表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
384/446

ひかりだめーじけいげん。

 「あ、白ちゃん起きた。おはよー。」


 「白ちゃん、おはよう。」


 「おきた。おあよー。

 まりあさん、ほしいもの、きまった?」


 「シロちゃん、おはよう。

 えっと、そう・・・じゃなくて、このメモに書いたもののどれかがほしいんだけど、どれかお願いしていい?」


 「むー。

 まず、ひとつめ。帰るまほーは起きてるときに言ってもらえればいつでもかけるし、ねてるときはおこしてもらえばかける。でもねぼけてるときはあぶないかもしれないけど。ほかのひとは自分で来たら自分で帰らなくちゃいけないから手伝わない。

 ふたつめ、てんいのまほーじんのばしょは、かべとかはしらとかゆかとかが多い、かな。中央都市だと図書館の中にいっぱいある。どのへんを探すか指定してもらえれば魔力の流れを見ればだいたい探せると思うよ。

 みっつめ、あんぜんに迷宮を進む方法は、ある程度自分で考えないと意味がないから今は言えない。

 よっつめ、めーきゅーとっぱに役立つ道具、だとはんいがひろすぎてわからない。

 もうちょっと細かく目標、どのような危険を避けるためにどういった属性、性質のものを求めるか、あとはどの程度の品質のものにするかとか考えないといけない。

 無理そーな障害に出会ったあとだったらそれにある程度対応した道具を出せる、そこまで行かない状態だったら全体的にびみょーな性能のどうぐを少し出す感じになる。

 いつつめ、真の姿になる方法は、脱皮するよーな気持ちで力を入れればいいらしいよ。仮の姿っていう服を着てると思って、それを脱ぐ感じ?

 むっつめ、転移の魔法陣を使うのに必要な条件はそれぞれちがうけど、図書館のまほーじんなら『行き先の場所に入れる権限を持っていることを示すこと』『魔法陣を見つけること』って考えればいいかも。」


 「えっと、ちょっとまって、メモするわね。」


 「白ちゃんの基準だとどっちにしろすごいことになりそうな気がするけど、ちなみに全体的にビミョーな性能の、っていうとどのくらいになるの?」


 「むー。

 まりあさんの体質に合わせるなら・・・

 『瞬間裁縫』『属性付与』そのほかいろいろ使って、こんなかんじでいろいろ加工して・・・

 にゃー。できた。薄闇の衣。

 もくひょーが決まってない状態でかんたんにつくれるものならこのくらいが限界、かな。」


 「うわぁ、あっというまに作れるのね。

 黒ゴシック服、だけどそれだけじゃない・・・

 なんだか見ているだけで落ち着くような感じがするわ。」


 「あ、それ『気まぐれ仕立て屋』で作ってくれたやつの色違いだね。

 夜でも目立たないように黒くしたの?」


 「むー。

 そーいうわけじゃなくて、光耐性をつけようとすると、黒い服のほうが効率いい感じ。

 日傘みたいなものだから、黒いほうがそういう加工はしやすい。」

 

 「ああ、日傘。晴れてるときに使う傘でしょ?

 まぶしいから傘を使うって聞いた時にはなんだそりゃって思ったけど、吸血鬼の場合は光当たると大変なことになるんだよね。

 それなら日傘みたいな服のほうが便利そうだね。」


 「らー。そんな感じ。

 まりあさん、この服あげる。ほかにつかいみちもないから、返さなくてもいいよ。」


 「ありがとう、でも、すごくいいものに思えるけど、もらっちゃっていいの?」


 「らー。だいじょうぶ。ためしにつくってみたかっただけだから。

 光を防ぐ効果があんまり強くはないからやっぱり光とか浄化とかの攻撃に注意しなくちゃいけないのは同じ、ふつうの吸血鬼のひとより回復が遅いのをカバーできるほどの性能でもない。

 もっと強いのも作れなくはないけど、強いのだと鑑定とかのスキル持ってる人に見られたらすぐにきゅーけつきだろうなってわかっちゃうようになるし、鑑定を防ぐ装備にもいろいろ弱点はあるからそういう効果もつけにくい。

 ふつーの服よりはちょっとだけ光に強い、くらいにかんがえてもらうといいかんじ?」


 「吸血鬼に『光のダメージをちょっと減らす服』っていうのは『びみょーな装備』っていう言葉からは考えられないと思うけどなぁ。

 まあいまさらだけど。白ちゃんだし。」


 「そうね、いまさらよね。」

 

 「ありがとう、着てみるわね。」

 

 「にゃー。

 着たあとに、持ち主固定のまほーかけておくね。

 確実にふせげるってほどの効果はないけど、万が一盗まれたり落としたりした場合でも、悪用できるよーな装備でもないからだいじょーぶ。」


 「まあ光に強いってだけなら普通の人には意味ない効果だよね。たしかに。」


 「この服が盗まれる状況は考えたくないわね。これを取ったら下着しか残らないから。」

 

 「ああ、まあそうだよね。

 着てる服を盗まれる、っていうのは盗賊に捕まったとかそういうのしか想像つかないし、そうなったら服がどうこう言う状態でもなさそう。」

 

 「らー。そうだね。

 盗まれてもったいないっていうほどのそーびじゃないけど、ぬすまれたらたいへん、だね。

 それじゃまほーじんがある部屋まで行けるように許可書書いてくるから、ちょっとまっててね。ほかのひとをよぶかもしれないんだったらとりあえず第1書庫の5枚くらいでいいかな。」


 「あれ、シロちゃんが許可書を書けるの?

 アルバイトの人にワイロを渡して、っていう話してたけど、シロちゃんもアルバイトしてたっていうこと?」


 「あるばいとはしてないけど、第1書庫の許可書、書いていいってしょちょーに言われてるし道具もあるから書けるー。」

 

 「あ、マリアさん、一応ないしょでね。白ちゃんが許可書かけるってことは。」


 「あっ、はい。ないしょにします。」


 「ありがとね。たぶん広まったら面倒なことになるだろうから。」

 薄闇の衣の性能は『光、無属性ダメージ軽減(弱)』『闇ダメージ吸収(小ダメージのみ)』がついてて防御力が『ふつーの服よりちょっとつよい(白ちゃん基準)』くらいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