表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
426/446

ぽーしょんのうひんと、あじのこうさつ。

 「ただいまー。今日は面白かったねー。おなかいっぱいだー。」


 「らー。いろいろ食べたー。

 燻製もいいけど、網焼きは焼いてるところ見れるからたのしいね。」


 「においがするから、ほかの人がおいしそうなものを焼いていると気になるわね。

 だから交換が盛り上がるんでしょうけど。」


 「うん、一種類うまく焼ければ交換していろんなもの食べれるって思うとお得感があって良い。

 さて、おなかいっぱいだし、あとはどーしようか。休憩?」


 「いまのうちに、図書館の薬箱のぽーしょんのほじゅーしておくことにする。」


 「あら、図書館職員用の薬箱なら、ちょっと前に補充したばっかりのはずよね?

 もう足りなくなっているの?」


 「らー。かなりへってる。

 あんまりあぶなくないはずのところも減ってた。

 だから、たぶんほかの理由で飲んでる。」


 「図書館でも訓練でのけがはけっこうあるけど、それにしても多いってことかな。

 それじゃ、他の理由っていうのは?」

 

 「むー。たぶん、仕事以外でケガした時にも使ってるとか、ケガをしそうな仕事とか訓練の時に飲んでから参加してるとか、あとふつーにおいしいから飲んでるとかかな。わたしが納品してるポーションは甘いの多いし、テラクサ味も好きな人はけっこういるらしいし。甘くはないけど。」


 「テラクサ酒は好きだからテラクサ味のポーションもあたしの好みかもしれないなー。

 白ちゃんはテラクサ嫌いだっけ?テラクサ味の料理も普通に食べてた気がするけど。」


 「み?きらいなわけではないけど、のみものならあまいほうがすきかな。

 テラクサ味のぽーしょん出しておくね。味見用。おいしいかどうか飲んでみて。」


 「飲んでいいの?ありがとー。あとで飲んでみて感想言うよ。いまおなかいっぱいだし。」


 「さすがにポーションをおいしいからっていう理由で飲む人はいないんじゃないかしら。大けがした時のための常備薬なんだから。」


 「ここにいるー。」


 「いや、まああたしはもらったから飲むけど、味見用に出してもらったから飲むだけで、薬箱から飲んだりはしないよ。

 作った人以外で非常用の薬を減らす人なんか……考えてみたら普通にいるな。タダなら飲む人がたぶんいっぱいいる。

 おいしくて体の調子もよくなるんだったらすぐ無くなってもおかしくないかもしれないね。」


 「らー。そうだね。

 長持ちするように作るとあんまりおいしくないものになることが多い、味を優先すると長持ちしなくなるか品質下がるか失敗するかが多い。ということになってる。

 でも、ぽーしょんの場合はわざとおいしくないようになるような作り方が広まってるだけで、おいしく作る方法もある。

 流通に乗せるときに残り耐久度とか考えて管理するのは難しい、という理由もあるかもしれないし、あんまり使う必要がないときに飲まないように飲みたくはならない程度の味にしてるのかもしれない。」


 「昔の遠征軍の食糧はあえて味を悪くしていた、という話は聞いたことがあるわね。

 薬と同じで、ギリギリになってから使うように、って。

 その結果、士気が落ちて途中で軍が分解することもあったそうよ。」


 「むー。おいしいもの、安全な休息、どっちも元気に動くには必要なもの。

 短期決戦ならそーいうのなしで、追いつめられてるから全力出せ、でいけることもあるけど、そういうのはだいたい長くは続かないと思う。

 だから、その軍が長くはもたないのも普通かも?

 無理に力を引き出すようなスキルはいっぱいあるけど、そういうのもなにか代償を払うことになるものが多いし。

 今日の納品分はなににしようかな。アイテムボックスに残ってた薬は、リモネポーションとアプフェルポーションとテラクサポーションと、タンジェポーションも少しだけ入れておくことにする。

 使用期限短めで、品質はCランクのものを選んで、魔法で納品。おわりー。」


 「えっ、今出したやつで、何日分?多すぎない?」


 「むー。三日ぶんくらいかな?さいきん、減るの多い。」


 「いや、まあ図書館大きいし、職員も何人いるかわかんないけどさ。

 いくらなんでも、減りすぎだよね?」


 「らー。そうだね。

 スキル訓練とか、買いすぎた食べ物消費するのにいっぱい作ったけど、この減りかただとなくなりそーになるかも。」


 「うーん、やっぱりタダで使えるようにするのは無理があるんじゃないのかな?

 そんなにいっぱい補充するんだったら、普通に薬屋さんできるくらいだと思うよ。

 薬屋さんだって品切れすることはあるんだしさ。」


 「にゃー。薬屋さん、やってみたい。」


 「え?お店やるの?」


 「らー。そのほーがたぶんらくなかんじ?」


 「ラク、なのかな?たぶん白ちゃんの値付けだと客がすごい来ると思うけど。」


 「間違いなく忙しくなりそうよね。」


 「こんど、かんがえてみるー。

 でも、いまはおなかいっぱいだし、ねむいからおやすー。」


 「おやすみー。

 どーなんだろ、しょちょーとかに相談しておいたほうがいいのかな?」


 「白ちゃんが起きてから相談しておいたほうが良いかもしれないわね。もう熟睡しちゃってるから。」


 「そうだね、そうしようか。

 あ、いまのうちポーション飲んでおこう。調子悪くはないけど味見用って言ってたし。

 ……ん、おいしい。これはたしかに減りそうだ。薬じゃなくてふつーの飲み物の値段だったら買っちゃいそうだもん。ポーションの値段だったら買えないけど。」


 「飲み物としておいしいのは問題なのね。

 やっぱり『切羽詰まってほかに方法がない状態じゃない限り飲みたくはならない』くらいが正しいのかしら。」


 「うーん、そうかもね。

 白ちゃんは材料さえあれば簡単に作れるみたいだけど、ふつうの値段だったらいくらかかるかわかんないくらい飲まれてるわけだし。

 図書館だって困ったときのために薬を置いてるわけで、のどがかわいたとか口さみしいとかで飲むものではないよね。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