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そらもとべるはず。

「まず、右足を上げる。

そして、右足を下ろしながら、左足を上げる。

あげた左足で体重を支えて、そのまま右足も上げる。

同じように、空中の右足で体を支えて、左足をさっきより上にあげる。

そんな感じで足を動かす。

そうすると空中歩行(えあうおーく)ができる。こんな感じで。」


「おおー。

空中を歩いてる。

白ちゃんとあたしの目線が同じ高さだー。」


「これで、高い所の本棚にも手が届くようになったー。

でも、あしぶみするのつかれるからながくはもたない。

そんなわけで、ためすのおわりー。」


「おつかれさまー。

でもさ。

足が落ちる前にもう片方を上げれば飛べる、って、かなり無理があるような気がするんだけど。

サムライ漫画とかではそういうのあったけどさ。

いや、実際できてるから無理というわけでは無かったんだとは思う、けどね。」


「じっさいできるかどうかより、できそーかどうかがじゅーよう。

わたしのばあい、少しだけ魔力使って補助してるしね。」


「え?

できるかどうかが重要なんじゃないの?

できそうなだけでできないんだったら、できなそうで実際できない方がマシな気がするけど。」


「むー。

そのへんは、まほーのイメージ力と威力の関連についての法則?

まほーのばあい、できなそうなことより、なんとなくいけそうなかんじのほうが、かんたんになる。」


「なんとなく行けそうだと、実際できちゃうってこと?

そんな思い込みでできちゃうようなもんなの?」


「らー。

まほーは、自分の『内的世界(いめーじ)』で常識を上書きすることによって実際物理法則も無視できる、っていう感じ。

だから、自分で無理だろうなーって思うようなことなら成功率も下がるし威力も落ちる。

逆に、できそうだな、って思う、もっと言えば間違いなくできる、できて当然。って思って使うと、ある程度だけど威力や成功率を上げられるってこと。

それを応用して、他者のイメージを利用して威力を上げる方法もある。

その前提条件として、難しそうな行動より、簡単そうに思える行動のほうがイメージも固めやすい、ってかんじかな?」


「ほほー。ってそろそろわかんなくなってきた。

簡単な例で説明してもらっていいかな?」


「らー。それじゃ簡単な例で。

たとえば、すごく固い物があったとする。

剣で切ろうとしても剣が折れてしまう。そのくらい固い。

それを切るためにはどうすればいいかな。」


「えーと。切る、以外の攻撃はなしってことだよね。焼くとかはダメってことで。」


「らー。

攻撃するなら焼くとかのほうが簡単だと思うけど、今回は無しで。」


「それじゃ、魔法の剣とか出してそれで切る?折れないようなの。」


「らー。そういうほうほうもある。

それじゃ、その剣を作る魔法は、どういうイメージで構成すればいいか、って考える。

折れない、の他に何が必要かな。」


「えーっと。固いものを切るのが目的だから固い物でも切れるくらい鋭い、って感じ?」


「そんな感じだね。

でも、実際やってみるとわかるけど、まず形のイメージをものすごくしっかり持たないと、鋭いとか以前に、剣としての形を持たせるのもむずかしい。

だから、剣の形とか長さとか重さとかのイメージをしっかり持たせたあとに、折れないとか切れ味良いとかそーいう特性も追加しなくちゃいけなくて、かなり難しくなってしまう。

それを解決するためには、普通の剣を持って、それを『固いものを切れる剣』に変える魔法をかける。」


「あー、そーすれば長さとかの指定はいらなくなるか。

でも、それって、そんなに重要なの?」


「らー。

形とかをしっかりイメージするのって、けっこう難しい。

だから、実際あるものをつかえば、形のイメージに使う気力のぶんを性能に使うことができるようになる感じ。

普通の剣でも柔らかい物なら切れるわけだから、それを固い物にも通用するように変える『切れ味』の強化に全力を使えるわけだね。

そこまでいかなくても、『切る』という目的に合ったもの、例えば果物ナイフとかでもなにも使わないよりはかなり魔法の構成がやりやすくなるよ。」


「ああ、つまり『斬れそうだなー』ってイメージを固めるために、刃物があったほうが便利ってことだよね。

燃やす魔法ならたいまつとか持ってると威力上がるってことでいいのかな。」


「らー。そんな感じ。

だから、さっきの空中歩行(えあうおーく)も、足踏みすることによって、空も歩けそうなイメージを固めるから歩けた、っていうことだね。」


「なるほどー。

でも、足踏みで空も歩けそうなイメージ、って、よくそんなイメージできるねぇ。」


「それは慣れればできるようになるよ。

簡単な魔法でもたくさんの回数使うと、イメージを固めるのにやくだつ。

だから、だんだんまほーもつよくなる。」


「なるほどー。だから白ちゃんの魔法は使うたびになんか魔法陣が複雑になったりしてるわけだ。」


「らー。そんなかんじ。

まほーじんは、新しいのに修正してるだけだけどね。

さすがに魔法陣の種類が勝手に新しくなるとかはないよ。」


「ああ、それは自力なのね。」


「らー。同じ形の魔法陣でもイメージが上手にできると効果が変わるから、自然にある程度は強くなってる。でも急いで強くするために、少し修正してる。」


「なるほどー。

毎回新しいのになってるから、てっきり自然に強くなってるもんだと思ってたよ。」


「最悪のパターンを考えると、ある程度は急がないとだめだから少し急いでるー。」


「そーなんだ。

 なんか、ものすごいことを想定してるよーな気がするなぁ。」


「らー。最悪のパターンだから、かなりのことを想定してるー。

だから、いろいろなまほーをためしてみてるんだよ。」


「それは、準備してたけど何も起こらなかった、ってのが理想だねぇ。」


「にゃー。そうだねー。

そろそろねるねー。おやすー。」


「おやすみー。」


・・・


「結局どんなことを想像してたんだろうなぁ。最悪のパターンって。

白ちゃんには少し聞きにくいしなぁ。」

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