六人の勇者。
「あ、その本、『六人の勇者』の話だね。ちっちゃいころ読んだよ、懐かしいなぁ。おもしろいよねそれ。」
「らー。おもしろかったし気になるところがあったから図書館から持ってきた。文章は覚えたけど、他の情報からちょっと研究してみる。
でも、これって、実話なんだよね?」
「うん、そうらしいよ。
実際魔王を倒した人たちの情報をもとに書かれたって言われてるらしいね。
何か気になるところでもあった?」
「らー。私が読んだ物語の中で、この本だけ、せってーがふしぜん。
ぱーてぃーのばらんすをかんがえると、この組み合わせでは魔王は倒せないんじゃないかな、って思った。
一人非戦闘員っぽいのいることからかんがえると、5人しか戦える人いない。
その魔王の能力の細かいことがわからないと断言はできないけど、たぶん、人数が違う、かな。」
「人数が違うんだ。
何人だったら倒せそうなの?」
「三人か七人。たぶん三人かな。
七人の場合は、一人がリーダー、か、お姫様?
三人の場合は、一人一人が最低でも上位魔族以上の強さがないと無理だと思う。」
「三人でもOKなんだ。
それなのに五人だとだめなの?」
「らー。
数字とか人数に、魔法的な意味を持たせて効率上げる方法があって、それを使えば、自分たちより圧倒的に強い敵にもそれなりに攻撃できる。
『3』は、完全、調和、均衡など。一点特化型を3人そろえて仮想的に強大な力を得る方法がある。
『4』は、節理、物理、拒否など。物理には向いてるけど、魔法にはあんまり向いてない。
そして、『5』は、破邪、清浄、安定など。もともと有利な状態を守るのには向いてるけど、不利な状態からの逆転に使う数字じゃない感じ。
『6』は増幅とか暴走とか、力を増す方向の意味が多い感じ。あと召喚もかな。でも、3で安定してるところを二つ重ねてさらなる力を、っていう理論だから、もともとの3がバランス悪いと意味がない感じ。
だから、6人で、一人だけ弱いってのはなりたちにくい?
『7』は姫を守る6人という解釈もある、あとは禁忌とか異界とか。
『8』が物理とか防衛とか多数とかで、『9』が装飾とか見栄とか才能とか逆境とか?
そんなわけで、たぶん6人じゃないとおもう、6人だとしても、本の内容とはかなり違う能力の持ち主だったんじゃないかな。」
「そーなんだ。ちょっと不自然って感じなんだねー。」
「らー。そんな感じ。
でも、難しかったら無理だと言い切れるわけでもないし、あえて定石の逆をいく手法もないわけじゃないから、人数が絶対違うとは言い切れないけどね。
もともと魔法っていう方法が、デタラメな理論で物理法則を捻じ曲げる方法なわけだし、定石に必ずしもしたがわなくちゃいけないとも限らない―。」
「なるほど、確かに、さっき言ってた数字の意味も、けっこうバラバラだしね。
それから好きなの選んで組み立てるだけでもかなり自由な気がするよ。」
「らー。そうだねー。」
※『数字の意味』は『ゲーム』内の情報から白ちゃんが解釈したものです。
リアルと一致する場合もありますが、合っていないものも多いです。