表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
297/446

まだからいのはにがて。

「このへんに置いてあったはず…あった。

保存食料のクッキー缶です。未開封なので毒などを混入する方法はない、と思います。

缶ごと差し上げますね。」


「ありがとー。

そういう言い方されると調べにくくなる感じ?

でもしらべるけど。『解析』。

にゃー。からいのははいってなさそうだね。

たべていいんだよね?いただきまーす。」


「辛いかどうかを調べたんですか??」


「らー。そーだよ。

からいの、にがて。

毒とか薬だったらある程度対策はできてるけど、からいのはまだ弱点。

缶開けるまほーは何にしようかなー。

あれでいいか。

『無刀・空間斬』。これでよし。」


「うわ、缶がきれいに縦真っ二つに・・・。」


「ぴ?

なかみこぼれる、『魔力付与・重力からの解放(浮き上がれ)』。

これでなんとか、おちついた。

横に斬ったほうがよかったかも。

狙いがまだうまくいかないね。

でもこれで、たべれるよーになった。

・・・おいしい。

缶詰の保存性、そしてこの味。食料としての品質。

このあたりの職人の技術では作れないとまでは言いきれないけど、かなり不可能に近いような気がするね。

このへんの技術では、回復量と味と保存性は、どれかを犠牲にするものになっている。

缶の形もかなり不自然なものになっているし。

おやつに食べる程度の物ではなかったんじゃないかなと思う。

開けちゃったあとは保存性良くないだろうから、残りは食べるしかないけどね。」


「えっと、私たち『×××××(プレイヤー)』はみんないくつか持っているものでした。

どうやって作るのか、作れるのかはわかりませんが。」


「み?

どーやって作るのかわからないけど持ってる、っていうことは、いま目指してる場所で作ってる、とかなのかな?

この品質のものが作れる技術があるのなら、かなり高い加工技術を持ってるんだろうし、それなら服装とか防具とかそっちのほうの技術も進歩してるはずだからその装備はおかしいし。」


「えっと、まあある意味、目指してる場所で作れる、とも言います。

 目指してる場所の奥の『迷宮』の奥から行けるところに『故郷』があって、その『故郷』は缶詰とか普段から使えるくらいの技術は持っています。」


「み?

 そんな技術がある場所があるんだ?

 いろんな本読んでるけど、そういう場所には心当たりないなぁ。」


「えーっと。

 あるといっていいのか無いといっていいのか、ちょっと説明しにくい場所にあります。」


「むー。

 転移系の技じゃないといけない、とかなのかな?」


「たぶんそんな感じ、かもしれません。

 とりあえず、その迷宮の一番奥まで行けないと、私たち『×××××(プレイヤー)』は故郷に帰れない、とだけ言われてます。」


「帰るための手がかりを探してたんだね。

 大規模な迷子か。たいへんだねー。

 本にはそーいうのの情報は書いてなさそうだしね。

 まずもとの場所の手掛かりを探さなくちゃいけない、でもその手掛かりになる場所がわからないから、その手掛かりを探すための手掛かりが必要ってことか。

 ながいはなしになりそうー。

 それじゃ、クッキーのお礼ってことで、私がクッキー食べてるあいだ、簡単な質問なら銀貨無しで答えるよ。

 おなかいっぱいになったらおわり。

 すぐたべおわるとおもうから、しつもんするならはやめにね。」


「それじゃ質問させてもらいますね。

 ここ2週間ぐらいの間に、新しい称号を手に入れた人を知っていますか?」


「み?

 にしゅーかんまえ、っていうと十二日前だね。

 私もいくつか称号増えたし、ほかの人も増えた人いるよ。

 次の質問どうぞ―。」


「追加された称号の中に、『×××××××(ランキング称号)」というものはありましたか?

 なにかの順位で称号がつくものです。」


「むー。

 その質問に対する答えは考えてなかったね。

 とりあえず、『私』か『私が知っている人間の人』のなかに、順位が関係する称号を持っている者がいる、とだけ言っておくよ。

 称号については今回はこれ以上は話せない。これいじょうしゃべると能力とか教えることになっちゃうし。

 つぎどうぞー。」


「えっと。

 探している場所について、現地の人に聞いても答えてもらえない場合、どんな原因が考えられると思いますか?」


「むー。

 相手がその場所について知らない、その場所について知っているということを知らない、答える意思がない、答える能力が無い。答えてるのに返事を認識できてない。相手が質問を正しく認識できていない。質問のしかたが間違っている。そのくらいかな?

 次どうぞ―。」


「えーっと。

 かなり無理がある質問だとは思いますが、その『答えてもらえない状態』から、どうにか答えを手に入れる方法を考えるとしたら、どういった方法があると考えられますか?」


「むー。

 固有名詞が通じないなら、その固有名詞は出さないほうがいいかも?

 あと、場所についての質問は、普通に聞いたら、相手が協力的な場合でも『聞いた相手が、自分が間違いなく知ってると思っている範囲で、知られても問題ないと思っている程度』の答えしか出てこないと思うよ。

 たぶんあっちのほうじゃないかな?っていうくらいの知識しか持ってない場合、ほとんどの人間の人は『知らない』っていう。安全だという確信(思い込み)ができてないことも『知らない』っていうだろうね。

 そこから聞き出すんだったら、たぶんあっちじゃないかな、っていうくらいの答えでも言いやすいような聞き方を考えればいいんじゃないかな?」

 

「たぶん、くらいの情報でも話しやすい聞き方、ですか。

 仲間と相談して考えてみますね。」


「それがいいんじゃないかな。

 ごちそうさま。おいしかった。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