どうぐはつかってません。
「たらいー。
耳は、だいじょぶ、だった。
いがいに、がんじょー?」
「おかえりー。
立ち直った感じ、かな?」
「おかえりなさい。
大丈夫そうには見えるけど、さっきの様子だとかなりの精神的ショックを受けてるんじゃないかしら?」
「らー。
さっきは、こころのじゅんびしてないところに、アレの声をきいたから、こんらんした。
いまは、すこしおちついたー。」
「落ち着いたならよかったけど、無理はしないようにね。」
「詳しいことは、聞かないほうがいいかしら?」
「み?
だいじょーぶ。
せつめーできるよ。」
「それなら説明お願いしていい?」
「らー。
なにからせつめいしようかな。
まず、アレは、私が住んでた国では、どこに住んでるかは知らない。
アレと会話するときは、遠くと話す道具を使ってたんだけど、音の響きを変える道具を途中に挟むことで、アレの声が直接聞こえることはないようにしてた。
アレの声を直接聞くと、わたしはきょぜつはんのーおきる。
こんかいのゆめのこえは、きこえはじめたじてんで、あたまが情報受け入れを拒否した感じ。
だから、どんなことしゃべってたかは、わからない。
それと、ゆめに出てきた原因も、わからない。
普通に夢で見る可能性もあるし、予知夢とかそういう可能性もないとは言い切れない。
住人としての立場で夢干渉のまほーとか使ってきた可能性もあるし、もっと上位の存在として干渉してきた可能性もある。
もし干渉してきたとするなら、目的があるはずなんだけど、内容聞き取れてないからわからない。
そんなかんじ。」
「普通の夢、予知夢、干渉、上位の干渉の4つってこと?
干渉と上位の干渉の違いがわからないけど、そんな感じなんだね。」
「らー。そんなかんじ。
内容読み取れてないから、どっちにしても今の時点では対応しようがない感じ。かな。
だから、やっぱり、じっけんしゅーりょーまでのんびりする、しかないかも。」
「・・・・白ちゃんの住んでいた場所から、白ちゃん以外の住人もこっちに来ている、という可能性ってあるのかしら?」
「み?
たぶん、いっぱいいる。
わたしのすんでたくにから、遊びに来てる人。
でも、私にはあんまり関係ない。」
「『住人』を見つけて、帰り道を聞く、ということはできるんじゃないかしら?
その『アレ』に頼らなくてもいざとなれば帰れる、っていう道を探しておくぶんには、損はないと思うんだけど、どうかな?」
「むー。
道、ある。」
「あれ、普通に帰る方法あるの?
こんなに長くこっちにいるから、帰る方法がないんだと思ってたけど。」
「帰る方法だと私の住んでいた国の住人に認識されている道具は、ある。
それが使えるなら、聞く必要はないし、使えなくなってるなら、聞いても答えは出ない。」
「使えるかどうか、試すつもりはない?」
「らー。試さない。
現状、まだ試す必要性は感じないし。」
「えーっと、なんか複雑なんだねぇ。」
「らー。すこしふくざつ?
・・・おなかすいた。」
「あ、えっと、そうだね。
とりあえずごはん食べに行こうか。」
「らー!」
『道具』=『ログアウトボタン』です。