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あさごはんと、いろいろおはなし。

※ほかの人には無難な話に聞こえるようにいろいろ細工をした状態で話をしてます。

「そんなわけで、食堂につきました。あさごはんー。」


「にゃー!」


「そんなわけで、の前の前置きがないのは、まあいつも通りのことね。」


「まあそうだけど。こう抑えきれない感じを表してるだけだから深く考えないでねー。

 おなかがすいたという重大事項を表現するには、このくらいの勢いが必要でしょ。」


「らー。そうだね。それはすごくじゅーよー。

 おなかがすいたら、おいしいものをたべたくなる。」


「うん、そんな感じ。

 とりあえず注文しようか。」


「らー。

 きのうやっつけた鳥のお金あるから、なんでもすきなのたのんでね。

 ぜんしゅるいせーは、とかやってもだいじょーぶなくらいはあるとおもう。」


「お、いいの?ありがとー。

 それじゃ、なんにしようかな。

 謎肉丼の大盛りにするね。安いしおいしいし。」


「白ちゃん、ありがとう。

 私は白身キノコ定食にするわ。

 ひさしぶりに食べてみたくなったのよね。」


「み?

 もっと高いのでも、だいじょーぶだよ?」


「うん、それはわかってるけど、高いの頼むのはこのへんのでおいしいと思えなくなってからで十分かなって。

 白ちゃん、試しに、予算考えないで、一番食べたいものを言ってみて?」


「むー。

 なぽたんをはんぶん、クッキーの小皿、かるふぇみるくのあまさ増量?」


「ほら、白ちゃんも合計で同じ値段のメニューになってる。25チップ。」


「み?

 そうだね、おそろいー。」


「そーだね、おそろい。

 だから、遠慮してるとかじゃないから大丈夫だからね?」


「らー。わかったー。」


・・・・


「ごちそうさまー。

 見た目はかなり変だけどおいしかった。

 やっぱり謎肉は安くて良いなぁ。名前通り何の肉かはわからないけどさ。」


「ごちそうさま。おいしかったわ。

 白ちゃん、ありがとう。」


「にゃー。おいしかったー。」


「そういえばさ。」


「・・・み?」


「白ちゃんが住んでた国の人、いっぱいいるって言ってたよね。」


「らー。そうだね。いっぱいいると思うよ。」


「そっちの人だったら、白ちゃんと普通にお話しできる、ってこと、だよね?人間の言葉使わなくても。」


「むー。あっちにいたときは、わたしのまわりには『会話が成立しているみたいでしてないひと』、のほうが多かったけど、会話できるひともときどきいた。

 でも、たぶんこっちでは、にんげんことばつかわないと、かいわはできない。

 あそびにきてるひとは、たぶんにんげんことばしかしゃべれないようになってる。

 だから、こっちにもともといるひとと、同じような感じにしゃべるんじゃないかな。」


「あら、エルフの言葉しゃべってるわけじゃないってこと?」


「むこうにいるときは、こっちで言う『エルフ語』みたいな感じの言葉、かな。

 でも、あっちのひとがこっちの人と話すときには、たぶんにんげんことばに自然に変わる感じになってる、はず?」


「なんか便利なことになってるんだね。言葉を変える魔法か何かがあるってことかな?」


「らー。そうだね。たぶんそんなかんじ。

 でも、本とか読んでると、たぶんこれは翻訳できないんじゃないかな、っていう表現もあるから、自力で読むのもたのしい。かも。」


「ああ、自力で読むと、もとの言葉ならではの表現に気づけるってことね?」


「らー。そんなかんじ。」

 

「あ、もう一つ聞いていい?

 白ちゃんがいた国の人は、あんまりあたしたちから見て区別付かないってことかな?

 たくさんいるっていうわりには変わった見た目の人見てないなーって思ったんだけど。」


「むー。推定混じりでよければ、説明する。」


「うん、お願いしていい?」


「らー。それじゃ、せつめいー。

 この国が、×××(MMO)の定番パターンだったとすれば。

 外見は、たぶんいろいろ。種族もいろいろ。

 周期がどの程度かはわからないけど、けっこう長い間、姿を消すことがあるはず。

 自分の安全にはかなり無頓着。戦闘を好む習性があるものが多いかも?

 強さは極端に弱いのが少数いる可能性はあるけど、大部分はすごく強いはず。

 そんな感じかな。」


「その強さってのはあたしたちみたいなこっちの住人が基準?それとも白ちゃんが基準?」


「こっちのひと基準。

 あっちのひとは、最初はたぶんすごく弱いけど、経験を積むとすごく強くなるはず。

 たぶん数人で町を救うとかもできるくらいの戦力には育つ、はず。」


「うーん、どうなんだろ、その説明聞く限りだと、火力は白ちゃんよりかなり下、ほかの能力はあたしらよりかなり上って感じかな?

