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ひーらーごっこ。

少女が下着姿でベッドに座っている。

正面には白い服を着た幼女がいる。


二人の体格だけを見ると、幼児の『ヒーラーごっこ』に付き合っている少女、という感じなのだが・・・。

表情を見ると、二人とも真剣な表情をしていて、ただの『遊び』ではないことがわかる。


「それじゃ、つぎは右手をつよくにぎって、ひらく。なんかいかくりかえしてね。」


「こんな感じでいい?」


「らー。そんなかんじー。

 次は、うでを後ろで組んでね。腰のあたりで。」


「こうね?」


「らー。そんなかんじ。

 状態確認終わり、服着ていいよー。」


(ごそごそ)

「それで、どんな状態だったの?

 完全に呪いは解けてるのよね?」


「らー。呪い解けたのは前回のでわかってる。

 今回は、後遺症とかいろいろしらべた。

 体内の気の流れはかなりよくなってる。想定してたのよりいい感じ。

 でも、精神と体力が削られたのは治ってないから、かなり疲れやすい体質になってるはず。

 頼まれたぶんのしんさつとちりょーはこれでおわり。しつもんあるならいまならきくよー。」


「疲れやすいくらいだったら、あの激痛にくらべれば問題ないわね。本当にありがとう。

 後遺症はほかには出ないのかな?」

 

「むー。ありがとーは何回も聞いたから、言わないでいい。

 その言葉を頭の中で翻訳するのに無駄に体力使って眠くなるの速くなる。

 後遺症の説明。情報画面でHPバーを見るとわかると思うけど、いまのテトラさんのHPにはむらさきのぶぶんあるよね。

 全体を100とすると27くらいむらさきでそまってる。

 そのぶんは、後遺症でふつーには回復しない。

 回復するときでも73までしかかいふくできない。。

 人間の人は50よりすくなくなるとじゅーしょーな状態になる。つかれてふらふらとかいたくてうごけないとか。

 つまり、実質HPが23、のろいにかかるまえの半分くらいってことになると思う。

 疲労もしやすくなるし気絶もしやすくなる、たぶん睡眠も小刻みに取らないとだめかも。

 自覚症状よりも実際弱ってると思うから、しばらくは無理しないで行動したほうがいい。」


「うん、無理はしないように気を付けるわね。」


「にゃー。それがいいとおもう。」


「ところで、治療のお礼って、ほんとにあの本だけでよかったの?

 お金とか素材とかそんなにあるわけじゃないから、出せるものは多くはないけど、少しなら追加できると思うよ。」


「むー。治療は本4冊かりるってじょーけんで引き受けたし、借りたから、ほーしゅーはちゃんともらってるよ。

 本の内容も予想以上にじゅうじつしてたし。

 お金も当分困らないくらいはあるから、なにか追加してくれるなら、甘いものが良いな。」


「甘いもの、なにかあったかな。

 えっと、保存食のビスケットとタンジェのジャムならあるけど、これでいい?」


「にゃー。たべたいー。たんじぇジャムおいしいよね。」


・・・・


「おまたせー。カルフェミルクもできたわ。どうぞ。」


「ありがとー。

 びすけっとはかたそうだね。保存食だから当たり前だけど。」


「ビスケットだから仕方ない、かな。

 ごめんね、クッキーとかあればよかったんだけど。」


「あんまりたべたことないから、それはそれでたのしみ。

 のみものさめるまで、すこしきゅーけい。

 そーいえば、てとらさんに聞きたいことあった。聞いていい?」


「うん、なんでもどうぞ。」


「それじゃ、いくつか質問するね。

 『呪いについて書いてある本』を4冊見せてもらったけど、『たいしたことは書いてなかった』ってこと言ってたよね。

 自分で読めたってことでいいのかな?」


「あ、うん、それは自分で読めたわ。

 読んでみて、役に立ちそうなことは書いてないな、と思った。」


「あの4冊、読むの難しかった?」


「その中だと一冊だけ、少し難しかったわ。

 あまり使われない表現が多かったと思う。」


「1冊だけ、ということは、『呪術と暗器の歴史』のことかな?」


「うん、それのこと。」


「どのくらい難しかった?

 他の本で単語の意味調べないとだめなくらい?」


「だいたいこんな意味だろうなっていうくらいには読めるけど、一字一句間違いなくわかるとまではいかないっていうくらいね。」


「それ読んだのは呪われたあと?」


「うん、呪われた後よ。」


「むー。ということは、自分の呪いを解くためにがんばって奇跡的に読めたのか、ふつーにそのへんが限界か、だね。

 普通に読んだんだとしたら、現代文の難しいのまではいけるってかんじかな。

 呪われる前って、どのくらい本読んでた?」


「えっと、毎日少しだけ読んでたわ。1冊読むのに何日かかかるくらいゆっくり。」


「だいたいわかった、ありがとー。

 そろそろのみものさめたみたいだから、びすけっとたべながらのむね。」

 

「うん、どうぞ。」

 

(がりがり)

「びすけっとかたい、けど、じゃむつけるとおいしいね。」


「おいしいわねー。」

本の解読がある程度できる『テトラ』が、頼めば協力してくれる状態になった!

・・・現状ほぼ意味はない。


状態確認に下着になる必要は無かったりします。下着姿でも問題ないから言ってないだけ。


用語説明

タンジェ→ミカンのようなもの

ビスケット→塩味が強い、固焼きのビスケット。カンパンみたいなあつかい。あんまりおいしいものではない。

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