てんせいかんりょー。
「おあよー。」
「あ、白ちゃん起きた、おはよー。」
「はい、おはよう。
そろそろ動いても大丈夫そう?」
「らー。
いちにちやすんだら、はいえるふのからだにもなれてきた。
はいえるふになる前より、HPもふえたよ。」
「HPは高ければ高いほど安心よね。
強くなったならよかったわ。」
「ねぇねぇ、白ちゃん。」
「み?」
「灰エルフになったら、肌の色とか変わるのかと思ってたけど、そのままなんだねぇ。」
「むー。
今回使ったのは、転生のまほーだから、色とか体形とかある程度は変えられるはずだよ、ふつうのひとなら。
転生は体のレベルを1まで戻してやり直すっていう効果だから、そのついでにある程度はいじれる。
にんげんのひとの場合だと、かんぜんに別の人に見えるようにする人が多い、のかな、たぶん。
わたしのばあいは、あんまり意味がないから変えなかった。しっぱいしてもこまるし。」
「え、レベル1まで戻るって、大変じゃない?
ものすごく弱くなるよね、当たり前だけど。」
「らー。たいへん。
でも、少しだけ能力は残るし、レベル上がったときにはどんどん能力のびる。
さいしゅーてきには、ふつうにレベルあげるよりもつよくなる、はず?」
「ほほう。生きのびて1レベルになる前のレベルくらいまで鍛えなおすことができれば強くなれるってことね。
でも、レベルいくつになったらその『転生』っていうのができるのかはわからないけど、上げなおすの大変そうだよね。
あたしだって1レベルの時のことなんて覚えてないくらい前だし、そこから今くらいまで上げるってなったら何年かはかかりそうだよ。
あたしのレベルくらいじゃまだまだ『転生』っていうのやるには足りないんだよね?」
「らー。そうだね。たぶんたりないんじゃないかな?
ほんらいは、きたえすぎてもうやることないなってなったひとが限界超えるためにやる儀式なはずだから、私みたいに弱いままやるのはあんまりそーてーされてないはず。
ふつうは、転生できるようになるころにはすごく強い、はずだね。儀式の種類にもよるのかもしれないけどたぶん200レベルくらいは必要みたいだし。」
「うわ、200も必要なのか。
200まで上げてから1に戻る、って恐ろしすぎるよね。
そのくらいあったら、どこの職場でも一人前以上には認められるくらいにはなるでしょ。
そこから、子供くらいの能力まで戻っちゃうわけだ。」
「200レベルまで上がっていたら、一人前といわれる段階は通り越してると思うわ。
スキルにもよるけど、たぶんどこか大きな店の店長とかそういう責任者になれるくらいじゃないかしら。」
「み?そーなんだ。
レベル上げるときはおなかすいてたいへんだから、そこまであげるひとはあんまりいないのかもね。」
「いや、おなかがすくからっていう理由ではないんじゃないかなぁ。
あ、そーいえばさ。
灰エルフになる前と比べて、HPのほかになんか良いスキルとか能力とか増えたの?」
「にゃー。いろいろふえたよー。
まず、短剣のスキルが強くなったから、ほーちょーで料理するときとかに便利。
あと、状態異常耐性があがったから、からいものたべてもだいじょーぶになった。
暗視スキルが強化されてほんとの真っ暗でも見えるようになった。
あとは、製作、加工の成功率がすごく上がるスキルが手に入った。100回のうち1回成功するくらいの難しさのものまでなら、100回のうち99回成功できる。」
「ふむふむ。
100回のうち1回成功するのを99回成功にする、ってものすごい効果だね。
まぐれで成功するかもっていうくらいのをほとんど成功にしちゃうんだから、それあるかないかで作れるものの性能すごく変わるんじゃない?」
「むー。そうかも。
でも、もともと100回に1回成功のものを2回に1回成功くらいまで増やせるスキルはもってた。
だから、あんまり変わった感じはしない、かな。」
「あら、もともと似た能力は持っていたんだね。
それなら、確かにあんまり変わった感じしないかな?
でも、2回に1回だったら1個しかない材料とかは使いにくいけど、100のうち99成功だったらやってみる価値はありそうだねぇ。」
「らー。そうだね。
でも、とりあえず、いまはごはんたべにいくー。
からいものだいじょぶになったから、からいスープもためしてみたい。」
「そうだね、あたしもおなかすいたから、いっしょに行こう。
みやっちもいくよー。」
「そうね。行きましょう。」
「にゃー。」