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まなーはひとそれぞれ。

「あ、白ちゃん起きた。おはよー。」


「むにゅ?

はーたん、おあよー。」


「あれ?

なんか、いつもより調子悪そうな感じだねー。」


「むー。

すいみん、ぶそく?ねむい。」


「さっきまで寝てたのに?」


「らー。いつもよりすこしながくおきてたからかも。」


「白ちゃんは寝てから1刻(2時間)くらいたつとだいたい起きちゃうみたいだし、眠気が取りきれないってことかな?」


「らー。たぶんそんなかんじ。

ながくねるのも、たいりょくがいる。

だから、少しきゅうけいして、またねることにする。」


「起きるのに体力要るのかと思ったけど、寝るのも体力使うの?」


「らー。

ある程度疲労を蓄積しておいたほうが長時間ねれるかんじ。

わたしにはそんなよゆうはないけど。」


「そーなんだ。

でも、今まではそんな疲れた感じじゃなかったってことは、なんか今回は特に疲れることしたんだね。

まあ長く起きてたこと自体が疲れることなのかもだけど。」


「らー。

きょうは、すこしとおくまでおさんぽしてきた。

それと、今日会ったこどもぼーけんしゃの手伝いした。

いもうとのために、くさとり?」


「妹のために草取り、って、草とって何するんだろうね。

まあ草取りで報酬もらって他の物と交換とか言う可能性もありそうだから全然わからないけど。」


「むー。

たぶん、呪い解こうとしてるんだと思う。

たぶんとけないけど、あの草では。」


「あら、そーなんだ。

呪いが強くて対抗できないってこと?」


「くさがよわすぎる。かな。

あの草だけで治せるていどの呪いなら、草が無くてもたぶんとけるし。

調合師とか神官とかの強い人ならあの草でもかなりのところまで呪い解けるだろうけど、そんな実力がある人があの程度の素材を入手できないってことも考えにくいし。

だから呪いの性質と種類を分析してから、もっと良い材料を集めて、専用の解呪アイテムをつくるのが最短の道かな。」


「そーなんだ。

使っても無駄ってことは教えたの?」


「むー。

教えてないよ。

たぶんとけないだろうなってだけで、ランク低い素材でも偶然解けちゃうとかいう可能性も否定はできないし。

あと、聞かれてもないのに答えるのは、あんまりよくないかんじ。言いたいときには聞かれてなくても言うけど。」


「なんかやっぱりこだわりがある感じだね。

聞かれないときは答えないほうがいいの?」


「らー。

わたしがすんでたくにの、こーいう場所に来た時のまなーっていうのがあって、だいたいこんな感じだった。

まなーっていっても気にしない人もいるし、そんなマナーはないっていう人もいるから、それぞれの解釈によってちがってくるんだけどね。」


「困ってるなら聞く、ってことと、聞かれないことには答えないって感じ?」


「らー。だいたいそんな感じ。」


「なるほどー。でも聞けば答えてくれるんだったら優しい感じなのかな?

他に何か面白いことあった?」


「おもしろいってわけじゃないけど、いろいろなまほーの実験もしてきた。

実戦に使えそうなまほーもすこしふえたよ。」


「実戦、ってことは戦闘用かな。例えばどんな感じの効果の魔法があるの?」


「いろいろだけど、はでなわざだと『流星落とし(ちいさなおくりもの)』とかかな。

流星を落として、落としたところとその周りを大規模に破壊する魔法。

この前の『偽典(えこのみー)灼熱のドラゴンブレス(なまあたたかいいき)』より威力はかなり落ちるけど範囲は広いって感じかな。たぶん。

欠点は、普通に撃つと自分も攻撃範囲の真ん中近くに入っちゃう所と、転移魔法での回避がしにくいってところかな。

あと、使う魔力がものすごく多い、って思ってたけど、場所とかまわりの魔力濃度とかで極端に威力と魔力消費量と難易度が変わるみたいだから、相性がかなり悪い場所でなければたぶん撃てる。」


「またとんでもない技が出てきたねぇ。

まあドラゴンブレス撃てるって聞いた後だと、いまさら驚くことでもないかもね。

そーいえば、生温かい息がドラゴンブレスってのもわけわからなかったけど、『小さな贈り物』が流星落としってのもわけわからないね。」


「それのりゆうは、あの本に少し書いてあった。」


「そうなんだ、どんなのか聞いていい?」


「らー。本に書いてた物語はこんなかんじだったよ。ものすごく省略すると。

びょーきでねこんでる子供のところに、悪魔がやってきて、『魂と引き換えに願いをかなえてあげよう』、って言ったんだって。

そしたら、その子供は、『空にきらきら、ひかるもの』がほしいっていったんだって。

悪魔は、『小さいのでよければ落としてこれるけど、おまえはたぶん受け止められなくて死んでしまうよ』って言ったんだけど、それでもいいって子供がいったからなんとか落としてみたんだって。

子供は受け止められなかったから、その代わりに誰かに受け取らせるために、『流星落とし(ちいさなおくりもの)』っていう魔法ができた、らしいよ。」


「・・・受け止められなかった、って、流星落とされて受け止められる人なんか、どこにもいない、よね?」


「受け止めることはできないと思うけど、人数たくさんで道具もあれば、落ちる前に破壊することは可能らしいよ。

破壊される可能性込みでの威力ってところかな。

でも、今の魔法技術じゃものすごく難しいと思うけど。」


「そっかー。

一応防ぐ方法がある、ただしできるとは言えない、って感じなんだね。

そーいえば、流星って、すごく大きいの?

落ちるの見たことはないんだよね、私。」


「たぶん、落ちる時の速さが速いだけで、大きさはそれほどじゃないと思うよ。

近くに大きいのがあったら大きいのが落ちるのかもしれないけど。

むー。おなかすいた。でもねむい。

なにか、保存食料、あったかな?」


「この前買ったクッキーの残りだったらあるよ。食べる?」


「にゃー。たべるー。」

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