へんなすきるもたくさんあります。
「白ちゃん、ただいまー。」
「ただいま。」
・・・・
(ごろごろごろごろ)
「うん、なんか熟睡したまま転がってるみたいだね。
寝がえりなのかな?これは?」
(ぺたん)
「あ、止まった。」
「むにゅ?」
「白ちゃん、おはよう。」
「おあよー。ひるだけど。」
「おはよー。よく眠れた?」
「むー。ねむれたとはおもうけど、ものすごく体が疲れてる感じ。
あるきすぎたのかな?」
「たぶん寝返りで疲れただけなんじゃないかしら?
ものすごい勢いで寝返りしてたわよ。」
「そーかも。
こんど、寝返り防止の魔法かけておこうかな。全身つかれてる。
試作品のポーション飲んでおくね。」
(ごくごく)
「寝返りの回復にポーション使えるってのもすごいねぇ。」
「そうね。
ポーション職人さんは失敗作は自分で飲んだりもするらしいけど、寝返りのダメージを回復するために使うというのは聞いたことないわ。」
「味は飲んでみないとわからないから、のんでみた。
新作の「アプフェルポーション」、甘くておいしかった。」
「えっと、まあ確かにおいしいほうがいい、のかしら?」
「まずいかおいしいかだったらおいしいほーが良いんだろーけど、ポーションにまで味付けなくていいんじゃないかなー。
まずくたって飲むしかないわけだし。ひどいときには。」
「むー。でも、ポーション練習でたくさん作らなくちゃいけない。
だから、ふつーの飲み物としても使えるこのポーションは、普段も使えて便利と思った。」
「そーなんだ。
まあおいしくて効き目もあるなら問題はないんだろーけどね。」
「にゃー。もんだいなし。
疲れも回復してきたよ。」
「おお、効くの速いんだねー。」
「そーだねー。
みーたんとはーたん、きょうはお昼から休み?」
「そうね。5の曜日だから今日のぶんの仕事は終わったわ。
お昼から何しましょうか。」
「それじゃ、おはなししたいー。」
「そうしましょうか。」
「むー。なんのはなししよーか?
ききたいこととかある?」
「それじゃ、呪いかかってた人の治療がどうなったか聞いてもいいかしら?」
「あの人の呪いはなおったー。
犯人が誰かわかってないから、また呪われるかもしれないけどね。」
「ああ、そういえば犯人がいることになるのね。」
「らー。たぶんいる。
偶然拾ったもので呪われるとかもありえないわけじゃないけど、あのくらいの呪いをかけられる道具が偶然落ちてる、というのも不自然。
呪いをかけられる人に出会うのもかなり不自然なんだけど、偶然落ちてたっていうのよりはありそうかな。」
「どっちにしろ不自然だけど、どっちかというと「犯人がいる」が自然なわけね。」
「らー。そんな感じ。
でも、犯人がいるとしたら、様子を見に来てないのも不自然。
道具を作るのもかなりのコストがかかるわけだから、普通だったら「恨みがある」とか「人体実験」とか、自分の目的とか利益が無ければやらないんじゃないかな、って思う。
恨みだとしたらもう一回来る可能性が高いけど、人体実験なら解除されたところにまた来るよりほかの実験台さがしたほーがかんたん。
実験台として気に入られてるとかじゃなければ、もう一回来ることはないだろうと考えられるね。」
「うーむ。
でもそれ言い出したら、白ちゃんが今回薬提供したのだって、『自分の利益』はあんまりないんじゃない?」
「むー。そーいわれてみればそうかも。
ということは、ほんとの通りすがりに呪われたって可能性も出てくるね。
通りすがりでそのまま忘れられてるんだったらいいんだけど、どーだろうね。」
「どうだろうねぇ。
呪いかける人の考え方なんてわからないしわかりたくないよ。」
「むー。かんがえはそれぞれだろうしね。
呪いかけてくる『かもしれない』人の対処法、なんてのが本に載ってるわけでもないし。
いっそのこと呪いをかけに来てくれれば迎撃しながら情報集めできるんだけどね。他の方法の襲撃に比べれば対処はしやすいし。」
「ああ、白ちゃんの場合、呪いを防御するくらいは余裕な感じ?」
「呪いもいろいろ、だけど、単純な攻撃よりは防御しやすい、かな。
事前にかけておくしゅるいの物理防御のまほーは、どの程度の条件で発動するのかの設定が難しい。
でも相手が呪いなら、ある程度の魔法防御固めてれば、呪いもかけにくくなるし、呪いをかけられたとしても経路は予想できるようになるし対処もしやすくなる。
今回のひがいしゃのひとのばあい、かなり精神耐性が高いし今回ので呪い耐性もすこしだけついた感じだから、次も狙われるとしたら呪いだったらかなり被害軽減できるはず。
一番怖いのは物理攻撃での暗殺だけど、殺せばいいだけの相手にあのレベルの呪いかけるっていうのも不自然だからそれも想定しないでいいと思う。
だから、現時点では気にしてもしかたない、かな。」
「なるほどー。
簡単に言うと、「もう一回呪いかけようとすればかけられるけど、たぶん来ない」ってことなわけだ。」
