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おきがえ。

「白ちゃん、風の魔法の効果終わったみたいだよ。」


「むにゅ?

 ・・・おあよー。」


「はい。おはよう。

 風の魔法終わってたみたいだけど、次は何すればいいの?」


「むー。

 まず、冷えたかどうかしらべる。『解析』。

 うまく冷えてたから、いったんくだく。『砕波』『拡散』『共振』。」


「バラバラになったね。石の塊が。

 これだと、また一個一個調べなくちゃいけないように見えるね。」


「らー。そうだね。

 つぎのまほうで、うまくいけば減る、はず。

 『抹消する光(おそうじびーむ)』」


「おおー、って、光が当たった石が少しずつ消えていってるね。

 せっかく買ったの消しちゃっていいの?」


「らー。消えないで残ったのを、使うー。

 あっちのほうもそーじしてくるね。」


「うん、いってらっしゃーい。」


「いってらっしゃい。」


・・・・


「にゃー。だいたい、おわったかな。」


「おつかれさまー。

 かなり減った感じだね。石の山。」


「そうね。

 この残った部分が、魔法に強い素材、なのかしら。」


「らー。まほうにつよい素材がある程度含まれている石、っていうことになるはず?

 ちょっと調べてみるね。」


「あたしもちょっと見てみようかな。金属には詳しくないからわからないけど。

 えーっと。なんか面白い見た目の石ないかなー。

 お、なんか銀色っぽい石見つけた~。

 白ちゃん、これけっこうきれいじゃない?」


「み?

 それ、銀鉱石だね。あんまり純度は高くないけど。」


「おお、って、ゴミあつかいだった石の山から、銀鉱石が作れちゃうの?」


「らー。

 成分があんまり濃くなかっただけで、いろんな金属成分は入ってた。

 溶かした時に、ある程度金属部分が濃くなったりした部分もある?」


「なるほどー。

 そういうのを取るために、高いお金払って買ったんだね。石。」


「らー。

 けっこう、いろいろとれそーなかんじ。

 このへんは品質悪いけどミスリル。あっちにもなにかありそう。」


「ミスリルまで取れるんだ・・・。

 なんで捨ててたんだろう。まああるって言われても普通の人には取り出せないくらいだったんだろうけど。」


「にゃー。それぞれ、なにかに使えそうな成分は入ってるみたいだね。

 これで、着替えの準備できた。」


「着替え?

 この石を使って着替えをするの?」


「らー。

 まず、わたしの服を変えてみるね。

 『気まぐれな職人』」


「おお、白ちゃんの服が光った。」


「あ、バラバラになったわね。」


「鉱石からも光が出てきた。

 ・・・服になったね。」


「にゃー。できた。

 でも、おもい、これ。」


「あ、ふらふらしてる。

 白ちゃん、普通の服の予備はないの?」


「私が持ってるわ。

 これに着替えましょう。」


「あいあとー。」


・・・・


「むー。

 まほーの性質上仕方ないけど、重い装備になっちゃうこともあるみたいだね。」


「持ってる素材でてきとーに装備を作ってくれる魔法、っていうことなのかな?」


「らー。そんな感じ。

 さっきできたのは『銀糸のローブ』だった。あんまり性能はよくないみたい。おもいし。」


「まあ銀糸だったら売ればかなりの値段が付きそうだね。そーびすると重いなら、処分するかなんかの材料に使うしかないし。」


「そうだねー。

 でも、このまほーは、着替えるのはめんどうだけどべんりそうだね。」


「うん、まあそうなんだけど。

 途中で服が全部脱げるのはどうにかならないのかしら?」


「み?」


「ああ、脱げてた、っていうかバラバラになってたね。

 自分の着てる服まで材料に使われちゃうんだろうけど。」


「むー。

 下着を脱げなくなるまほーをかけておけば、下着は変化しないようになる。たぶん。」


「あ、そんな魔法もあるんだね。

 本当に何でもありって感じだねぇ。魔法っていうのは。」


「そうね。

 銀鉱石から銀を取り出して銀糸の服を作る、までを一つの魔法でできる、なんてことを誰かに話しても誰も信じないでしょうね。」


「下着を守るまほーはかけるから、みーたんとはーたん、着替えのまほー使ってもいい?」


「もちろんいいわよ。」


「あ、うん。良いよー。面白そうだし。

 いい感じのできたらもらっていい?」


「らー。もちろん、いくつでもつかってね。」


・・・・


「にゃー。いろいろできたね。」


「そうだねぇ。

 なんか、武器とか防具とかいろいろできた。

 そして、なんか全部強そう。」


「・・・いろいろできた、んだけど。

 白ちゃん、この金色の胸当て、材料は何でできてるのかしら?」


「み?

