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かいどくとおはなし。

「あれ、白ちゃん、いつもの毛布の準備してるってことは、食後のお昼寝?」


「まだあんまりねむくなってないから、しょくごの読書ー。

覚えておいた本の内容を解読しながらのんびりするー。」


「あら、それだったら邪魔しないほうがいいかな。」


「み?

しゃべりながらでもかいどくはできるよー。

すこし時間がかかりそうだから後回しにしてただけで、そんなにむずかしいものではない、とおもう。」


「しゃべりながら解読できるんだ・・・。

本の内容を全部覚えてる、って時点でものすごい能力なわけだから、そのくらいできてもおかしくないのかもしれないけど、やっぱりびっくりするなぁ。」


「どっちかというと、しゃべりながらでもできる、じゃなくて、しゃべりながらのほーがあんぜん?

暗示とか、そーいうのに精神がやられないように、せいしんを分割して一部だけでよむいめーじ?

れーせーなぶぶんがのこってれば、ある程度の暗示までならなんとかなる。

だから、てきどにきがちるように、しゃべりながら解読したり、魔法通信しながらかいどくしたりいろいろする。」


「なるほどー、なんかよくわからないけど、安全のためにしゃべりながら読むんだね?

ふつうと逆な感じだねぇ。気が散ると危ないって言われることはあるけど、気が散らないと危ないってのはあんまり聞いたことないよ。」


「むー。暗示とか呪いとかだと、集中するほどかかりやすいもの、けっこうある。」


「へぇ、そういうものなんだ~。」


「らー。そーいうものなんだー。」


「ところで、その魔法通信、ってのは聞いたことないけど、どんなものなの?」


「み?

けーじばんのまほーを使って、とおくのひとと、文字でれんらくとれる。

文字を書く場所を決めておけば、知らない人とでもおはなしできる。」


「その『けーじばん』で白ちゃんが住んでた国の人と連絡とるってことはできないの?」


「むー。

れんらくはとれるかもしれないけど、あっちの国のこと話していいのは、相手が特定の条件を満たしたときだけ。

だから、どこのくにのひとかわからない状態でお話しすることになる、と思う。」


「それは、部外者に知られたらまずいっていう理由、なのかな?」


「そーじゃないよ。

わたしがすんでたくにからこっちにきてるひとは、たぶん、ほとんどが、あそびにきてるひと。

はーたんだって、やすみのときに、しごとのはなしされたくないーって、いってたよね?」


「うん。あたしは休みの時は全力で休む。仕事のことは後で考える、ってことにしてるからねー。

それと同じようなものってことか。そーいうことなら仕方ないね。

つまり、その魔法通信では、まじめな話はできないわけだ。」


「み?

こっちの国のことだったら、まじめな話もしてだいじょうぶ。

あっちの国のことは、なるべく言わない。

どっちの国の人かも、せんさくしない。そんなかんじ。」


「ふむふむ。

同じ国の人かどうかもわからない。だから、向こうの国のことを話しても意味がない。っていうこと?」


「らー。

おなじくにのひとだったら、『あっちのことは考えないでいたい』っていうひとがたぶんけっこういるだろうから、相手の考え方がわかってからしかくわしい話はしない。

違う国の人だったら、話しても多分話が通じないから意味がない。

だから、どっちだとしても話す必要はない?」


「なるほどー。

もしそういう話をするとしたら、相手が白ちゃんと同じ出身地で、そういう話をしゃべってもいいって確認できた時だけ、ってことだね。」


「らー。そんな感じ。

だから、どーでもいいようなはなしにつかうのがいいのかも?

・・・むー。」


「あれ、どうしたの?

なんか急に気分悪そうな表情になってるけど。」


「いま話しながら解読してた本、解読はできたんだけど、ちょっと気分が悪くなるような内容だった。

『良い子の禁断魔法・実践編』。

変異魔法の悪用例、のいめーじえいぞう、気持ち悪い。」


「・・・大丈夫?

本当に調子悪そうだよ?」


「らー。だいじょーぶ。

そろそろそういう魔法の知識も必要だと思ってたところだから、あるいみ、よていどおり。

気分は悪いけど、必要なこと。だからしかたない。

魔法の対策取るには、あるていど、まほうにくわしくなるひつようがある。」


「うん、まあ大丈夫ならいいんだけど、なんか白ちゃんの場合冷静に無謀なことしそうで怖いんだよね。

気分が悪くなったらちゃんと休もうね。」


「もうちょっとしたらねむくなるから、もうすこしたってからやすむー。

もうすこしおはなししよう?」


「あ、さっきの話の通り、しゃべってたほうがいい状態なのかな?」


「らー。」


「それじゃさ。ちょっとに気なってたことがあるんだけど、聞いていい?」


「らー。どうぞー。」


「その『良い子の禁断魔法』の作者の人って、ほかの入門書書いてる人と同じなんだよね?」


「らー。

全部ではないみたいだけど、大部分は同じ人、らしいよ。」


「そんなにいろいろなことって、一人で書けるものなのかな?

1冊本を書くのだって、けっこうな知識がないと無理だよね。

それを、ものすごくいろんなのについて書いてるわけだ。その人は。

そのへん、どうやってるんだろーなーって思うんだけど。」


「むー。

たとえば魔法関連の知識だったら、べーすになるなにか一つのスキルが、ものすごーくレベル高くなっていれば、魔法全般の簡単な知識くらいは思いついてもおかしくない。

ただし、魔法知識だけで『広い範囲の知識を引き出す』『知識を伝える』『間接的な手段で伝える』ということを実現するには、ものすごくものすごく高いスキルが必要、だと思う。

『執筆』とか『伝授』とか『雑学』みたいなスキルで補助すれば多少は難易度下げられるかもしれないけど、それでも、ふつうのにんげんのひとなら一生かけてもたどり着かないくらいのスキルレベルは必要になるかも。

 しかも、魔法だけじゃなくて物理に関しての本もたくさんあるから、魔法知識だけってわけでもないみたい。」

 

「『普通のにんげんのひと』ってのがどのくらいを想定してるのかがわからないけど、まあとりあえず、本の作者はすごい人だ、ってことだね。」


「らー。そんなかんじ。

 ひとかどうかはわからないけど、すごい。

 わたしでも読んだことがある本の文面を複製するくらいならできるけど、自分で書くのはうまくできないとおもうし。」


「いや、読んだことある本を複製できる、ってのも、充分すごいよね。

 本屋さんとかだったら荷物持ち運ばなくていいから便利、かも。」


「にゃー。荷物軽くていいのはべんりだね。」

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