「らー。そんな感じ。
でもとりあえず、同じ呪いがまたかかったことを想定してポーションの練習もしたから、同じ呪いならかかったとしても今度は手早く治せるかな。」
「そういえば、白ちゃんの作ったポーションでも2週間くらい治るのにかかったのよね。
普通のポーションだったらどのくらいかかったのかしら・・・?」
「Bランクのポーションに制約いろいろ付けたポーションを水代わりに飲んで10日間くらいかかったね。
たぶん、くすりにかんれんしそうなスキルが300程度あれば、あのくらいのポーションなら作れる可能性はあると思うよ。
調合方法をアレンジするのがちょっと難しいかもしれないし、効き目が悪い物もかなりの割合でできちゃうだろうけど。
だから、スキル300の人が全力で協力すれば早くて1か月、長ければ何か月か何年か、かな。」
「え、300??」
「らー。300くらいでも可能性はゼロではない。
Bをつくれる可能性があるのが200くらいからで、それにさらに加工くわえられるのが300くらい?」
「と、いうことは、白ちゃんのスキルは300『程度』ではない、のよね。」
「らー。いま600ちょっとかな?
同じ薬が、錬金調合でも性能安定して作れるようになったっていうくらい。」
「600、ってめちゃくちゃ高いね。まあそーでないとAランクのポーションなんか作れないんだろーけどさ。」
「むー。Aならたぶん400前後で作れるようになるとおもうよ?
600ちょーどの人間の人で特殊なスキルが無ければ、ある程度の素材と機材があれば、たぶんSランクのぽーしょんが低確率で作れる、くらい?
いまのわたしだと10個作って7個成功するくらい、かな?ビンの材料がそんなに量が無いからあんまり作れてないけど。」
「低確率、でも半分以上成功しちゃうんだ・・・。
みやっちに聞いたことあると思うけど、人間に現状作れるのはBまでらしいよ。ポーション。」
「それはきいたことあるー。」
「ついでに言うと、人間のスキルって、200超えればそれなりに高い部類らしいんだよね。
300越えてたら町で一番の達人とかそーいうレベルだったりするかも、ってくらい?
200から300までがとんでもなく遠いらしいけどね。」
「み?
そんなものなの?」
「うん、そのくらいらしいよ。
たとえばあたしの場合だと、共通語は250くらいあるけど、そのほかだと白ちゃんに教えてもらった魔力認識が200ちょっと、そのほかは書籍解読と司書戦闘術が100越えたばっかり。あとは合気道とか格闘術とかいくつかが50越えてるくらい。
まあ共通語は人間なら200は超えてるのが当たり前らしいから、本読んでる分少し上がった、って程度じゃないかな。
共通語は他のスキルとはかなり基準が違うと思うよ。」
「むー。そういわれてみれば、そうかも?
わたしでも共通語200はこえたし、人間の人は200よりしたはあんまりいなそうだね。」
「ん、そうみたいだね。
まあそんな感じで、共通語のスキルは他のスキルと難しさが全然違うってことだねー。」
「むー。たしかに、すごくあがりにくいみたいだね。共通語。」
「ああ、白ちゃんの場合は共通語を自力で覚えたから、上がりにくいほうになるのか。
あたしがエルフの言葉覚える、って言ってるようなものだもんね。そりゃきついわ。」
「らー。むずかしい。
ほかのすきるなら、たぶん一日くらいあれば200まで行けそーだから。」
「え、って、200まで1日でいけちゃうの?」
「らー。
いまのじてんで、図書館の本にある程度以上情報があるスキルは、だいたい50から100程度のスキルレベルで習得してある。
使用条件とかで使えない物とか、苦手な物は無理だけど、それ以外の場合だと200まで上げるのに魔法系のスキルなら長くて3刻くらい、物理なら道具を準備する時間を別にしてたぶん1日くらい必要。」
「図書館に情報があるスキルは覚えてる、って、全部?」
「らー。ある程度以上の記述があれば、その本の内容を覚えるだけでスキル習得したことになるみたい。かんたん。
だから、みんな知ってるくらいのスキルはだいたい覚えてある。実際やってみないとスキルレベルは低いままだけどね。」
「たとえば、『毒物作成』とかも?」
「らー。薬品調合スキルと統合しちゃったけど、習得はしてる。」
「『聖剣術』とかも?」
「らー。聖剣、または祝福かけた剣が無いと使えないスキルだけど、スキルだけは持ってる。
祝福もつかえるから、一時的になら聖剣みたいなものを作ることもできる。だから役に立たないと決まったわけでは無いってくらいかな?」
「『あぶないおどり』はさすがにできない、よね?」
「むー。おどりかたの情報はおぼえてるしスキルも習得してるから、おどりじたいはできなくはないとおもう。けど、わたしの体見て興奮する人いたらかなりのへんなひとなんじゃないかな?
