しつよりりょうさくせん。
「ただいまー。」
「ただいま。」
「みーたん、はーたん、おかぁいー。」
「今日は呪われてた人にポーション持って行ったんだよね?
どうだった?呪い解けた?」
「むー。そうていしてたよりのろいが少し強かった、または薬が効きにくい体質?
一日1本飲むよーに痛み止めポーション作っていったけど、一日4本飲むようにって渡してきた。」
「え、出発前に廃人一歩手前って言ってたわよね。
それなのに、想定以上に呪いが強い、って、どんな状態なのかしら??」
「廃人になってないのが不思議、っていうくらい?
精神がある程度強いみたいだったけど、それだけでは説明できないくらいダメージを受けてない感じ。
宗教関係のデータは探らないように避けてたけど、なにかの祝福とか加護とかで被害軽減してるのかも。」
「廃人一歩手前、『で済んでるのが不思議』、ってレベル、なんだ・・・」
「らー。そんなかんじー。
だから、治すには、ちょっと制約が厳しいポーションが必要。
今日から、ちょっとずつ改良して作っていく。」
「治せはするのね。良かった。」
「らー。たぶんなおせるー。
今日持って行ったのはCランクの解呪ポーションで、痛いのを抑える効果はあるけど完治させるのには力が足りない。
それで、これが新しく作ってみたポーション。
Bランクの解呪ポーションに、『人間専用』『女性専用』『対象年齢7~13歳』『オーダーメイド』『遅効性』『大容量』『呪毒治療特化』『保存性低下』っていう制限をつけることで効力を上げたかんじ。
もっといい品質のガラスがあればもう少し最初の品質あげられるんだけど、今の材料ではこれが限界かな。解呪ポーションは普通のポーションより効力落ちやすいからビンも良いの必要。
材料作る時点でいろいろ儀式とかしながら作るという方法もあるけど、あんまり好きな方法じゃないし。リスク高すぎるし。」
「えーっと。
なんか、いろいろツッコミどころ満載だったような気がするけど、それって、ポーションに使うビンの大きさじゃないよね。
酒場のコップくらいの大きさはあるし。」
「らー。普通は使わない。
性能が足りないなら、量でなんとかすればいいってかんじのさくせん。
10歳前後でも、たぶんこれくらいなら飲めるよね。」
「うーん、たぶんいけるんじゃないかな?
ものすごく苦いとかじゃなければ。
でも、おなかいっぱいになっちゃいそうだね。」
「制約つける前の試作品をすこし飲んでみたけど、味は普通のポーションと同じような感じだったよ。
あんまりおいしいものではないけど、ひどいあじってわけでもない。
草の種類が少しだけ違うところと、途中で浄化を使ったりしてるだけだから。」
「うん、それなら飲めると思うよ。
それで、そのポーションならかなり効きそうな感じなんだね。
性能上がって量も増えてるなら、今日渡したのよりは相当強いんだろーし。」
「らー。毎日飲めば少しずつ呪いが弱まってくと思う。
これは痛み止めの効果はないから、今日渡したものと併用してもらう感じになるね。
今日渡したものだけ使った時の情報ももらわないと正確な効き目が調べられないから、あしたかあさってにこれはわたしてくるー。
どれがどのくらい効いたかわかれば量の調整とかで効率上げられるから。」
「Bランクのポーションをさらに性能あげたものでも、『毎日飲めば少しは効く』なのね。
それって、白ちゃん以外には絶対治せないって感じに聞こえちゃうわね。」
「むー。たぶん、その呪いかける時の道具とかの情報を集めてから、対抗術式を組んで、儀式魔法で解除するくらいの難しさ、かな。
ポーションで治すことは想定されてないと思うよ。
もしポーションを使って治すのが正しいなら、それ専用の材料を集めて作らなくちゃいけないようなポーションが必要になると思う。
わたしがこんかいやってるやりかたは、扉を開けるのに鍵が無いからたたいて開けよう、っていうくらいちからおし?」
「ああ、普通は鍵で開けるようになってるってことね。そのたとえだと。」
「らー。そんなかんじ。
だから、ふつーのひとにはあけにくい、で問題ない、はず?」
「そういわれると問題ないようにも思えるねぇ。
普通の人に簡単に開けられる鍵なら鍵を閉める意味がないし。
・・・ところでさ、10歳前後なの?その人。」
「らー。
私の解析では、たぶん9歳か10歳くらい?」
「そんなちっちゃくて、拷問みたいなのに耐えてたんだねぇ。」
「らー。拷問と処刑みたいなのにたえてたみたいだねー。」
「早く治るといいねぇ。」
「らー。そうだねー。
そろそろねるね、おやすー。」
「おやすみー。」
「おやすみ。」
ユンケルとかリポビタンDくらいの大きさだと思ってたら500MLのボトルみたいな大きさの薬ができてました、という感じです。
10本分の大きさにすれば10倍効く(予定)。