つや二つはあるだろうしな。仕方あるまい。」


「らー。そうだねー。それじゃ、おいしいもの期待してるねー。さよならー。」


「おう、また今度な。」


・・・・・・


「にゃー。相談終わり。開店祝いでおいしいものをくれるらしい。」


「うん、おいしいものをもらえるのは良いことだ。相談しに行ってよかったね。」


「らー。たのしみ。」


「ねえ、白ちゃん。開店場所とか人数とかは考えてあるの?小麦粉の時よりもお客さんは多くなると思うから、何人かは雇っておかないと難しいと思うわよ。もちろん私とはやてちゃんは手伝うつもりだけど。」


「むー。開店場所は、ガード下?壁に穴開いてるような場所、あったはず。あの場所なら片面が壁だから、お客さんがいっぱい来ても回り込まれる心配がないからいいかも。店員は、まほーで声かけられるなんにんかに声かけてみる。」


「考えてあったのね。それなら、まずはどんな場所なのか見に行ってみましょうか?」


「らー!」

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