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なつまつりのひ、いそがしい。

 夏祭り当日、帝国中央図書館、第一書庫。

 数日前からゆるやかに増えていた『魔法陣からの来館者』が、その日は急激に増えていた。

 『図書館ではお静かに』と言いながら微笑む女性が描かれたポスターが貼られているが、その日の騒がしさは彼女をあざ笑うようであった。

 第一書庫の職員たち、そして助っ人に現れた普段第二書庫を担当している職員たちは集中していた。

 夏祭りに参加できなくなったぶん、臨時収入を得るために商売に全力を出していたのだ。


「ようこそ、帝国中央図書館へ。

当館での利用登録がお済みでないかたは、こちらの臨時受付へおこしください。」


「周辺の地理情報をまとめた小冊子販売しています!」


「帝国の歴史、簡略版販売しています」


「宿がお決まりでないかたいらっしゃいましたら、こちらで予約仲介もおこなっていまーす!」


「地下1階の職員食堂、売店も解放されています、臨時バザーもぜひご覧ください!

 迷宮探索に役立つ回復スクロールや耐性アクセサリも大量入荷していますよー!」


「帝国中央図書館第二書庫の一日入場券を販売しています。

 今なら一日銀貨50枚の特別価格です。」


「サボりまーす。四半時くらいでもどるわねー。」


「ハナちゃんサボるんだったらついでになんか飲み物頼んでいい?適当なのでいいから。」


「りょーかい。いってくるわねー。」


「いってらっしゃい。ありがとねー。」


……珍しく全力を出すと、気力が切れるのも早いらしい。

適度な休憩も大切、なのかもしれない。


「申し訳ございません。

 現在、本の探索依頼の処理はかなり滞っておりまして、何日かかるかもわからない状態でございます。

 それでもよろしければ受け付けは行っております。探索条件をあちらにある依頼用紙に書いた後お申し込みください。」


「入場許可書鑑定と再入場スタンプの受付はこちらでーす。

 ねえ、みやっち。

 なんか、思うんだけどさ。

 こうみんなが、自由に休憩してるのが原因なんじゃないかなー、忙しいのって。

 時間がたつごとに忙しくなってる感じだよね。今日は魔法陣で転移してくる人が多すぎ。」


「それは仕方ないと思うわ。

 今日は職員みんな自由行動の指示だから、休憩も自由ってことになってしまっているのよ。

 いらっしゃいませ、帝国中央図書館へようこそ。

 転移酔いがひどいかたはあちらに医務室がございますので、ご無理はなさらないようにお願いしますね。」


「ああ、そっか。

 気力切れたから休憩します、とか、いちいち言いに行く時間がもったいないってことか。

 みんな忙しそうだもんねー。見かけない職員さんもいるから誰に言えばいいかわからないしさ。

 あ、登録のお客様ですか?

 ほかの図書館の入場許可書はお持ちですか?

 はい、それでは確認しますね。

 ……鑑定完了しました。その許可書でこのまま第一書庫が利用可能です。

 星印スタンプはご利用になりますか?

 えっと、このスタンプを押しておくと、簡易鑑定でもどの書庫まで使えるかがわかるようになっていまして、今日のように職員が足りてないときでも自分で入館手続きができるようになります。

 別料金がこのくらいかかりますし、必ず必要というわけではありませんが…。

 あ、ご利用ですか。毎度ありがとうございまーす。

 はい、それではここに押しておきますね。

 ありがとうございましたー。」


「そうね、気力が切れかけてから探すのでは間に合わないでしょうね。

 いらっしゃいませ、本の探索依頼でございますね。

 現在非常に待ち時間が長くなっておりますが、あ、この話は聞いた後でしたか。

 それでは、受付いたしますね。ありがとうございました。」


「白ちゃん手伝いに来てくれないかなー。

 ダメもとで頼んでみたんだけど、来ると思う?

 いらっしゃいませー。」


「うーん、人がたくさんいるところは苦手みたいだから、少し難しいんじゃないかしら。

 ……あれ?

 図書館に帰ってきてはいるようね。さっき転移の魔力を感じたわ。」


「あ、そーいえばそんなのもできるようになったんだっけ。

 白ちゃんの場所探す必要ってあんまりなかったから忘れてたよ。

 んー、集中すればなんとか探れる、かな。

 魔力関連のスキルはまだ使うのに慣れないなぁ。

 魔力を持ってるのは白ちゃんのほうなわけで、あたしは借りてるだけだから使うのが難しいのは当然なのかもだけどさ。

 ん、見つけた。それじゃ、例のけーじばんで白ちゃんに質問してみようか。本の場所とか。そうすれば溜まった依頼も少し片付くし。」


「そうね、そうしましょう。」


・・・・・・


456 エックス

転移魔法陣の解放方法発見したよ!

みんな図書館へ急げ!

 

457 たぬたぬ

全員出来るってわけでもないみたいやし、会えるかどうか運しだいやから今なんか用事あるんやったらそっち済ませてからでもええかもしれんよー。

『うちら4人は魔法陣で移動できるようになった。全部の魔法陣使えるわけではないけどな。』

『うちらと会った人に、スキルを取る方法を教えることはできる。(効果は人によるみたいやけど、スキルポイントでの取得条件を緩和できるみたいやね)。緩和するだけっぽいから教えるだけでタダで取れる、ってわけではない。』

『図書館にある魔法陣は利用に図書館の利用者カード(=利用許可を証明するなにか)が必要らしい。スキルとカードが両方あれば移動できるらしい。(開かない扉はスキルかカードのレベルが足らんのかもしれん。よくわからんけど。)』

とりあえず、誰かに教えてもらってない人はスキルポイントで取るのはちょっとだけ待っといて。そのほうが得やと思うから。運よく会えればやけどね。

うちらが適当に転移魔法陣くぐって偶然会えた人に教えて回ってる。

『魔法陣は図書館の建物内にあるらしい、白い大きな壁とか柱があったらそこがかなり怪しいらしい。』

そんなわけで、ヒマな人いたらよろしくー。会えんでも苦情は受け付けんけど。スキル取れんときも苦情は受け付けんけど。


458 名無しさん

得とか損とかいう前に、そんなの取れたか?

初期配布の1000ポイント持ってる状態で検索した時にはそれっぽいものは全然なかったと思うんだが。

今調べてみたけどやっぱりそれっぽいのは出なかった。


459 実はもんじゃ派

あ、お好み焼きでけんかしてたのは仲直りしたみたいだね。

ところで、私もそんなスキルはなかったと思うんだけど・・・。


460 猫大好き

ある程度の情報がないと交換リストに出ないとかの可能性もあるな。便利すぎるスキルとかは特に。

図書館に行けばいいだけだったら行ってみるよ。ダメでもともとだ。


461 パスタさん

わたしも行ってみますね。

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