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こむぎこやさんをしてみる。

市場に買い物に出かけた3人。

でも、今回は様子が違うようで……。


「小麦粉一袋ですね、銀貨1枚でーす。」


「一人一袋限定です!

 金額を多く払ってももらえる物が増えるわけではありませんよ。」


「あまりものの処分だけ、製作依頼は受け付けてないー。

 むー。たべものを買いに来たのに、売ることになってる。ふしぎ。

 一袋銀貨1まい、なくなったらおわりー。」


「うん、それはあたしも疑問に思ってた。

 そんなに食べ物足りなくなってるのかな?少なくなったって話は前に聞いたけど。

 はい、銀貨1枚たしかに、まいどありー。」


「らー。たぶん足りなくなってるんだと思う。

 さっき、食堂のてんちょーさんたちが

『よう、ひさびさだなお嬢ちゃん。

 そーいや、お嬢ちゃんは冒険者やってたんだったよな、だったらちょっと頼まれてくれないか?』

『あら、いらっしゃい。

 せっかく来てくれたのに申し訳ないけど、今日の食材は予約分で全部なくなっちゃうのよ。

 誰かが売りに来てくれると嬉しいんだけどね~…。』

 っていうかんじで、食べ物足りないーって言ってた。」


「うん、そこに白ちゃんが『小麦粉ならいっぱいあるよー』って言ったんだよね。

 そんで、店の人に売った。」


「らー。そしたら、まわりのひとも欲しいって言いだして、いま行列ができてる。

 小麦粉は余ってたものだから問題ないけど、忙しいのは少し困る。

 もうちょっとで売り切れるから売り切れたら終わる。」


「回転速いもんね~。

 ん?なんか、責任者に会いたいって人がいるんだけど、どうしたらいいかな?神官っぽい装備の人なんだけど。」


「むー。買わないなら次の人って言えば片付く?

 時間と体力があるときなら宗教の話も面白いかもしれないけど、個人の思想について会話している時間はないと思うし、面白いこと言えば優遇とか思われたら列が進まなくなる。

 だから、責任者に話さなくちゃいけないような用事には付き合う必要はない、でいいと思う。」


「そっか、なるほどね。それじゃ断っとくよ。

 だからしゃべらなくてもいいように安めに出してるんだねー。これを値切るようなのは無視すればいいし。」


「み?そんなに安かった?」


「うん、安いと思うよ。

 材料の品質が良くてスキルも高ければ一袋でたくさん作れるから、けっこう高くても買う人はいる、らしいね。

 あたしは上手じゃないから関係ないけど。

 改良の途中のって言っても、白ちゃんが作ったんだから品質悪くは無いんでしょ?」


「むー。古代種の性質をある程度再現しているから回復効果とか強化効果は高くしやすいのと、宗教儀式、神事みたいなことするには向いていると思う。どの宗教かにもよるけど。

 でも味は普通だからだいたい普通の小麦粉。」


「うん、そんなに性能あるんだったら普通の小麦粉じゃないと思うけどね。

 さっきの人も宗教儀式用に仕入れたいとかの用事だったのかもね。」


「普通に使えるってところが古代種の良いところ。

 だから、ふつーの小麦粉。」


「まあ白ちゃんが普通っていうなら普通でいいけど。

 ところで、売り切れ近いって言ってたけどあと何人分くらい残ってるの?」


「むー。

 あと30でおわり、かな。」


「それじゃあたしと白ちゃんとみやっちが10個ずつ売れば終わりか。

 あと10人ずつで売り切れ、終わりでーす。」


・・・・・・


「にゃー。やっとおわった。

 お菓子屋さんになりたいとかいう子供がいたら、こーいういそがしさを経験させたほうが良いかも。」


「ずいぶん売れたねぇ。

 並んだのに買えなかった人からはけっこう文句もあった。」


「むー。それはわたしに言われてもしかたない、かな。

 余ったものの処分だから適当に売ったんだし、並んだら買えるとか何人まで売るとか言った覚えもない。

 かってに並んでもんく言うのはすじちがい、とおもう。」


「なるほど。まあほかの物を出したらまた行列が増えるだけだろうし、適当なところで区切るのは仕方ないのかもね。」


「らー。しかたないからきにしないー。

 ところで、みーたんが疲れてるみたい?」


「ああ、一番接客が丁寧だったからねー。しゃべるのってけっこう疲れるよね。

 あたしとみやっちは訓練明けだからもともとけっこう疲れてたし。」


「ごめんなさいね、せっかく買い物に来たのに。

 ちょっと休んだら動けると思うから、それから買い物の続きをしましょう。」


「むー。今日は買い物しないで帰ってきゅーけいしたほうがいいと思う。

 まわりをまきこんでいいなら強制送還の魔法とかもあるけど、安全に移動するならあるくのがいちばん。」


「そうだね。馬車は白ちゃんが馬車酔いするし、歩くのが一番よさそうだね。

 それじゃ、ちょっと休憩してから帰って、それから何か食べることにしようか。

 結局食べ損ねたから、おなかすいてきたよ。」


「食事といえば、そういえば売り場を借りたお店の方にお礼を言うのを忘れていたわね。

 そろそろ歩けそうだし、行ってくるわね。」


「むー。今日はそーいうのはきにしないで、みーたんはやすんでて。

 わたしがいってくるー。はーたんはみーたんといっしょにいてね。」


「りょーかい。安心して行って来てー。

 となりだから大丈夫だよね。白ちゃんが行ったほうが喜ばれそうだし。」


「はやてちゃんは白ちゃんについていたほうが安全じゃないかと思うのだけど…。」


「うん、まあ疲れてるみやっちのほうが体力全快の白ちゃんより身体能力は高そうだけどね。

 ここからのほうが背後も見守れるから安心感が強い。」


「なるほど。たしかに、近くで見守るのでは広範囲の攻撃に巻き込まれたときに困りそうね。」


「そーいうこと。だから、ここから見てよう。」


「そうね、そうしましょう。」

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