さかばでごはん
>酒場『ドワーフの酒蔵』前。
「むー。てんいんさんは今日は違う人だった。
とりあえず、奥の席に行ってみることにするー。
たぶんあのひといるし。」
「あの人?
お客さんに誰か知り合いがいるのかな。」
「み?やっぱりいたね。
まりあさん、おひさしぶりー。」
「シロちゃんお久しぶり~!
撫でていい?ハグしていい?」
「しながらきかれても、こまる、かな?」
「白ちゃんのお友達かな?はじめまして~。はやてです。
まあ友達じゃなくていきなり抱きつく人はふつういないだろーけど。」
「友達でも普通は抱きつかないと思うわ。
はじめまして。みやです。」
「あ、はじめまして~。
私、『ワイン魔人』のマリアです~。」
「み?わいんまじん、になったんだね。」
「うん、そういう称号ついてたから、そう名乗ることにしたの。
種族名名乗るよりは無難だし、こう名乗っておけばワインいくら飲んでも怪しまれなそうだしね。」
「にゃー。そうだね。
せっかくだから、おくの個室にいっておはなししようか。」
「うん、それがよさそうね。
聞かれたら困る話もお互いありそうだし。」
・・・・
「そんなわけで、こしつでのみかいー。
ちゅーもん、なににしようか。」
「あ、百花蜜の蜂蜜酒あるみたいだね。
とりあえずこれにしてみるよ。みやっちも同じのでいい?」
「ええ。同じものでお願いするわ。」
「わたしはさっきまで飲んでた樽ワインの残りを飲むことにするわね。安いし。」
「わたしは、なんにしよーかな。
むー。
おつまみセット、かな。」
「ところで、お二人とは初対面よね?
紹介してもらってもいいかしら?
あ、まずわたしから自己紹介するわね。
わたしはマリア。称号『ワイン魔人』を持ってる。種族はたぶん吸血鬼。
シロちゃんに命を助けてもらった、吸血鬼に命があるかどうかはわからないけどね。
血の代わりに赤ワインで体力維持してるから、血は飲んだこともないし、飲むつもりもない。
そんな感じよ。」
「吸血鬼なんだ、初めて見たなぁ。
あたしは「はやて」、なんかいろいろあって、白ちゃんの姉?みたいなことになってる。
種族は人間、どっちかというと足が速いかな、っていうくらいで普通の人間だね。
よろしくー。」
「私は「みや」です。同じく白ちゃんの姉みたいな関係になっています。
種族は人間、少し筋力が強めかもしれない程度ですね。
よろしくおねがいします。」
「いやいや、人間って、ご冗談を。
って、言っていいのかしら?
でも、どう考えても普通の人間じゃないわよね?」
「み?そーなの?」
「そうなの?ってあたしが言うのもなんだけど。
どんな感じに見えてるのか、気になる。」
「まず、今のわたしには、血液を流れる『気』みたいなものが少しだけ見えるようになっているみたいなの。
吸血鬼としての固有能力のようね。
それ以外は人並み、いえ、ゾンビ並みなんだけどね。能力。
その目で見ると、みやさんとはやてさんは、服と体に両方とも完全な形での循環が成立してるように見えるわ。
服にも血管が通ってるような気の流れをしてる。服も体の一部として利用できるってことね。
そして、その気の総量が、普通の人間の枠は超えてる、と思うわ。」
「ほほう。つまり、『人間に化けてる』ようにみえてるわけだ。」
「簡単に言うとそうなるわ。
まず能力以前の問題として、吸血鬼と名乗って全く動揺しない『人間』なんてほとんど存在しないでしょうし。
そんなわけで、私には『人間のふりをしている』か、『かつて人間だった』ような存在に見えるわ。」
「・・・まあそのへんは、白ちゃんに出会った後だから感覚がマヒしてるってだけかも。」
「私も、多少のことでは驚かなくなっていると思うわ。」
「なるほど、そういう理由もあるのね。
まあとりあえず、二人の正体がなにかは気にしないことにするわね。」
「らー。そうしてくれるとうれしい、かな。
とりあえず、たべよう、おなかすいた。」
「そーだね。ごめんね話長くて。
私もワインの残り飲むことにするよ。
あ、そろそろ2本目頼んでおかないと。」
「この樽を2樽も飲むんだ・・・
ワイン魔人って名前にも納得だね。」
・・・・
「ところで、シロちゃんは今回なにしに来たのかって、聞いていいかしら?」
「かんこう?
ごはんたべにきた。」
「お酒がおいしいと聞いて来たんだよね。
話に聞いてた通りおいしい。お酒も料理も。」
「えーっと、観光って言っても、この町は珍しいものはあんまりないと思うわよ?
ワインが安いのと、大きなブドウの木がはえてるくらい?
ブドウの木がはえてる町は珍しくもないみたいだから、観光するようなところじゃないかもしれないわね。
実は自由に取っていいらしいわよ。私は興味ないけど。」
「ぶどう、たべたい。
いってみるね。ありがとー。」
「ありがとうございました。失礼します。」
「ありがとねー。それじゃっ。」
「どういたしまして~。」