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みのさんのみるく。

「むにゅ?

 むー。おあよー。」


「あ、おはよー。

 って言っても、1刻前におはよー言ったばっかりだけどねー。」


「らー。そうかも。

 さっきは、はーたんが起きたときに私が眠くなるすこしまえだったから、おはよー言ってすぐ寝たー。」


「そうだったね。

 そーいえばさ、さっきのミーノー族の人との話は、その後どうなったの?

 たぶん、あっちもかなり混乱してるんじゃないかなぁって思うんだけど。」


「ねてたからわからない。すこししらべてみるね。

 天眼術ー。

 みえた。

 みーのーのひと、すごくあせってるかんじ?混乱、ぱにっく?」


「あ、やっぱり。

 そうじゃないかなって思ってた。」


「むー。

 安心させるよーにメッセージおくったんだけど。」


「いや、あの文面で、エルフからの手紙っていうのを考えると、最悪のパターンを想像してしまってもおかしくないと思うよ。

 白ちゃんは『あなたたちは死ぬ必要はない』っていう意味で『あなたたち』『死ぬ』『意味がない』って書いたんだと思うけど、

 たぶん、『特に意味もないけど皆殺しにしてやるよ』くらいの意味にとられるかもしれない、って思うよ。」


「み?そーなの?」


「うん、たぶんだけどね。

 あたしたちは白ちゃんといっしょに住んでるから、噂されてるよーな『恐ろしい存在』じゃないってわかってる。

 でも、ふつうの人から見ればエルフっていうのは強いモンスターみたいな感じに思われてると思うんだ。

 しかも、町の中にも平気で入ってこれるわけだし、魔法も強いから、かなり怖がられてる。

 だから、普通にしゃべってても、けっこう深読みとかされるんじゃないかなーって思う。」


「むー。

 エルフ、そんなに強いわけじゃないと思うよ。

 ふつうのエルフは、たぶんにんげんのひとよりはすこしはつよいと思うけど、わたしみたいなよわいのもいるし。個体差が大きいのかも?」


「いや、白ちゃんは充分すぎるほど強いと思うよ。

 魔法一発で例の『鳥』を撃ち落とせたんだから、白ちゃんが弱いんだったら強い人なんてほとんどいないんじゃないかな。

 『普通のエルフ』が白ちゃんより強いんだったら、もっと強いのを一撃で倒せるってことになるのかな?

 そしたら、『普通のエルフ』が相手なら人間には勝ち目ないだろうねー。もし戦いになったりしたら間違いなく負けるよ。

 まあそれ以前にエルフと戦おうって人がいないと思うけど。」


「魔力量だけは、ふつうのエルフよりは上だと思う。

 でも、体と精神が弱い、すぐ寝ちゃうし。

 だから、もし普通のエルフとたたかうとしたら、ちょーきせんになったらかちめはない、かな。」


「あれ、魔力はエルフの中でも高いんだ?

 あ、そーいえば灰エルフになってたから普通より魔力も増えてるのか。」


「らー。そうだね。」


「なるほどー。それじゃ、あの『びーむ』の魔法とかはみんなできるってわけじゃなってことかな?

 それで、さっきの話に戻るけど、ミーノー族の人がパニックになってたところまで話したんだったね。」


「らー。

 ミーノーのひとのしゃべりかた、本で調べたの使ったんだけど、うまくいかなかったみたい。」


「さっきの『する、ある』とか『名乗る、しない』みたいなしゃべり方のこと、だよね?」


「らー。それー。

 でも、もしかしたら、リザードマンみたいに、ふつうにしゃべったほうがつたわるのかも?

 ミーノーのひと、じょーほーすくない。」


「あ、ふつうに話をできるかもしれないんだ?

 それなら、白ちゃんの魔法で、そのミーノー族と言葉でしゃべれるよーにとかできる?

 少し話を聞いてみたい。」


「らー。できるよー。

 すこしじゅんびするね。」


「うん、ありがとー。」


「できたー。

 このゼライムぬいぐるみを持ち上げたままでしゃべると、あいてとおはなしできる。

 きくのは、魔力でなんとなくきけるはず?」


「なんとなくと言われても難しそうだなぁ。

 あ、いけそう。ためしにやってみるね。」


「にゃー。」


「えっと、『聞こえてますかー?』

 あ、大丈夫みたいだね。

 『はじめましてー。さっきしゃべってたエルフちゃんの同居人ですー。』

 ・・・あ、聞こえる。『生贄、私、なる、子供、複数、生きる、ほしい、乞う』?かな?」


「らー。そう言ってるみたいだね。」


「うーん。つなげて考えると、『私が生贄になるから子供たちは見逃してください』って感じかな。

 って、『生贄とかいらないみたいだよー。』『エルフはミーノー族の人を食べません』。

 ・・・あれ、また『子供、生きる、ほしい、乞う、願う』って言われた。

 なんか、やっぱり子供が狙われてると思ってる?

 普通に要らないって言ってるんだけどなぁ。

 やっぱり同じしゃべり方じゃないとわからないのかな?」


「むー。

 ちょっとだけ、じょーほーしらべなおしてみる。

 方言とかスラングとかの情報、詳しく思い出してみる。」


「あ、うん。お願い。」


「らー。」


「それじゃ、少しだけ待っててもらおうか。

 『少しだけ用事、ちょっと待っててね。』

 ・・・『お礼、言う、感謝、時間、与える、童』?

 えーっと。『童に時間を与えてくれることに感謝を言う』かな?

 あ、生贄を延期する、っていう意味にとられた?

 いや、『生贄とかいらないんだけど』。」


「にゃー。じょーほーあつめ、すこしすすんだ。」


「あ、おつかれさま。早いね。

 どうだった?なんか話し通じるためのヒントとか見つかった?」


「らー。

 言葉の情報は出なかったけど、『獣角の民』についての情報見つかった。

 ミーノー族も獣の角だから、たぶん、この情報が使えるかも。」


「ふむふむ、そーいえば牛の角って言ってたもんね。

 それで、結局どうすればいいの?」


「生贄に代わるなにか、要求するとおちつくみたい。

 願い事と代償が、ある程度釣り合わないと、なにか裏があるんじゃないかって思うみたい。

 だから、なにかねだってみると良い感じ?」


「それなら、あれ頼んでみようか。

 『生贄の代わり、ミノミルク、たくさん欲しい』って言ってみる。

 ・・・返事は、『疑問、ミーノーのミルク、価値がない、必要、なぜ』かな。」


「『価値はわたしが判断する、意見、必要ない』っていっておくー。

 ・・・こーしょーせいりつ。

 ミルク、子供の重さの100人分になるまで、少しづつ集めて送るって。

 回収のための入れ物を送っておく。かいけつー。」


「100人の重さになるまで、って、かなりたくさんだね。

 でも、むこうからすれば生贄に比べれば軽いもの、ってことなのかな。」


「らー。たぶんそうだね。

 ミーノー族は、ミルクをほとんど飲まないから、ミーノー族にとってはミルクはあんまり価値がない。

 だから、そのぶん量を多くするって言ってた。」

 

「なるほどー。

 それじゃ、いけにえがなんとか言う話は無しにできたってことね。」


「にゃー。そうだね。

 あとは、ミルクをもらったらかるふぇみるく作ったり、チーズ作ったりしてみる。」


「良いねぇ。

 チーズおいしいらしいって言ってたもんね。けーじばんの人が。」


「らー。」

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