てがきもじのれんしゅう。
「やっほー、ただいまー。」
「白ちゃん、ただいま。
あら、今日はなにか書いてるのね。新しい魔導書かなにかかしら?」
「おかぁいー。
きょーは、もじのれんしゅー、してたー。
この本のぶんしょーかきうつしてた。」
「どれどれ。
・・・なんか、かなり間違い多いね。なんで?」
「むー。なんでといわれても、まちがえたから、かな。」
「いや、白ちゃんって、魔法で文章書いてた時は間違えないで書けてたよね。かなり難しい話題でも普通に。
ということは、白ちゃんの共通語のスキルレベルはかなり高いはず。
この本子供向けの本なんだから、難易度かなり低いし、けっこースキルレベルが低くても間違えないんじゃないかな、って思った。」
「自動翻訳つかってない。
ひともじずつ、自分の頭で考えて、かいどくしてる。
だから、読むときは、スキルレベル高くないと読めない本でも普通に解読できるけど、低くても読める本でも難しさは同じ。
あと、書く方の文字は、どのくらいまでがどの文字だと判断されるのかっていう境界がわからない。」
「ああ、たしかに、微妙と言えば微妙なものもある、かな?」
「そうね。私たちは古文書みたいな特殊なもの以外は自然に読めるけど、どこの線がどのようになっているからどの文字と判断しました、とかいちいち考えないものね。」
「らー。そんなかんじ。だから、かくのはむずかしい。
いちいち本に書くときみたいな書体を使う人もあんまりいないみたいだし。
だから、本に使う文字を崩して、こんな感じかなって、かいてみた。
だけど、かなりちがってるみたいだね。」
「うん、正直言うと、かなり違ってるね。
それと、文字の形だけ大人っぽいのに、文字の間違いが多いから、大人が幼児の書いた文字をそのまま再現しようとした、みたいな感じに見えちゃってる。」
「むー。
本の文字をもとにしたから、おとなっぽいもじなのかもしれないね。かたちは。
こどもっぽいもじのみほんとか、どこかにないかなぁ。
こどもむけのほんも、文字の形はおとなむけのと同じだったし、やっぱり手書きの子供文字の見本が必要ってことかな。」
「子供の書いた文字の見本、なにかあったかしら?」
「うーん、どっかで見たことあるような気がするんだよね。」
「あっ、そういえば、この図書館の託児所に、半端に書いてある文字練習ノートがあったはずね。
あれなら、子供が書いた手書きの文字、よね。」
「そーいえば、あったかな?そんなのも。
それじゃ、今度書き方間違ってないやつを選んで借りてくるよ。
間違ってるの覚えても仕方ないしね。」
「にゃー。あいあとー。まってるー。」