表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
379/446

じっけんだい、ぼしゅー。

「いらっしゃい。

 ドワーフの酒蔵へようこそ~。

 あら、シロちゃん、また来てくれたのね。

 今日はギンジョー酒の良いのが入ってるわよ。」


「きょうはひとさがしできたー。

 まりあさん、来てる?」


「いつも通り、奥の個室にいるわよ。

 シロちゃんがマリアさんのことを聞いたら案内するように言われてるわ。」


「にゃー。ありがとー。」


・・・


「シロちゃん久しぶり!

 みやさんとはやてさんもひさしぶりですね。」


「お久しぶりです、マリアさん。」

 

「おひさしぶりー。」


「まりあさん、ひさしぶりー。

 ちょうしはどんなかんじかな?」


「体調はいつも通りね。

 でも、明るいときに出歩かないようにしたから、HPはかなり温存できているわ。

 やっぱり日光は健康に悪いわね。吸血鬼だと。」


「にゃー。

 かなりまりょくふえてるみたいだね。

 これならだいじょーぶ、かな?」


「大丈夫、というと?」


「ないしょのはなし、したい。ごはんたべてから。

 まずはちゅーもんするね。」


「あ、そうね。私もワインおかわりしておくわね。」


「み?

 ワインのちゅーもんの目的が、体力回復のためなんだったらはなしのあとにしてもらったほうがおとくかも。」


「そうなの?

 そういうことなら後にしておくわね。」


「にゃー。

 わたしはなぽたんたのむー。

それと、自作のチーズの持ち込みできるか聞いてみる。」


「白ちゃんはチーズたくさんかけたナポリタン食べたいって言ってたもんね。

 あたしはなんにしようかな、なんかまじめな話っぽいから牛丼大盛りだけにしておくね。」


「私はクリームシチューを注文することにしようかしら。」


・・・


「にゃー。なぽたん、おいしい。」


「チーズ持ち込み大丈夫でよかったね。

 チーズ入りの牛丼もおいしいよ。

 ところでさ。

 食べ終わってからじゃないと話はできないの?

 なんか、話の内容が気になってるみたいなんだけど。」


「み?

 そーだった。はなし、するんだったね。

 帝国中央都市までまほーで送る実験。

 じっけんだい、ひとり、ぼしゅー。」


「白ちゃん、転移系で失敗ってかなり怖いんじゃない?

 ファンタジーな話ではそーいうのの怖い話は定番だし。

 実験台募集、って、ほんとに大丈夫なの?」


「失敗したらひどいことになりそうよね。

 そういう実験をするのはいけないと思うわ。」


「・・・実験台になるかどうかを決めるために、いくつか質問してもいい?」


「らー。もちろんいいよ。」


「成功すれば『実験台』は『帝国中央都市』に送られる。

 これは間違いないのね?」


「らー。それはまちがいない。」


「『失敗した場合は、大きなダメージを負う、場合によっては体の一部が欠損する恐れもある。

 だからHPが高い私が実験台として選ばれた。』

 この予想は合ってる?」


「むー。あってるとはいわない。まちがってるともいわない。

 『一度実験に成功した後おなじ魔法を使ってほかの人を送る場合、転移の魔法自体からダメージを受けることはない』、とはいえる。」


「『シロちゃんとみやさんとはやてさんが移動するときには、危険はない。』

 これは合ってるわよね。」


「むー。わたしとみーたんとはーたんのばあい、いどうそのものは、きけんはない。

 いどうしたあとにばしゃがつっこんできた、とかいうのをふせぐこうかはない。

 だから、特別危険が増えることはないけど、ふつうにきけんはあるかも。」


「移動する先の場所のことについてはあらかじめわかることはない、ということ?」


「むー。

 あるていどはわかるけど、あるていどいじょうではない。」


「えっと、あの時無償で助けてもらった私が言うのはものすごく失礼だとはわかってるけど、最後にもう一つだけ聞かせて。」


「み?

 どんな質問?」


「その実験が成功した場合、シロちゃんにはどんなメリットがあるの?

 転移の魔法の実験が主目的で、帝国中央都市に行けるっていうのが報酬ということ?」


「むー。

 転移させるのが目的、かな。

 自力で場所を探して帝国中央都市にたどり着くこともあるかもしれないけど、そのばあいは『けーじばんの人たちだ』っていうのを区別するのはたぶん難しいし、いつくるかもどんな方法でくるのかもわからないならずっとみはってるのもむずかしい。

 でも、わたしの魔法で移動したなら、だれがいつ移動したか、なんにん移動したかがわかるよね。」


「なるほど、そういうことなのね。

 うん、考えてみれば、悩むことじゃなかったわね。

 『実験台』を募集しているのなら、わたしが実験台になる、っていうだけでよかったのよね。

 実験台になるわ。危険があっても大丈夫、遠慮なく実験に使ってね。」


「にゃー。ありがとー。

 それじゃ、なぽたんののこりたべるから、そのあとに移動してくわしい話をしたいんだけど、それでいい?」


「もちろん。

 私もワインの残り飲んでおくわね。もったいないし。」


「みやっち、あたしたちも急いで食べないと。」


「あっ、そうね。

 急いで食べましょうか。

 ・・・(『けーじばんの人』は『見張る必要がある』?

 いつもの心配性なのかしら、それとも?)


「ん?なんか言った?

 止まってると置いてかれちゃうかもよ。すぐ追いつくだろうけど。」


「あ、いえ、なんでもないわ。

 急いで食べましょうか。」


「みやっち、それさっきも言ったよ。」

引っ越しのため4月8日ころまでネット環境なくなります。

次回更新は8日以降になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