まきもののまほう。
戦士が、巻物を手に取る。
使い方の情報が頭に流れ込んでくる。
「巻物に、求めるものを叫ぶだけか。簡単でいいな。
『鷲獅子を殴り倒す力をよこせ!』」
巻物が光の粒に変わり、周辺に散っていく。
光に当たった大斧の金属部分が溶け、近くにあった棒にまとわりつく。
やがて、朝鳴き鳥の頭を模した大鎚に形を変える。
足元にあった石から銀色の液体が流れ出て、朝鳴き鳥のくちばしを覆い、銀色に変える。
「・・・これが鷲獅子を倒すための武器、ってこと、だよな?」
大鎚を手に取る。
「・・・!
なんだこりゃ!?」
「どうした?」
「お前も急いで使え。使えばわかる。」
「ああ。お前がそういうなら役には立つんだろうな。
『鷲獅子を貫く力を与えよ!』」
石から流れ出た銀色の液体が、弓を覆っていく。
「・・・なるほど。
知識を与える武器か。まるで神話かなにかだな。」
「お前ならそれ使ってなんとかできるんじゃないか?
鳥倒すの得意だろ?」
「まあ普通の鳥なら得意だが。
ヤツの周りに力があふれてるの見えるか?」
「おう。この斧のおかげでな。」
「あれが濃いほどヤツは強くなるらしい。
だから、まず力を削る。
攻撃をよけながら、足音を響かせろ。声をあげろ。
俺は弦打をしながらほかの仲間にポーションを飲ませてくる。」
「足音?つるうち?
なんかよくわからんが、足音と声、だな。」
「そうだ。
足音で大地の力を呼び、風の力を抑える。
攻撃はかわせるな?」
「おう。今までのあれだけなら、なんとかかわしきってみせる。」
「任せた。」
「まかせとけ。」