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なつまつりのひ、おてつだい。

 「はーたんみつけた。おあよー。」


 「あ、白ちゃんいた。おはよー。意外に早かったね。まだ四半刻もたってないはずだよ。

 手伝いに来てくれたってことでいいのかな?」


 「らー。てつだいにきたー。

 なにを手伝えばいい?」


 「えっとね。

 なんかずいぶんきれいに並んでくれる人たちだったおかげであたしが担当してる再入場スタンプとか簡単なところは追いついてるんだけど、本の解読依頼とか総合受付窓口とか時間がかかりそうなところが全然追いついてないみたいなのね。

 だから、どっちか手伝えそうだったら手伝ってもらえると嬉しい。そーしないと残業のびちゃいそうだから。

 一応バイトあつかいで給料も出るみたいだよ、ちょっぴりだけどね。

 みやっちは今は総合窓口のほうにいるはずだよ。」


 「らー。

 それなら、そーごーうけつけのほうてつだってくるね。

 かいどくはうけつけのほう手伝いながらでもできるかもしれないから。」


 ・・・・・・


 「み?

 この街の周辺の町や集落の情報が書いてある本の場所、ですね。

 近くて旅人にある程度友好的に対応してくれそうな集落の情報はそこにいる職員さんが売っている小冊子に書いてありますが、それ以上の情報が必要ならある程度昔の文献からの情報と照らし合わせるのが近道だと思います。

 関連書籍の探索依頼、ですね。それではこの申込書に記入のうえ、今度はあちらの窓口へお申し込みください。」


 「み?

 持ち込み書籍の解読、ですね。

 解読作業のためにある程度の耐久度の減少が発生します。また、解読が失敗することもあります。

 それを前提として、料金がこの表のとおりになっています。

 下位古代語の書籍3冊、大急ぎで、まずはおおまかな内容を知りたい、というご注文ですね。

 はい、たしかに簡易鑑定3冊分の特急料金をお預かりしました。

 それでは、お渡しは3刻後以降になります。ありがとうございました。」


 「むー。

 けっこう、じかんかかったね。お客さん多い。

 みーたんのしごと、たいへんなんだね。」


 「白ちゃんが手伝ってくれたおかげでなんとかなったわね、ありがとう。

 あとは解読班に引き継いで解読してもらうだけね。」


 「み?

 かいどくのひといそがしーみたいだから、わたしがほーこくしょ、作ればいい。

 こうやって、自動筆記のまほーをしかけておけば、考えた通りに書いてくれる。べんり。

 ペンの移動のベクトルをぷろぐらみんぐしてまほーで再現すればいい。

 魔力文字だとどうしても不自然になるし、手書きだと手がつかれるから、こーいうほうほうをつかっておけばらくだったんだね。

 探索依頼のほうは結果わかってて書くだけだし、解読も簡単なものだったからさっきぱらぱらって見てだいたい終わった。」


 「あ、そういえば白ちゃんは古代語も普通に読めるんだったわね…。」


 「らー。どっちかというと、ふつーのにんげんことばのほうが難しいくらい、かも。」


 「そうかもしれないわね。白ちゃんが単語で話せるようになるまでに1週間くらいかかっていたはずだし、ほかの言葉を勉強するのにかけた時間に比べればかなり長かったともいえるわね。」


 「らー。そんなかんじ。

 はつおんの規則性がわかりにくかったのもあるけどね。べんきょうする順番が違ったらたぶん感覚もちがうと思う、その程度ともいえる?

 いちど覚えてしまえば、あとは規則的だし、上位古代語みたいに前後の文脈によって意味が正反対になったりする言葉は多くないから、けっこう簡単かも。今なやむべきなのは、もらったおやつをどれさきに食べるか。じゅーよー。」


 「ああ、お客さんからたくさんもらっていたわね。差し入れのお菓子。」


 「らー。食べ物をくれるひとはいいひと。かおは覚えた。

 いちにちでは食べきれないから、あとで収納しておくことにするー。」


 「手伝いのお礼に、仕事終わってからなにかおいしいものを食べに行こうと思ってたんだけど、それは今度にしておく?」


 「み?

 それはべつ。たべにいく。」


 「それなら楽しみにしててね。

 それじゃ、お客さん来そうだから仕事に戻るわね。

 今日はお手伝いありがとう。あとはのんびりしててね。」


 「にゃー。ゆっくりしてるー。」

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