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どっちもおいしい。

「よっつおさらを準備して、それぞれにもりつけて・・・。

 にゃー。できたー。」


「焦げずにできたみたいね。

 薄切りが失敗してたら焦げるって言ってたのに焦げなかったっていうことは、意外にうまく切れてたのかしら?」


「らー。そうだね。

 よそうより、うまくいった。」


「材料が無駄にならなくてよかったわ。

 これも白ちゃんが作ってくれた道具のおかげね。ありがとう。」


「にゃー。

 どーぐつくりも少し練習したかったところだったから、ちょーどよかったかも。」


「ところで、盛り付けた皿が4つあるのはなんでかな?

 誰かに渡すとか?」


「みーたんとはーたんが最初に切ったものと、最後に切ったものだよ。

 最初と最後でどのくらい違うものができたか、たべてみてくらべる。

 それも、自分の実力を把握して、訓練に役立てるためにたいせつ。」


「最初と最後でどのくらい進歩したかを調べる、ってことね。

 でも、まだ一日目なんだし、そんなに変化はないんじゃない?」


「さいしょ、だからこそ。

 ある程度以上強くなっちゃうと、少し訓練したくらいでは能力が上がったって感じが自分ではわからない感じ?

 だから、最初のうちに自分の能力を把握して、訓練すると能力が上がるってことを体感する。

 そのほーが、たぶんやるきがでるかも。」


「うーん、よくわからないけど、とりあえず食べてくらべてみればいいわけだね。どっちがおいしいか。」


「らー。そういうことー。」


・・・


「困ったね。」


「むー。こまったね。」


「ふたりとも、どうかしたの?

 どれもおいしくできていると思うわよ?」


「らー。

 ぜんぶおいしい。」


「うん。それが問題なわけだよ、みやっち。

 能力が上がったかどうかを感じるために食べ比べてみたわけだけど、全部おいしいんだこれが。」


「・・・能力が上がったかどうかを判断できない、ということかしら?」


「のーりょくがあがってるのはわかる。

 塩味のばらつきがあんまりなくなってるし、硬さも安定するようになってる。

 でも、どっちもおいしい。」


「訓練の効果が出ているのはわかっているのよね。

 そして、訓練する前からおいしいものは作れた。

 特に問題はないように感じるわ。」


「訓練は、ちからをもとめるよくぼー、だいじ。

 ひにちじょうてきなかんきょう、精神的にも肉体的にも、そして、力を求め、繰り返す。」


「つまり、『今の状態でもおいしいものは作れるから、訓練の必要はない』と思ってしまっている、ということかしら?」


「らー。そんなかんじ。

 切った芋はさっき揚げた量の10倍くらい残ってるから、しばらくはおやつにはこまらなそうだし。」


「でも、作ったものを全部私たちで食べる、ということにしてしまうと、あまり訓練はできなくなるわよね?

 今日切ったものを消費するのにだって何日かはかかるから、なくなってから訓練するということなら次の訓練が数日後になってしまうわ。

 それに、料理が上達すれば作れる量も増えていくでしょうから、ますます訓練の回数が減っていきそうね。」


「むー。そうなるね。どうしよーか。

 とりあえず、次の訓練の説明だけしておくね。いつ食べ終わるかわからないから説明だけだけど。」


「あ、うん、お願い。

 スライサーも楽しかったけど、あれの使い方だけ上手になっても肉は切れなそうだしね。」


「らー。

 それじゃ、これが次に使う道具だよ。」


「おおー。黒い包丁?」


「らー。オリハルコンの包丁『黒虎断』。

 がんじょーだから、多少あつかいがわるくても壊れたりはしないと思う。

 こんどはこれを使って、ざいりょーの薄切りのれんしゅー。」


「・・・オリハルコン、なのね。

 野菜の薄切りに使うのが。」


「らー。

 ミスリルでもいいんだけど、それだと安全対策をしかけにくいから、ある程度スキルが上がってから、かな。

 まずはオリハルコンでれんしゅーしたほうがいいと思う。」


「材料の薄切りの練習にオリハルコンを使う、って、なんか冗談みたいな状態だねぇ。

 製造方法が途絶えた幻の金属、っていう扱いになってるものを、こんな気軽に使っちゃっていいんだろーか。」


「むー。そういわれても、あんまり使い道ない材料だし、こういう時に使わないともったいないかも?」

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