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てづくりあさごはん。

「白ちゃん、おはよう。」


「みーたん、おあよー。

きょうはいつもよりおきるのすこしゆっくりだったね。」


「あら、そうだった?

いつもと違う場所で眠ったからかしら、それとも白ちゃんと一緒だったから無意識のうちに長く眠りたくなったのかしら?」


「もしかしたら、寝ながらわたしを抱きしめるのに体力を使って、そのぶんの回復に時間がかかったのかも。」


「あら、無意識のうちに抱きしめちゃってたのね。

ごめんね、眠りにくかったでしょう?」


「えるふは、必要がない時は呼吸しなくてもへいき。

だから、だきしめられたままでもねむれる。」


「無理はしないでね。

つらい時には起こしても大丈夫だからね。」


「らー。わかったー。

でも、目が覚めてひまなときとかは脱出してたからだいじょーぶだよ。

よるのあいだに、あさごはんのじゅんびしてたー。

ざいりょーがそろわなかったから、あんまりうまくはいかなかったけど。

まほーの練習にもなるし、つくってみた。」


「朝ごはん作ってくれたの?ありがとう。

それじゃ、はやてちゃんを起こしてから一緒に食べましょうか。」


「らー。そうしよー。」


「おはよー・・・」


「み?おこすまえにおきてた。

はーたん、おあよー。ねむそうだね。

おきたばっかりだから、しかたないのかな。」


「うん、眠いよー。

なんか、仕事に行かなくちゃいけないっていうのがなくなると、もうちょっと寝ててもいいんじゃないかな、っていう気持ちが出てきちゃうみたい。」


「むー。そういうこともあるんだね。

あさごはんのパン焼いてたけど、もういっかいねなおすんだったら起きたころにまた焼くほうがいい?」


「あ、白ちゃんが焼いてくれたの?ありがとー。

食べれば目が覚めるかも。」


「ちょっとまってね。アイテムボックスから、食器出す。

むー。たしか、魔銀の皿がいくつか残ってたはず・・・。

にゃー。あったよ。ならべるね。」


「あら、食器作りもするようになったの?」


「らー。

魔銀、まだまだ残ってるから、いろいろ使ってみてる。」


「白ちゃんの場合は、一度作ったものを再加工、とかいうことを簡単にできるみたいだから、材料が無くなることはなさそうだねぇ。」


「むー。そうかも。

それじゃ、パン取り分けるね。

熱の調整がうまくいかなかったから、少し硬くなっちゃったかも。」


「大丈夫大丈夫、硬くなったくらいだったら平気で食べるし、見た感じ硬くなさそうだよ。おいしそう。

パンの形が薄いのは、もともとこういう形なんだよね?」


「らー。もともとそんなかんじ。

パンとぶどうと塩とワインしか使ってないから、ふくらむよーな材料ははいってない。

水のかわりにワインをいれた。

練りこんだ干しブドウと、味の相性もいいはず。」


「ああ、この色はワインの色だったわけだ。

なんか変わった色のパンだなぁとは思ってた。

それじゃ、そろそろ食べようか。おなかすいたし。」


「らー。」


・・・・


「白ちゃん、このパンすごくおいしいねぇ。

なんかこう、満たされる―、って感じ。元気が出そう。

ワインが入ってるからなのかなぁ。この感覚は。」


「にゃー。

ざいりょーを少しだけ品種改良したから、食べると元気が出るかも。

体と魂のどうちょうりつを少し上げる効果があるから、あしたくらいまでにはHPが少し上がると思う。」


「品種改良・・・って、一晩でできるもんなんだ・・・。すごいね。」


「明日くらいまで効果があるのね。

以前図書館の食堂で食べたケーキより効果が長く続くのね。やっぱり白ちゃんの魔力だと効き目も高いということなのかしら?」


「み?

効果が出るまで時間かかるけど、効果はずっとだよ?

たいりょくとかからHPに換算するときの修正値を上げる、たいしつかいぜん。」


「え・・・?

ずっと、って、上げられるもんなの?

レベルアップみたいな感じってことだよね?」


「らー。

それなりに高いらんくの食材を使って作った料理は、体質改善とかの永続効果があるものもある。

さっきのパンは、HPがちょっとだけ上がる体質改善。

たくさん食べれば効果が増える、とかいうこともないから、もっと上げたければいまのより格上の使う必要がある。」


「ちょっとだけ、だとしたって、HPが上がるってのはすごい効果だよ!?

なんか強いのに襲われた時とか、HPがちょっとでも高いほうが生き残る可能性は高くなるはずだし。

朝ごはんでパン焼いた、っていうセリフで出てくる程度の物じゃないよね、これ。」


「むー。

いろいろかんがえて、ごーりてきに作れる範囲で一番良いものを作るのは、間違ってないと思う。」


「いや、責めてるわけじゃないんだけどね。

なんかこう、白ちゃんの行動にも少し慣れてきたかな、と思ってたけど、やっぱりびっくりするもんだなーって思った。

そーいえば、みやっちはあんまり驚いた感じじゃないね。」


「ミスリルの加工を素手でできる、とかいう時点で、私が難しさを想像できる領域は超えてるのよね。

だから、いまさら驚くこともあまりないかな、と思っているわ。

白ちゃんの手作り、という言葉で、想像以上のものが出てくるのは予想ができたしね。」


「ああ、その時点で予測できたってことかー。

まあたしかに、気にしても仕方ないってことなのはたしかだしねぇ。

あ、そーいえばさ。

白ちゃんもこれ食べたわけだから、HP増えるんだよね。

体力無いって言ってたし、これの効果ですごく変わってくるのかな?」


「み?

わたしのばあい、たぶん気づかないくらいの変化しかない、かな。

この体、同調率は人間の人よりすごく高い。

もともとの性能が、生きるのに向いてないくらいだから、倍増してこの程度、っていうことだと思う。

今回のパンの効果がないわけじゃないけど、たぶんほとんどない。」


「ああ、エルフだから人間よりは強いってこと・・・。

って、白ちゃんの最初の状態で強化済みだったってことになるんだよね。

人間と同じくらいの「同調率」だったらどうなってたんだろう?」


「むー。

生きてはいけないんじゃないかな。

たぶん呼吸する体力もないだろうし。

おなかいっぱい。もうたべれない。」


「ごちそうさまー。

パンおいしかったよ。ありがとねー。」


「ごちそうさま。ありがとう。」


「それじゃ、またねるね。おやすー。」


「おやすみー。」


「おつかれさま、おやすみなさい。」

 パン屑+加工用ブドウ+赤ワイン+品質が悪い塩→いろいろ加工→無発酵パン『アムブロシア』(HP変換率上昇・永続)

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