 それは、オリハルコンだね。

 がっかり金属ともいう。」


「オリハルコン!?

 やっぱりそうなの?」


「らー。そうだけど、なんでそんなにおどろくのかな?」


「あのね、オリハルコンは、神話時代にはたくさん使われていたらしいけど、現代では作り方が失われたって言われているものなの。

 だから、今の時代にオリハルコンを装備に加工できる人は、たぶん白ちゃんしかいないかもしれない、というくらいになると思うわ。」


「むー。

 たぶん、加工はできるけど、あんまり意味がないから作らないだけなんじゃないかな?

 がっかり金属だし。」


「ねぇ、白ちゃん。

 がっかり金属、っていうのはどういう意味なの?

 強くないってこと?」


「むー。

 強いといえば強い。単純な強度でいえば、ミスリルより上だし。

 でも、作る難しさはミスリルよりかなり上。あと、魔力付与がものすごくつけにくい。だから、性能は魔力付与たくさんかけたミスリル装備には負ける。

 だから、主力の武器にはしにくいかんじ?

 たくさん掘れるから、量産武器作るにはちょーど良い素材だろうけど。」


「いや、ミスリルに強度で勝てるって時点で、主力装備でいいんじゃないかなー。」


「むー。そうかな。

 それなら、みーたんとはーたんがそーびして使えるように、魔力付与少しかけてみたほうがいい?」


「あ、難しいけどかけられないわけではないのね。」


「らー。あんまり珍しい触媒使うものは失敗する確率高いから作りにくいけど、触媒あんまり使わない範囲ならかけられるー。」


「んーっと。

 たぶん、あたしたちがオリハルコンの装備をしなくちゃいけない事態って、ほとんどないような気がするけど、それでもいいの?」


「らー。

 オリハルコンは、加工できる人がいるならいっぱい作れるようになっちゃうから、あらかじめ作っておいたほうがいい感じ?」


「うん、そういうことなら、お願いしちゃおうかな。」


「らー。

 どんな効果がほしいかな?」


「いや、どんなと言われても、どんなのつけれるのかわからないなぁ。

 おすすめとかある?」


「むー。

 さっきの抹消する光(おそうじびーむ)の物理版とかならつけられるよ。

 石とか金属とかのランクが低い素材と打ち合うと一方的に勝てるっていう効果。

 銀くらいになると通用しなくなっちゃうからびみょーな効果だけど、鉄とか石くらいまでならかんたんに砕ける。」


「えーっと。

 あんまり触媒使わない範囲、でそれなの?」


「らー。

 ふつうに強度で勝てる相手だから、あんまり使い道はないかもしれないけどね。」


「あの、白ちゃん?

 たぶんなんだけど、それって、相手がどんなに大きくても勝てる、っていうことでいいのよね?」


「らー。ぶつかった範囲は壊せるよ。」


「たとえばだけど、槍にその効果をつけて、城門に突撃したりしたら?」


「み?槍の形に穴が開くんじゃないかな?」


「・・・使い道、あるね。

 まあその使い道を使う気にもならないけどさ。」


「そうね。

 使い道がないくらいが平和なのかもしれないわね・・・。」


「あ、でも、一応作ってもらっていいかな。手間かからないなら。」


「らー。簡単だから、作っておくね。」

 ちなみに、オリハルコンの加工前は黄銅のような性質になっています。(5円玉の材料が黄銅です)

 特殊な加工をすることで本来の性能を取り戻し、金色に変わります。

 そんなわけで、ゴミ素材あつかいされてて捨てられていたようです。

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