だから、かたちだけマネできても本来の効果はでないだろうね。」
「ああ、まあたしかに効果あったら逆に怖いよね。」
「無理に使おうとするなら、びっくりさせる目的ならありかもしれないね。
予想外のことをされるとびっくりするだろうし。」
「そーかも。でも、実際使うことは考えなくていいと思うよ。
白ちゃんならふつーの魔法のほうが強いんだろうし。」
「そーだね。」
「でも、200まで一日ってすごいねぇ。
200って言ったら、誰かに教える立場になってもおかしくないくらいだよ。」
「み?そーなの?
魔法系のスキルだったらいくつか魔法を自作すればそのくらいはいくはずだけど。」
「いや、魔法を自作、って普通はできないからね?」
「むー。
呪文とかは言葉を組み合わせて文章を作るだけだし、そんなに難しくはないんじゃないかな。
目的に合ったパーツを組み合わせて、あと必要魔力とかいろいろ計算して書き込む要素の数を加減してやればそれなりにはつくれるはずー。」
「えっとね。
たぶん、人間の『魔法使い』ってのは、ほとんどが魔法の文字の理解はしてないと思うよ。
『魔導書』とかで最低限の呪文情報だけ『刷り込まれてる』か、聞いて音として再現してるだけだったりするはずだし。」
「み?
呪文の意味、分からずに使ってる?」
「そーいうこと。
これ使うと火が出た。だからもう一回使えばまた火が出るだろうなーっていう程度の認識だと思う。
そこから何回か試してみて威力とか気力消費とかを確かめていく感じ?」
「むー。それは、すごくあぶないんじゃないかな。
もし変な魔法使って魔力切れになったりすると、いろいろと弱点が出てきちゃうことになるし。
魔力以外の代償を必要とする魔法もあるしね。
自分の魔力量とかをある程度認識したうえで、呪文のコストも調べてから使うべきだと思うー。」
「まぁそうなんだろーけど、そこまで求めるとほとんどの人が魔法を使えなくなるんじゃないかなー。」
「むー。読めない人のほうが多いなら、仕方ない、のかな?」
「うん、そーだと思うよー。
・・・そーいえばさ。こーいう会話って、楽しい?」
「み?」
「いやさ、あたしらは、白ちゃんにいろいろ説明してもらうのは勉強になるし楽しいんだけど。
白ちゃんのほーはどうなのかなー、って思った。」
「たのしいよ?
話す内容によって返事が変わる。すごく楽しい。」
「話す内容によって返事が変わる、って、普通よね?」
「普通だよねぇ。」
「むー。
わたしがいた場所、決まった言葉にしか反応しない人間、たくさんいた。
たぶんゴーレムとかのほうが話し上手なんじゃないかと思う。」
「いや、ゴーレムは普通はなしはしないんじゃないかなー。
あんまり詳しくないから、話し上手なゴーレムがいないとも言い切れないけどさ。」
「ゴーレムと比べたくなるような人が多かった、のね・・・。」
「らー。そんな感じ。
だから、ちゃんとした会話が成り立つってだけで、すごくたのしい。
これからも、ひまなときおはなししてね。」
「うん、ヒマじゃなくても大丈夫だよー。
仕事中だってお客さんが来たら会話していいわけだし、お客としてお話ししに来てくれれば話はできるし。」
「そうね。いつでも大丈夫よ。
あ、眠ってるときはさすがに無理だけどね。」
「にゃー。それじゃ、今度また起きてるときにおはなししよーね。」
「うん。そーしよう。」
「そうしましょう。」
白ちゃんの現在のスキル
『下位古代語』(L477)
『上位古代語』(L176)
『遺失言語』(L160)
『共通語』(L206)
『少数言語』(L173)
『魔力制御』(L830)
『魔力認識』(L850)
『魔法陣作成』(L450)
『薬品調合』(L649)
『錬金術』(L620)
『魔法鍛冶』(L470)
『装飾品作成』(L330)
『魔力付与』(L531)
『手芸』(L205)
『洗脳術』(L201)
『司書術』(L253)
『解析』(L354)
『捕縛術』(L201)
『龍闘技』(L233)
『念動力』(L203)
『精霊魔法』(L430)
『炎魔法』(L251)
『空間魔法』(L472)
『交神』(L300)
『応急手当』(L520)
『舞装』(L201)
その他たくさんあるらしい。