めいきゅうのはなし。
「ひさびさに来ると図書館の食堂もなつかしい感じするねぇ。
あ、みやっち、日替わりセットの飲み物何にする?白ちゃんはカルフェミルクの甘いやつだよね今日は。」
「らー。そうするー。」
「リモネスカッシュをお願い。」
「りょーかい。リモネスカッシュね。」
「ありがとう。」
・・・
「にゃー。おいしかった。」
「そうだねー。ここの食堂はけっこういろんな料理あるしおいしいよね。安いし。
普通の店だともう3人で銀貨1枚は使うようになっちゃってるんだもんね。びっくりだ。」
「らー。わたしはだいたいいつもおなじようなちゅーもんだけどね。
おなかいっぱい、きゅーけい。」
「あたしはまだ時間かかりそう、ちょっとだけ待っててね。
しゃべりながらだと時間かかる。」
「らー。」
「白ちゃん、はやてちゃんを待ってる間少し聞いてもいい?」
「み?なに?」
「この前『実験』でこの町に呼んできたマリアさん、彼女は仲間と合流できたと思う?」
「きのう、三人とは合流してたよ。
カジノがあるまちで会ったタヌキさんと、おなじまちにいたネコさんと、会ったことなかったエックスさん。」
「あら、仲間と合流できてたのね。よかったわ。
一人で迷宮を潜るのは危なそうだものね。
たくさんいれば安全だとも言い切れないでしょうけど。迷宮の情報がない状態では。」
「たぶん、あぶないところまで行くのにもしばらくかかりそうだから、いまのところはあんぜんかな。 天眼術とか魔力感知とかダウジングみたいな道を探せるスキルを高いレベルで持ってるならどんどん行けるかもしれないけど、普通に行くなら時間もかかるし途中で寝に戻ったりしないとだから、たぶんかなりゆっくりになるんじゃないかな?」
「そういわれてみればそうよね。
そんなに簡単に行けるところに危ないものがあるんだったら、普通は入口を入れないようにふさぐでしょうから。」
「むー。
ぜったいにはいれないように、っていうのはむずかしいかも。
開けるの面倒、くらいには簡単にできるけど、そういうのはぎゃくに何があるのか気になってがんばっちゃうひとがいるかもしれないし。
結界とか鍵とかで足止めすることもできるけど、それも開ける気になった人がいたら、長くはもたない。
鍵になる道具があれば攻略できるなら、鍵を持った人より能力が高い何者かがいれば攻略できてもおかしくはない。」
「たとえば鍵屋さんなら正しい鍵を持ってなくても鍵を開けられることもある、みたいな話ね。」
「らー。そんなかんじ。
そーいう能力持ってる人だと、ない人に比べて進行は早くなるね。
だから、進み方の速度の予想はできるけど、たぶん予想とは違う速さになる。
どのくらい進んだのか知りたいなら、ある程度接触を持って情報を探るひつよーがあるかも。」
「マリアさんたちが迷宮をどこまで進んだか、っていうのは、私たちも知っておいたほうがいいことなの?」
「み?
いまの段階ではきにするひつよーはないとおもうよ?
珍しい素材は取れるかもしれないけど、そとにいるひとが気にしなくちゃいけないほどのことはなさそう。
ある程度以上奥まで行ったらなにか影響があるようなこともできるかもしれないけど、そうなったらなったときびっくりすればいい、かな。
町を出入りするようになったことにくらべれば、迷宮の進行度とかはあんまり関係ないと思う。
わたしたちがすんでるのは、めいきゅうじゃなくてまちだからね。」
「なるほど、現状は気にしないで大丈夫、っていうことなのね。」
「らー。」
「食べ終わったよ、おまたせー。
今日は予定通り買い物行こうか。なんかおもしろいものあるかもしれないし。」
「にゃー。そうしよー。」
「それじゃ、行きましょうか。」
「らー。」