しょくどうのこんざつと、へんなさんどいっち。
「にゃー。やっと、イスに座れたね。」
「座れたけど、注文するまでにまだまだかかりそうだね。店員さん間に合ってないし。
最近、この地下食堂も混んでるね~。
図書館に出入りする人が増えたから仕方ないんだけどさ。
食堂は職員じゃなくても普通に入れるからねぇ。」
「そうね。でも職員だけだったら白ちゃんは最初は入れなかったでしょうし、今は逆に私とはやてちゃんが入れなくなるでしょうね。」
「あ、そう言われてみればそうか。
めちゃくちゃ混んで大変だからって頼まれて一日だけ手伝ったけど、あたしとみやっちは長期の休み取ってるわけだから今職員かどうかって言われたら職員じゃないかもね。
白ちゃんは逆に職員枠で使えるようになってる、のかな?」
「み?もらった図書館、ていけい契約は結んだままだけどたぶん職員あつかいにはできないんじゃないかな。もう本全部片づけちゃったはずだし。
でも、このままおきゃくさんが増えてきたら、ここの食堂にならぶのたいへんになりそうだね。
しょくどうに来るにんずう、このままふえたら、1か月くらいたったらしょくどうにならぶまえに食事と睡眠が必要になるかも。」
「いや、それはいくらなんでもないんじゃない?
食堂に並ぶ前に食事が必要ってのは、食堂としての意味がないでしょ。
だって、並んでる間にお腹すくくらい並ぶんだったら、満腹になってもまた並ばないといけなくてずっと並んでることになっちゃうよ。」
「むー。
ふつうのひとだったら少しお腹がすくくらいでも、わたしはすごくお腹がすくか眠くなるかするかな。」
「あっ、そうか。
そーいえば、白ちゃんは食べる間隔も眠くなるまでの時間も短いから、普通のひとならちょっと長いなーっていうくらいでもダメな場合もあるわけだ。」
「らー。そんなかんじ。だから、これ以上こむなら、並ばないでアイテムボックスの食糧で生活することになるかも。
ふつうのハンバーガーとかも作れるようになったから、しばらくは飽きないだろうけど。」
「ああ、そーいえば、肉とチーズとパンを組み合わせればハンバーガーだよね。
今までに作ったものを材料にするんだったら、普通のよりは良い物ばっかりなわけだし、いいかもね。」
「らー。そうだね。
もんだいは、せっかく挟んでもこの体のおおきさだと、分解しないと食べられないところ、かな。」
「まあ丸かじりはできないだろうねぇ…。口も普通に小さいし。
ハンバーガーは薄く作っちゃうとサンドイッチっぽくなっちゃうしね。」
「らー。サンドイッチもおいしいから、問題はないのかもしれないけど。」
「うん、サンドイッチもおいしいよねー。
パンで挟めばだいたいの物は食べられそうな気がするからすごいよね。」
「らー。塩漬け肉の薄切りとか、塩が濃くなりすぎた時にはちょうどいいかも。
そーいうのはスープの材料に使うのもよさそうだけど。」
「あれ、具が浮いてるスープって苦手なんじゃなかったっけ?
そんなこと言ってたような気がするけど。」
「自分で作った時はなにがはいってるか自分ではあくできてるから大丈夫~。
変なのが沈んでるかもしれないって思うから怖いだけだから。」
「つまり、隠し味とか入れてるやつはダメってことなのかな?」
「らー。そんなかんじ。
なにが入ってるかぜんぶわかってればだいたいの物は食べられるけど、なんだかわからないものを食べるのは嫌なのかも。」
「なるほどー。
あ、やっと店員さん来た。
それじゃ、白ちゃんとみやっち、注文はどうする?あたしはポトフにしてみるけど。」
「むー。きょうはホットケーキにする。」
「私はDDサンドイッチを注文してみるわ。
一度食べてみたかったのよね。決まったなら注文しておくわね。」
「うん、あれは見た目面白いから試してみたいかも。ありがとね。
ところで、全然話は変わるけど、例の魔法陣で来た人たちってさ、けっこう種族もバラバラだし、行動もバラバラだよね。
図書館の魔法陣を重要視してるのはたぶん共通じゃないかなとは思うけど。
見た感じ、本を読んで休憩して、ってしてる人と、地下に潜る人と、あとは街を見て回ってる人かな。
そのほかにもなんか話ばっかりしてる人とか、なんかみんな自由に動いてる感じ。
そのわりには協力的っていうか、目的は一致してるような雰囲気は感じるから不思議だと思うんだ。
はじめまして、ってあいさつしてすぐに情報交換はじめる人多いし、なんか兵隊さんみたいな感じ?兵隊さんを詳しく知ってるわけじゃないけどさ、なんかそんなイメージなんだけど。」
「目的は同じでも、人数が多い組織なら役割分担することはよくあるわね。
人数が少ないならみんなでまとまって動いたほうが情報交換の手間がかからないから楽な場合が多いと思うわ。」
「むー。
情報交換の方法は、けーじばんがあるからある程度はできてるはず?
たぶん、得意なことによって役割わけるようになってるんだろうね。
たとえば本を読むのとかも体質によってはすごく疲れることもあるみたいだし。得意な人がある程度おおまかに調べたほうが、たぶんはやく調べられる。
話での情報集めとかも話すの得意な人のほうがよさそうだし、戦いだったら実戦経験ある人がやっぱり強いだろうし。」
「ああ、そーいえば、そんなのあったね。
情報書いておけば、最初からある程度知ってる状態から始められるわけだ。
冒険者協会で言うなら、依頼貼ってある看板みたいな目的で使えるってことだね。なるほど、便利だね。」
「らー。けっこう便利かも。
使わないほうがいい場合もあるかもしれないけど。使いかたによってはべんり?」
「そうなの?
便利なものなら使えばいいんじゃないかなーって思うけどねぇ。
あ、料理来た。まあとりあえず、食べてから考えようか。」
「らー。たべるー。」
「そうしましょうか、いただきます。」
……
「むー。おなかいっぱい。もうたべれない。」
「ごちそうさま。少し油が強かったわ。
やっぱり普通のサンドイッチのほうが無難だったわね。」
「まあ面白い見た目の物は味も面白さ重視の場合が多いから、仕方ないかもね。
やっぱり1個だけ頼むなら無難なのがいいんじゃないかなー、って思うよ。」
「そうかもしれないわね。
あら?なんだか、すこしさわがしいわね。」
「ほんとだね、なんか、足音と、大声?
遠いみたいだから内容までは聞き取れないけど。
どうする?行ってみる?」
「み?
わたしは、たべすぎて速くは動けないからのんびり歩いて近づいていくね。」
「私も白ちゃんといっしょにゆっくり歩いていくことにするわ。」
「りょーかい。
それじゃ、ちょっと見てくるねー。」