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あぶないくさもときどきはえます。

「お、スミシーじゃねぇか、また会ったな。」


「み?

ぺんたさんとおくとさんだ、こんにちはー。」


「あ、スミシーちゃん、こんにちは。」


「こっちの方向に歩いてるってことは、きょうは二人ともぼーけんしゃ協会行くのかな?

わたしは行ってくるけど。」


「おう。俺は急いで5級まで上げなくちゃいけねぇからな。

行き先同じなんだったら、いっしょに行こうぜ。」


「らー。

でも、私足すごく遅いけど、それでもいいなら。」


「おう、それじゃ行こうぜ。

まだちっこいんだから遅いのは仕方ねぇだろ。俺は気にしねぇぜ。」


「それじゃいっしょにいこうー。

ぺんたさんも、らんくあげしにいくの?」


「うん、僕も急いでランク上げしたいのは同じだよ。

まずは6まで上げれば普通の冒険者協会で依頼探せるしね。」


「そーいえばそうだったねー。

でも、子供ぼーけんしゃ協会にも6級以上の依頼もあるからね。

たしかに体力や筋力が必要な依頼は普通の冒険者協会のほうが多いし、依頼全体の数も普通の冒険者協会のほうが多い。

けど、子供ぼーけんしゃ協会にしかない依頼もいろいろあるから、時間があれば両方見に行くのもいいかも。」


「そうなんだ。

それじゃスミシーちゃんも、『6級まで上がったら』両方見に行って依頼を探す感じにするのかな?」


「むー。

ふつーの冒険者協会も行ってみたけど、てーぶるがたかくて、古い依頼のファイル見れなかった。

だから、見に行くのは、もーちょっと身長伸びてからかな。

新しい依頼は壁に貼ってあるから見れるけど、取れないし。」


「ああ、子供冒険者協会のでも取れてなかったしねぇ。」


「らー。こどものほうも、ランク高めなのは少し上に貼ってあるから無理。10級くらいまではわたしでも取れるところにあるんだけどね。

貼りだすときの用紙が少し良い材質になってるから、いたずらされたら困るらしい。」


「まあ下のほうと違って本気で困ってることの依頼なんだろうからなぁ。

依頼受ける人が出る前にいたずらで用紙を全部捨てられちまった、なんてことになったら話にならねぇし。

そのへんは仕方ねぇんじゃねぇか?」


「らー。そーだね。

そーいえば、そろそろぼーけんしゃ協会までつくね。」


「お、そういえばそうだな。

それじゃお互い良い依頼見つかるといいな。」


「らー。そうだね。」


・・・


(ぴょんぴょん)

「むー。」


「なんだ、届かねぇのか?

 取ってやるよ、どれだ?」


「ありがとー。これのみっつうえー。」


「これだな。って、催奇草の根の入手と破棄?

 この用紙の色は6級依頼だろこれ。受けられないんじゃないか?」


「裏ルールがあるからだいじょぶ。

依頼の文面に「誰でもいい」という意味にとれる文章が入っている納品依頼は、その物を確保済みの場合に限り、ランク不足の依頼でもうけることができる。

その場合、受けると同時に達成ということになり、報酬を受け取ることができる。

ただし、評価点については、受注者のランクと同じ難易度で仮計算される。残りの点数はランクが本来の依頼で指定されていたランクまで上がった時に与えられる。

裏って言っても聞けば教えてくれる程度の情報だけどね。

わたしはさいきそうの根を持ってるから、受けれる。」


「でも、自分のランクで受けられない依頼なんかあんまり見ないよね・・・。」


「そーかも。

でも、依頼のランクは、難しさだけじゃなくていろんな要因によって設定されるから、ランクが下でも難しいものもあるし、ランクが上で簡単なものもある。

ヒマな時は他のも見ておくのもいいかも。

たとえばこの依頼は、さいきそうの発生頻度を考えると難易度はすごく高い。

でも、見つけてしまえば簡単に取れるから、ランク低くて持ってる人もいないとは言い切れない。

それと、破棄させるのが目的だから、あんまり重要なものだと思わせるのもまずい。

そんなわけで、6級依頼にまで落としてある感じ。」


「え、ということは、本当は5級か4級くらいの依頼ってこと?」


「持ってない状態から探す、っていう難易度ならすごく高いと思う。具体的にどのくらいかはわからないけど。

素材としては珍しいしいやがらせの道具としては強力だから、ねだんだけならオークションとかで売ったほうがかなり高くなるだろうね。

それじゃうけつけ行ってくるねー。」


「おう、行ってらー。」


・・・


「ただいまー。

なにもいわなかったのにほうしゅうふえた。ふしぎ。」


「さっき普通の声でしゃべってたし、聞こえてたんじゃないかな?」


「なるほどー。

聞こえることもあるんだねー。」


「まあ耳が良ければ、ってところじゃねぇかな。

他に人がいるわけでもなかったんだし、聞こえることもあるだろーよ。

他に売った方が高いなんて言われたら無理もするだろうしな…。

いやがらせに使われたらかなり困るようなものなんだろ?」


「らー。かなりこまるだろうね。

普通にはえてる間は大丈夫な草なんだけど、根だけを土に埋めておいて何日かたつと、毒草とかがまわりにいっぱいはえるようになる。

だからいやがらせで埋められるとたいへんなことになる。

根だけ埋められると、新しく葉がはえてくるまで見つけにくいし、その間にも毒草はどんどんはえる。

毒ガスとか精神異常のガスを出す草もはえるみたいだから、根を探して始末しようとしても、掘りに行く人が危ない。」


「えっ、それって、本当に危ないよね。」


「らー。そうだね。

 だから、処分することに対して賞金を出してるわけだね。」

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