 白ちゃんは例の鳥を一人で倒せたわけだし。」


「しかも、杖なしで倒してたのよね・・・。」


「み?

 あのわざは、ものすごく単純な技だから、杖持っててもあんまり威力変わらないと思う。

 ちからをいれて、光に変えて、手から出す。それだけ。」


「光に変えて、の部分が難しそうに聞こえるね。」


「むー。

 出しやすい感じに、出す?

 わたしのばあいは光が出しやすい、ドラゴンだったら熱波?

 力を高めるとかの要素が入ってなくて、方向をととのえるだけだから、かなりたんじゅん?

 にんげんのひとだったら、くちを大きくあけて息をはくのと、くちをすこしだけあけていきをはくので、いきおいが違うっていうかんじかな?

 ドラゴンは大きいから、くちを小さくあけるのとか苦手、そのぶん、消費する力のわりには攻撃範囲が広くて威力が低め?」

 

「ああ、本当に文字通り『なまあたたかい息』っていう程度なのね。ドラゴンにとっては。」


「らー。たぶんそんなかんじ。

 でも、ドラゴンの攻撃は、全体的にすごくつよい。

 ドラゴンにとっては『なまあたたかい息』でも、やっぱり人にとっては『ドラゴンブレス』だね。強いよ。」


「ドラゴンにとっては『ドラゴンブレス』はただ息を吐く程度の技にすぎない・・・?

 『龍退治』を題材にした物語で、龍を追い払ったという結末になっているのが多いのはそういうことなのね。」


「らー。

 ドラゴンの必殺技がブレスになってるんだったら、たぶん相手にされてないだけなんじゃないかな。

 なにかほかのこと思いついたから移動しただけじゃないかなーと思う。」


「うーん、ドラゴンって、そんなに強いの?

 いやまあめちゃくちゃ強いんだろうけど、ドラゴンブレスが『攻撃ですらない』くらいの扱いの技っていうことなんだよね、さっきの話だと。」


「らー。

 人間の限界まで強くなった人が何十人何百人ってそろってて、死んでも復活させるくらいの回復準備が整ってれば最低限戦いにはなるかも?

 勝つのは、たぶん無理。」


「死んでも復活させるくらいの準備、って、現実的には無理でしょうね。

 ドラゴン相手に勝とうとすることが無謀ということかしら。」


「らー。けっこうむぼー。

 まず、そーびの加工技術が、全然足りない。」


「加工技術、って、白ちゃんでも?」


「らー。もちろん。

 わたしのつくったそーびなんて、龍が相手なら素手とほとんど変わらない。

 対龍特効のエンチャントのやりかたも練習してないし。」


「まあドラゴンと戦う装備、なんての作るくらいなら、普通に強い装備作るよね。」


「そうね。ドラゴンと戦う、なんていう状態になるということは襲われているということでしょうし。

 襲われた時のために作っておく、なんて言うほど簡単に作れるものでもないでしょうしね。」


「むー。

 強いの作るための、訓練の時にいろいろ作ってみる必要がある。

 そーいうのやってる人なら、対龍特効も手を出してる人がいるかも?」


「ああ、ものすっごい数作らないと職人技術は鍛えられないんだっけ。

 その時にいろいろ作ってる可能性はある、と。」


「らー。」


「でも、いろいろ作ってる中の少しが『龍に効く』としても、数が足りないわよね。

 やっぱり、『無謀』なことになるのね。」


「らー。そんな感じ。」


「なるほどー。

 説明ありがとね。やっぱり強いんだねぇ。ドラゴンは。」


「そうだねー。

 そーいえば、ききたいことあった、きいていい?」


「うん、どうぞ~。何でも聞いて。」


「どうぞ。なんでも聞いてね。」

 

「みーたんとはーたん、ふるきずとか、なおらないなーっていうの、ある?」


「え?

 ないなぁ。ケガするほどの戦いもあんまりしないし、しても白ちゃんのポーションですぐ直ってるし。」


「わたしもけがはないわ。

 心配してくれたの?ありがとう。」


「むー。

 さっきつくったぽーしょん、軽いけがならある程度良くなるくらいに作った。

 でも、すぐだめになるせいぶんだから、ふるいけがあるんだったら、つかったほうがいいかなっておもった。」


「うーん、そういう調合だったら冒険者協会でも買取はしてくれないよねぇ。

 たしかにもったいないな。」


「み?

