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化粧と洗脳

「むー。ごちそうさま。おいしかった。」


「ごちそーさまー。って、なんか不満そうな感じだね?おいしかったっていうわりには。」


「そうね。いつもより食べてる量も少ないみたいだし。食欲なかった?」


「この携帯食料、満腹度の回復量が大きすぎて、すぐおなかいっぱいになるかんじ。

 いろんな味があるのに、ぜんぶたべるまえにおなかいっぱい。」


「ああ、そういえば、そんなのもあったか。

 限界まで食べると、そこからはおいしく感じなくなるんだよね。」


「らー。ぼーけんしゃには便利なんだろうけどね、すぐおなかいっぱいになる食糧は。」


「そうだねー。

 そーいえばさ。

 もらった図書館の本って、どのくらい読み終わった?

 面白い本とかあったのかな?」


「ほとんど読んだ―。

 面白い本も多かったよ。あぶないのも多かったけど。」


「へー、って、危ないのも多かったんだー。」


「らー。いろいろあったよ。

 読んだ人に暗示をかけて考え方を操作誘導する目的の本が多めだったかな。

 精神操作の魔法と違って、そういうのはまほーで解除とかできるわけじゃないから、かなり対応が難しい。」


「そういうのは解除できないんだ?

 魔法も万能じゃないんだねー。」


「魔法でも考え方をある程度いじることはできるよ?

 でも、文章で思考を誘導されたのを強引に戻すっていうのは、あんまり使いたくはない。

 まほーでいじられたのと違って、「元の状態」がわからないから、それを魔法で治すっていうのは「もとの状態の想像図」に戻すってことになっちゃうし。

 洗脳されたのを、別の種類の洗脳で上書きしてるだけ。自己満足にしかならないと思う。

 よのなか、むずかしいことがおおいね。」


「使えない、じゃなくて使いたくはない、っていうことは、その気になればできちゃうのね、洗脳・・・。」


「らー。

 洗脳って言っても、やってることは普通の人とあんまり変わらないよ。

 たとえば、普通の人が、化粧して自分に対する印象を良くしようとするよね。

 暗示なら、それ専用の画像を見せて、なにかに対する印象を捻じ曲げる。

 洗脳なら、もっと直接的にいろいろやっていろいろする。

 ちょっとだけ手法が違うけど、やってることは大ざっぱには同じ。」


「・・・なるほど。

 言葉の響きは違うけど、『何かを見せて』『相手からの印象を変えようとする』という点では同じ、ということかしら?」


「らー。そんな感じ。

 洗脳はそっこーせいがあるけど、解除もされやすいって感じかな。

 ある程度経験ある人には、逆に『隠したいことがあるんだな』ってわかっちゃうし。

 長期的には、普通の化粧とかのほうが強力で怖いと思うよ。

 私が使えるのは、耳を見られた時にごまかす感じの印象操作とかかな。」


「あー、まあ白ちゃんの耳は見られたらまずいよね、確かに。

 銀髪まではセーフでも、エルフミミはまずい。」


「らー。だから、印象操作であんまり記憶に残らないような感じにしてるー。」


「あ、今の時点で操作してるんだ?」


「らー。してるよー。

 みーたんとはーたんになら見られても困らないけどね。」


「まあ二人は普通に知ってるしねぇ。」


「見ても問題ないわよね。」


「にゃー。そんなかんじ。

 そういえば、みーたんとはーたんに、すこしききたいことあったんだけど、きいていい?」


「うん、どうぞ?」


「なんでも聞いて良いわよ。」


「呪いかかった人がいて、それの解除頼まれるかもしれないんだけど、魔銀の指輪いくつかつかっていいかな?」


「白ちゃんの指輪なわけだから自由に使っていいんじゃないかなとは思うけど、すこし目立つよねぇ。あれは。」


「そうね。

 材質の時点でこのあたりでは手に入らない『魔銀』だし。

 でも、他の材質にしたところで白ちゃんの魔法で加工すれば目立つでしょうし、いまさらかしら。」


「いまさらだねぇ。

 相手に装備させて呪いを解くっていう方法なら気を付けて使わないと面倒なことになりそう。」


「いっぱいあるから、いっこくらいなくなってもこまらないけど。」


「いや、そーいう問題じゃなくて、加工技術のレベルとかが広まっちゃったら絶対面倒な話に巻き込まれそうな感じがする。」


「むー。

 鍛冶できるわけじゃないし、わたしの加工するのくらいたいしたことないと思う。」


「あの、最近調べた情報でも、魔鉄の武器が出回り始めたくらいで、魔銀の装備なんて出回ってないのよ?

 ドワーフが作った魔鉄の短剣がオークションに出るっていう噂が流れて騒ぎになったくらいなんだから。」


「み?

 そーなんだ。魔銀のほうが作りやすいとおもうけど。

 銀にてきとーに魔力入れてこねるだけでつくれるんだし。」


「いや、その『てきとーに』の量がみんな出せないから、加工できないのよ。

 あたしらも最近慣れてきて驚かなくなってはいるけど、白ちゃんが加工の時だしてる魔力量って、たぶん攻撃魔法に使えばこの図書館どころか街まで吹っ飛ばせるくらいなんじゃないかな?」


「むー。そんなに強くはないと思う。

 れんしゅうしたから、今までより少ない消費で作れるようになったし。」


「うーん、まあとりあえず話もどそーか。

 使うのが必要なら使ってもいいと思うけど、できればもうちょっと弱い材質で作っておいた方が目立たなくていいかなーと思うよ。

 まあ魔銀のが必要なレベルの呪いがあるかもしれないけどさ。」


「らー。それなら、普通の銀の指輪を用意しておこうかな。

 銀の加工はできないから、銀の指輪を買ってこないとだめか。

 ちょっとおかいものいってくるね。」


「あ、それなら3人で行こうか。


「そうね。

 指輪なら私たちが買うふりしたほうが目立たないでしょうし。」


「にゃー。それじゃいこうー。」

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