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まらりあとむかしばなし。

「ただいまー。

無事帰ってこれたね。」


「そうね。

白ちゃんも普通に食事ができるようになったみたいだし、よかったわ。」


「にゃー。

いもも少し片付いたし、よかったー。」


「でも、今回はすごく心配したんだよ。

そんなわけで、今日は白ちゃんを抱きしめて寝たいんだけどいいかな?」


「らー。もちろんいいよー。」


・・・


「幸せだなぁ。

 なんか、白ちゃんを抱っこしてると、いろいろ悩んでたのとか疑問に思ってたこととかどうでもよくなってくる感じ。」


「にゃー。

 どうでもよくなることなら、どうでもいいんじゃないかなー。」


「そーだねー、んじゃこのまま眠っちゃおうか~。」


「気持ちよさそうにしてるところ悪いんだけど、今日のことについて早めに話し合ったほうがいいと思うの。」


「ああ、まあそうかもね。

 今回はかなりあぶなかったみたいだし、ルナリアちゃんのおとーさんのこととか気になるし、相談はしてみたいかな。」


「み?

 それなら、おはなしする?」


「お話ししましょう。」


「らー。おはなししよー。」


「『今日のこと』っていうことなら、最初は、『白ちゃんが、食べ物を見るとショックを受ける状態になっていた』というところからだったね。

 精神攻撃にはある程度対応できるはずだったのに、できなかった。

 それはどーしてか、あと、これからはどう予防すればいいか。」


「むー。

 精神の能力値が低いからだね。

 精神攻撃に対応するスキルはいくつか覚えてるからある程度なんとかなるかと思ったけど、スキルの強さより精神の弱さのほうがうえだった。

 今回の場合だったら、たぶん治療なしでも何日かで治るくらいだったと思うけど、そのなんにちかで食事も必要になるだろーから、やっぱり治療のスキルがあると便利かな。

 予防は、実戦経験、同じような攻撃を受けて覚えるしかないかも?」


「一応治る程度のダメージで済んでいたのね。

 治る間が大変なだけで。」


「らー。食べ物に変なもの混入されるのにはちいさいころから慣れてる、混乱してるときには変な行動とると思うけど、外部から何か手出しをされない限りは安全、だとおもう。

 攻撃まほーの強めなのはある程度集中しないと撃てないように制限かけてるから、瘴気マラリアくらいしか撃てなくなる。」


「うん、まあ白ちゃんの魔法の場合は弱いのでも充分強力そうな気がするけどね。

 それで、食べ物に変なもの混入されるのに慣れてるってのは・・・」


「どう考えても、例の『言わないほうがいい相手』、からの攻撃、よね。」


「らー。」


「えっと、この話はやめたほうがよさそうだね、次いこう。

 ルナリアちゃんと会って歌を聞いて歌を歌って治った。だね。」


「そして、お礼に銀貨を出して断られて、銀貨の代わりに私とはやてちゃんが技を教えることになったのよね。」


「銀貨を出す前に、くっきーもらった。おいしかった。

 餌付けをしてくれる人だから、いいひとにんてい。」


「いや、その認定方法はどうかと思うんだけど・・・。」


「み?

 攻撃してくる人を敵と判断する、食べ物を与えてくれる人をいい人と判断する。

 いままで通りだし、ごーりてきだとおもう。」


「ああ、そーいえばそういう判定方法だったんだっけ。

 わかりやすいのはたしかだけど、やっぱりもうちょっと時間をかけて判断したほうがいいんじゃないかな、って思うよ。」


「むー。

 時間をかけても、たぶんけっかはかわらないとおもうー。

 ほんとは、まえにすんでた国にいたとき必要だっただけだから、いまはもう少し難しく考えてもいいのかもしれないけど。

 いまのところ、この考え方でこまったことはない。だからこのままでいいとおもう。」


「うーん、まあ白ちゃんが困らないなら、問題はないのかもしれないけど・・・。

 その、『前に住んでた国』でどんな感じで使ってたのか、って聞いていい?

 難しく考えるのは大変ってことなんだよね?」


「らー。

 がっこー、ひとたくさん。

 それぞれがはなしかけてくる。

 『あいさつ』と『自分の名前』と『わたしの外見に関する感想』を、毎日毎日毎日毎日毎日。

 100回までは笑顔で返事をした。

 1000回までは足を止めて返事をした。

 10000回くらいまでは、話された内容をある程度覚えて対応した。

 でも、つかれた。きおくりょくにもげんかいある。

 だから、いまは、話を聞き流すのに最低限必要なぶんの情報は覚えるけど、それ以上の情報を覚えるのは、わたしがきょーみをもって覚えたいって思った相手だけ。」


「ああ、『ゴーレムのほうが話し上手かもしれない』って言ってた相手がそれなわけだね。」


「らー。

 わたしの外見に対する感想を私に言って、何の意味があるのか、わからなかった。しかも同じようなことを何度も。」


「えっと、わたしたちがいつも『白ちゃんかわいい』って言ってるのも、やっぱ嫌だったのかしら?」


「み?

 みーたんとはーたんがどう思ってるのかはじゅーよー。

 外見が好みじゃなかったら、必要に応じていろいろ改造とか整形とかできる。」


「白ちゃん、改造とかはしなくていいからね?

 ・・・できるんだね。」


「らー。

 ある程度のきけんはあるけど、できなくは、ない。はず。」


「うん、改造も整形もなしで。

 もしあたしたちがなんか変なこと言ったとしても、危険なこととか嫌なことなら聞き流していいし拒否していいんだからね。」


「らー。改造も整形もしないようにするね。」


「そういえば、10000回ぶんの会話内容覚えてられるんだねぇ。

 まあ本をいくらでも覚えられるみたいだからそれに比べれば簡単なんだろーけどさ。」


「むー。

 いまは、会話はあんまり覚えてないー。

 本を覚えるのにあたまつかってる。

 そのぶん、あんまりむずかしいことかんがえたくなくなってるし、いろいろわすれることもおおい。

 もともとむずかしいことはかんがえてないけどね。」


「白ちゃんが難しいこと考えなくてもいいのが平和の証拠、ってことでいいんじゃないかな。

 普段はいろいろ難しいこと考えちゃう性格みたいだし。」


「むー。そうかなぁ。」

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