呪いの分析
「白ちゃん、ごはんできたよー。」
「にゃー。おなかすいたー。
でもみーたんまだ帰ってきてないね。」
「ああ、みやっちは体術と魔力操作の訓練で遅くなるから先に食べてて、って言ってたよ。
両方やると効率いいって白ちゃんが言ってた組み合わせだよね。」
「らー。そうだねー。
スキルに気力とかのコストがかかる場合、魔力操作の技術があると効率よくなるよ。
消費が少なくなるし、効果も高くなる。」
「すごくお得だね、それは。」
「むー。かならずしもそーでもない?
魔力操作の前に魔力認識もある程度鍛えないとだめだし、普通の人間の人だったらたぶん体術だけに集中したほうが速いし効率もいいかも。」
「ああ、あたしとみやっちは白ちゃんの特訓コースで一気に魔力認識上がったしね。
あれを自力でやってからだったらたしかにきついか。」
「たぶん、魔力操作をある程度できて魔力量もある人におそわらないと、おぼえにくいのかも。」
「なるほどー。つまり、あたしとみやっちはかなりラクして鍛えられるかもってことだね。全体的に。」
「らー。たぶんそうだと思うー。」
「いつもありがとねー。
とりあえず食べようか。おなかすいたし。」
「らー。たべるー。」
・・・・
「むー。おなかいっぱい。もーたべれない。」
(もぐもぐ)
「ほーいえあさ。」
「み?」
(ごっくん)
「そーいえばさ。
呪いかかった人がいるとか言ってたよね。あれはどーなったの?」
「むー。
かなり珍しい呪いかかってた。
不完全だけど不死身にしようとしていろいろやった結果変なことになった感じ?人体実験みたいだった。
とりあえず応急処置として家に充満してた呪力はこっそり浄化しておいたけど、廃人一歩手前ってところだったかな。」
「え、それって、めちゃくちゃ深刻な状態ってこと?」
「らー。
かなり精神力を削られてる状態だったから、あのまま放置してたらもうちょっとで再起不能になってたと思う。
弱いものだけど精神耐性の指輪を渡してきた。
あとは時々解呪のポーションをのんで呪いを弱めていけばなおる。
今の時点で削られた精神は戻らないけど、今ならまだぎりぎり大丈夫なはず。」
「白ちゃんのポーションでもぎりぎり、ってのは、普通ならもう手遅れ、って感じだよね・・・。」
「むー。呪いの種類の情報が充分にあれば市販の薬でもある程度手出しはできるかも。
でも、この街では呪いの研究する人に対して世間が厳しいみたいだから無理かもしれないね。
呪いに関連する本が第一書庫と第二書庫の蔵書にはほとんどなかったし。」
「あー。そのへんは教会がだいたい押さえてるんじゃないかな。たぶんだけど。
解呪は専門分野だって認識らしいからね。あっちからすると。」
「み?
正義と契約の神、の教会?」
「そうそう。
なんか知らないけど、呪いを解くのにこだわってる感じらしいよ。
寄付金ものすごい払わないとだめらしいからあたしらには関係ないけど。」
「解呪のポーションも強めなの作っておいたほうがいい?
たぶん今まで渡した装備でかなりつよいのも防げると思うけど。」
「うーん、今はいいかな。
なんかあったら白ちゃんが気付いてくれるでしょ?」
「らー。きづくとおもうー。」
「うん、ありがと。
それじゃ、みやっちが帰ってくるまでねてよーか。」
「らー。おやすー。」
「おやすみー。」