びーむ。
・・・・
「あ、ゼライム出た。
よいしょっと。」
「にゃー。
いちげき、はーたん、つよい。」
「まあ図書館で訓練してるからこのくらいは、ね。」
「あの、ラージゼライムを一撃、って、普通のことよね?」
「み?
そーなの?」
「うん、まあ普通だねー。
グリーンより少し強いって程度だし。やっぱり踏むと倒せるし。
白ちゃんに褒められたから調子に乗ったけど、子供でもたぶん勝てる。
ただ子供が踏むには少し大きいってだけかな。」
「むー。そうなんだ。」
「うん、そうなんだー。
そういえば、白ちゃん。
ちょっと聞きたいんだけどさ。」
「み?」
「大きい鳥と戦うための道具渡したんだよね。」
「らー。そうだよ。」
「どんな感じの道具渡したのか、って、聞いていい?」
「みーたんからもらった棒と、ポーションと、ミスリル鉱石少しと、装備ランダム変更の巻物。
ランダムだけど、ミスリル鉱石を材料に取り入れれば、多少は攻撃力高くできる。
ポーションは、A級ポーションを即効型にあれんじしたもの。痛み止めと増血と負傷回復が短時間でできる。そのかわりに部位欠損回復はできなくなってるけど。
うまくつかえば、たおせるかも。
あんまりじょうずじゃなくても、おいはらうところまではできるはず。」
「えーっと。どういう『鳥』を想定してその道具決めたのかな。
ふつうの敵に使う装備じゃないよね、それ。ミスリル鉱石まで使ってるし。」
「戦力がどの程度かわからない状態でてつだいするなら、たしょう強すぎるかな、っていうくらいの性能にしたほうがあんしん、かも。」
「たしかに、道具が弱くて倒せませんでした、ということになるよりは、性能が強すぎました、のほうが良さそうね。」
「そうだねぇ。まあ普通は性能が強すぎましたなんてことはないんだろうけど。白ちゃんだからねぇ。」
「らー。だからもんだいなし。」
「そんで、その戦士さんたちの戦いがどーなってるかとかってわかるの?」
「らー。わかる。
じゅんちょーにたたかってる。だから、もんだいあり。」
「順調なのに?」
「らー。
足止めが目的って言ってたのに、たぶんもうすぐおいはらっちゃう。」
「撃退できるならしちゃったほうが安全なんじゃないの?」
「むー。町の中だけで言うと、安全。
でも、まちからにげたひといっぱい。
まちからにげたひと、ねらわれる。」
「ああ、そうか。
町から追い払ったっていうと良いことに聞こえるけど、町から逃げてる人にとっては追いかけてくることになる?」
「らー。
だから、さっきのふたりにきいてみる。
あしどめてつだおうかーって。」
「あ、白ちゃんなら足止めできるんだ?」
「らー。たぶんできる。
へんじがきた。『手伝ってほしい』って。
ちょっとまほーつかうね。」
「りょーかい。
がんばってねー。」
「えっと、白ちゃんが危ない目にあうことはないのよね?」
「らー。わたしはだいじょぶー。
ふつうのまちのなかのほうがあぶないし。
それじゃつかうね。
魔力を集中、収束、角度修正、タイミング推測。
『極光のドラゴンブレス』
おわりー。」
「なんかすごい量の魔力を感じたんだけど、技は見えないんだね。
手から火の玉とか出るのかと思った。」
「よこからだとみえない。
手から相手の顔に光出て、あいてがまぶしくなる。そういうわざ。」
「あ、まぶしくて飛べなくなるってことね。
当たったの?」
「らー。
いま、やっつけたって、つーしん、きた。」
「無事に勝てたのね?良かった。」
「良かったねー。
まぶしくて落ちてきたところをとどめさしたってことかな?」
「むー。
わたしのまほーで、やきとりになってたって。
しゅつりょくまちがえた、かも。」
「焼き鳥?
おいしいのかな?」
「しらないー。たべたことない。」