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あやしいかんゆう。

子供冒険者協会、地下受付。

依頼書が貼られている壁の近くに置かれていた椅子に座り、足をぶらぶらさせながらくつろいでいる。

二人の少年が戻って来たのを確認して、足の動きを止める。


「おかえりー。

 なにかいいのあった?」


「いや、まだ全部読んではいないけど、あんまりいいのは見つかってないよ。」


「掃除の手伝いの依頼書あったぜ。

 かなりきついらしいが点数稼ぎにはいいかもしれねぇ。

 他に行きたいの見つからねぇならペンタも行こうぜ。」


「もう少しだけ探してみていいかな?

 他に良いの無かったらそれに二人で行ってくることにしよう。まだ始まるまで時間あるし。」


「おう、それじゃ俺は待ってるぜ。」


「・・・オクトさんは、いっしょにさがしにいかなくてよかったのかな?」


「ああ。俺は力には自信があるが頭が悪いからな。

 文章読んでると頭が痛くなってくるんだ。

 少し休憩しとかねぇと肝心の仕事で失敗しそうでな。」


「むー。

 頭痛くなる、って、文字通りの意味みたいだね。

 気力がかなり減ってるみたいな感じだし、休憩しないと危なそう。

 普通の文章でも気力って減るんだねー。」


「ここの依頼はまだ子供向けだから能力が人並みのやつなら気にするほどは減らねぇんじゃねぇかな。」


「むー。

 ある程度の能力があれば失敗しない程度の難易度の判定が起きている、ってことかな?」


「さぁな、俺にはよくわからん。」


「そーいえば、町を出たいって言ってたみたいだけど、オクトさんはもし町を出れたとしたら何をする予定だったのかな?」


「・・・ただの散歩だよ。

 火トカゲの門から出て、右に一つ曲がって正面に半分進んで、あとは帰るだけだ。」


「ぼーけんしゃ用語だね。三つ曲がると横になる、六つ進むと半刻進む、だったかな。

それだと、狙いは植物系かな。春にはいろいろ取れるし。たぶん浄化のハーブだね。」


「狙ってるものまでわかるのか?口滑っちまったかな。」


「町の中で普通に栽培できるものなら町で集めたほうが速いから、町で簡単に育つものは除外。

指定した場所で取れる可能性が高い素材で、町の中で取れない、または取りにくい物に限定すると、電撃唐辛子とかステルスライムとか浄化のハーブになる。

その中で浄化のハーブは入手難易度低いし一部の宗教関係者が常時買い取ってるから末端価格は高い。他の二つは戦闘用素材だからあんまり需要はなさそうだし。

ハーブは教会の中でなら多少は栽培できるししてるみたいだけど一般人が簡単に入手できることはないだろうしね。

モンスター素材も含めるならゼライムゼラチンとかポイズンソースとかって可能性もなくはないけど、それだと細かく場所を指定する理由があんまりない感じ。」


「他のやつに聞いてみたことが無いから比べようがないが、お前、外のことにかなり詳しいのか?」


「まほーは少し勉強してる。

だから、私が使えそうなレベルかそれよりちょっと上までの一般的な魔法に使えそうな素材の情報はある程度覚えてるよ。全部じゃないけどね。

少しは素材の情報も知ってないと、いざというときに困るかもしれないし。

だから、素材に関連することなら町の中のことも外のこともそれなりには詳しい。

あと街の中の空間魔力濃度とか土中残留魔力とかも大まかにだけど調べてあるから、どの程度までの植物が栽培可能かとかもおおざっぱにならわかる。

農業系とかのスキル持っている人が作れば結果は大幅に変わってくるから、ほんとうにおおざっぱなところまでだけどね。」


「素材のことなら、か。

 俺はどれが素材に使えるかなんてなんてのはさっぱり知らんからどの程度なのかわからんが、詳しいこともあるが詳しくないこともある、ってことでよさそうだな。」


「らー。だいたいそんな感じであってる。」


「お待たせ―。やっぱり良いのは見つからなかったよ・・・。」


「おかえりー。」


「お、それなら仕方ねぇな。」


「あんまりいいのが見つからないんだったら、町の外に行ってみる気はないかな?」


「えっ!?」


「なんだと!?」

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