ゲーム開始。キャラクター設定。
ログインします・・・。完了。
「はじめまして、プレイヤーさん。
『ロストスピーシーオンライン』、キャラクター設定の部屋へようこそ。」
「ああ。はじめまして。よろしく。」
「よろしくお願いします。
あいさつ返してもらったの初めてです。うれしい。」
「そうか。
あいさつされたら返すのは礼儀だと思ったがな。」
「そうなんですけどね。
まあ私たちNPCですから、仕方ないと言えば仕方ないんですけどね~。」
「そうなのか。よくわからんな。」
「えっと。
設定の説明を行いますね。」
「ああ。お願いする。」
「まず、プレイヤー名を設定してください。
ゲーム内のスキルの中には、自分の名前を書いたり言ったりすることが必要になるものもありますので、発音できないような名前、書きにくい名前などは大きく不利になる可能性があります。」
「ふむ。
ならば、『白』でお願いする。」
「はい、設定しました。」
「まず性別についての説明を。
記憶領域から仮想構築された肉体のデータを参照することにより、性別は利用者様のリアルと同じ性別が基本となります。
希望により変更は可能ですが、その場合大きなリスクを伴います。
プレイヤーさんの場合、性別女が基本となり、男にするにはリスクがあります。」
「うむ。性別は女のままでいい。」
「それでは、種族と能力値の設定を行いますね。
まず、種族を自分で決めるか、ランダムで決めるかお選びください。」
「メリットとデメリットがあれば教えてもらえるか?」
「えっとですね。
まず、種族を自分で決める場合ですね。
当然ですが、種族に対するこだわりがある場合、自分で選んだ方が確実です。
それと、種族による修正値が決まった状態で能力設定ができるので、最終的な能力をかなり自分好みに設定することができます。」
「種族をランダムに選ぶ場合はですね。
自分が設定した特性と、ランダムに決まった種族の能力適性があっていた場合、自分で決めた場合よりかなり強い状態からスタートできます。
逆に特性と適性が合わなければ、極端に弱くなったりもします。
それと、特定の条件により、希少種族になることもあります。有利になるとは限りませんが。」
ふむ。
自分で決めるのは安全策、ランダム選択はギャンブルということか。そのままだが。
「ならランダムでお願いする。」
「了解しました。」
「では、次に能力の設定をしましょう。
ただし、種族適性により、実際の能力はここで設定した時の数倍になったり何分の一かになったりもします。
HPは耐久点です。0以下になると重傷で行動不能。マイナス耐久点以下になると死亡になります。
MPは気力。主にスキルを使うと減ります。足りないとスキルを発動できません。
体力、精神、知力、敏捷、筋力、感覚は、原則的には高い方がいいことになります。
体力、精神、知力、敏捷、筋力、感覚の6種類にボーナスポイントを割り振ってください。」
HP30
MP22
体力15
精神15
知力15
敏捷15
筋力15
感覚15
ボーナス30
「ふむ。
本を読むときに役に立つ能力値はどれになるだろうか?」
「主に『知力』と『精神』ですね。
翻訳機能を利用して文章を読む時、MPを消費することになります。
『知力』や『精神』のステータスが高ければMPの消費を減らすことが可能です。
知力と精神はMPの総量にも影響します。
精神はHPMP両方を高くする効果があるぶん効果はやや抑えめです。
それと、翻訳機能の利用には、対応する語学のスキルが必要になります。
語学のスキルが高ければ難しい本も読めるようになったりします。
難易度に対して語学スキルが足りないと原文のまま表示になります。語学スキルが特に高い場合もMP消費が少なくなりますね。」
ふむ。なるほど。
「つまり、原文のまま理解することが可能なら、MPの消費がいらないということになるのか?」
「え?
は、はい。
それはそう、だと思いますけど。
物によっては暗号のようなことになってますから、その言語を普段使っている種族でも読めなかったりするものもありますよ?」
「わかった。
ならば、知力にすべてつぎ込む。」
「極振りですね。了解です。」
「ところで、ほかの能力をこれ以上に削ってボーナスに振り分けることはできるか?」
「えっと・・・。
少々お待ちください。」
「一応可能なようです。
ただし、能力値の振り分け方によってはシナリオの進行に最低限必要な能力を下回る可能性もありますし、その場合でも特に警告や救済措置などは存在しません。
自己責任となりますが、よろしいですか?」
「承知した。」
・・・
まあこんなところだな。
HP4
MP111
体力2
精神2
知力110
敏捷2
筋力2
感覚2
ボーナス0
「完全な極振り!?」