 そーいえば、鳥倒したときにお話しした二人、仲間がケガしてる人多いって言ってた。

 その二人に贈ってみるね。『移贈・土渡り』。」


「ああ、報酬ゆずってくれた人?」


「らー。そうだよ。」


「なんかすごい金額くれたみたいだし、お礼するのはいいことかもね。」


「にゃー。そうだね。

 お礼がしょーひ期限切れかけたポーションっていうのはびみょーかもしれないけど、武器だけでいいって言ってたし、おまけということにしておくー。」


「その二人は、ケガしてるのかしら?」


「むー。

 けがはしてるけど、たいしたことはないっていってた。

 いちおう生命感知で状態は確認してるけど、今回の鳥から受けたダメージはだいたい回復してるみたい。

 たぶん、全身が何日か痛い、くらいじゃないかな。」


「それなら、筋肉痛がすぐ治ることになるのね。」


「らー。ほんにんがのめば、たぶんそうなる。

 ・・・でも、ならなかったみたいだね。れんらくきた。」


「効かなかった、っていう意味じゃなさそうね。

 ほかのだれかに飲ませた、というところかしら。」


「らー。

 鳥に腕食べられた人に飲ませたら、治ったって。」


「え・・・?

 腕、無かったってことだよね?」


「らー。そうだね。」


「治るもんなの?」


「らー。部位欠損回復用のポーションだから、治る可能性はある。

 もう一本は、足がボロボロになってる人に使って、やっぱりなおったって。」


「・・・おまけ、っていう領域じゃないよねぇ。どう考えても。」


「そうね。

 もし普通の冒険者が同じくらいの薬を手に入れようとすれば、白ちゃんがもらった金額でも全然足りないんじゃないかしら?」


「あのくらいの薬だったら、ひまなときに材料となぽたんをそろえて頼まれたらつくるけど?」


「ナポリタン持って頼めば作ってもいいんだ・・・?」


「らー。ひまでおなかすいてるときなら、たぶんつくるー。」


「えーっとね。

 たぶん、なんだけど。

 それはやめたほうがいいと思うわ。」


「み?

 そうなの?」


「ええ。

 ポーションは、普通の職人さんだと何十年かかけてもBランクが作れるくらいまでにしかならないのよ。

 それよりはるか上のポーションが安値で手に入るようになってしまったら、ほかの薬屋さんが廃業しかねないわ。」


「むー。

 使用期限短いやつだから、あんまり価値がないと思ってたけど、そうでもないんだね。」


「うん、そうだねー。

 まあ今回みたいに自分の正体つかまれないようにして渡すぶんにはいいかもしれないけど、もし正体が知られちゃったらこの前のミスリルの杖よりもっと大変なことになると思うよ。」


「そうね。

 ミスリルの杖なら、使いこなせない人にとっては『すごく高い値段で売れる杖』でしかないけど、ポーションの高性能なのを入手できるかどうかってのは、危ない時に生き残れるかどうかに直結してくるでしょうからね。」


「むー。そうかも。

 みすりるの武器は、あのふたりに送った道具で弱いのはできただろうし、それを見本にすれば何日かあればあるてーどの性能でならさいげんできる職人さんもいるだろうし。

 今は貴重なものではなくなってるだろうね。」


「えーっと。

 武器を見本にすれば、何日かで同じ装備が作れる、って思ってるの?もしかして。」


「らー。

 わたしでも、何日かで指輪とかある程度作れるようになったし。

 ちゃんと鍛冶の技術持ってる人なら、何日かあれば劣化版なら作れる、よね。

 一週間か二週間あれば、あれくらいの性能なら超えてくる、のをそーてーしてるけど。」


「えーっと。

 鍛冶に詳しいわけじゃないけど、間違いなく、無理だよそれは。」


「そうね。

 作っている現場を見た、とかならある程度のヒントになることをつかむことはできるかもしれないけど、製品を見て同じ技術を身につけるのは無理ね。」


「み?そうなの?」


「うん、そうだね。

 美術館とか、あと貴族とか騎士の強い人たちの持ち物とかで、珍しい素材のものも普通にあるけど、再現できたって話は聞いたことないから。」


「むー。それなら、こんど、ふたりに手伝ってほしいことある。」


「ん?なに?ものによっては手伝いましょう。」


「手伝えるものなら手伝うわ。」


「にゃー。あいあとー。」

ナポリタン1皿=15チップ=300円くらい

白ちゃんが受け取った報酬39000S=7800万円くらいな感じです。

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