しろいりゆう。
「・・・とりあえず、今回のポーションの件についての情報をもう一度確認させてね。」
「らー。どうぞー。」
「まず、もとになる「魔道具」が1個あるわけよね。
その魔道具は、使用者の気力または魔力を消費することで、「スクロール」を作ることができる。
スクロールは魔法書と同じようなもので、使い捨てで魔法を1回使える。ここまではいい?」
「らー。あってる。」
「そんで、そのスクロールの効果は、「Cポーション相当の回復」か「Dポーション相当の回復」。
でもポーションと違って「連続でつかっても効力が落ちない」「複数同時掛けで効力を上げられる」「他の人にも使える」。
こんな感じだったよね。」
「らー、そうだね。
あと「持続回復部分の継続時間が短い」ってのもあるみたい。
まほーだから、本物よりはちょっと長持ちしない。」
「・・・手放しちゃってよかったの?その魔道具。
本物のポーションより便利そうに聞こえるよ。巻物。
ふつーの本と同じ扱いで売っちゃったわけでしょ?」
「むー。いいんじゃないかな。
ぽーしょんならもっといいの作れるし、巻物だって手書きのほうが強い。」
「あ、そうなんだ。
ってことは、白ちゃんからすると別に要らなかったってこと?」
「らー。いまはいらない。
いっかい読んだから、必要なら複製できるし。」
「え、再現、できちゃうの?」
「らー。できるよー。」
「えーっと。
まあ今まで作った結晶とかの時点で普通じゃなかったわけだし、このくらいで驚くあたしがおかしいのかな~。」
「これは驚いていいと思うわよ。
ポーション職人がみんな廃業になってもおかしくない道具だもの。
それを複数作れるなんて知れたら、パニックになってもおかしくないわ。」
「み?
このせかい、そーいう効果がある杖とかもあるんだし、つくれるひとがいてもおどろくことじゃないんじゃないかな?」
「いや、世の中に作れる人がいる、ってのと、同居人が作れます、ってのでは驚きが違うんじゃないかなー。」
「むー。そーいうものなんだ?
話してたらおなかすいた。なぽたんたべたい。」
「あら、それなら食堂に行きましょうか?」
「そーだね。行こう~。」
「にゃー!」
・・・・
「うーん、何にしようか悩むねぇ。
うん、とりあえずクッキー付きのティーセットにしてみる。
ここのカルフェクッキーおいしいし。」
「わたしはなぽたんをはんぶんさいずにするー。」
「私は、日替わりメニューの気まぐれサンドイッチにしてみるわ。」
・・・
「にゃー。なぽたんおいしい。」
「やっぱりナポリタン好きなんだね。
そーいえば魔法でナポリタン作ってみるって言ってたのは成功したの?」
「むー。あれは、なぽたんじゃなかった。」
「あら、失敗したんだ。」
「けっこーうまく再現したとはおもうけど、私のなぽたんに対するこだわりのほーが上回ってた感じ?
あのまほうは、好きなものを作るのには向いてないみたい。」
「そうだったんだー。
まあナポリタンならだいたいの街で売ってるだろうし、食べに行くの楽しみにするのもいいかもね。」
「にゃー。そうだねー。
そのくっきーもおいしい?」
「うん、おいしいよー。
食べてみる?口開けて―。」
「らー。
・・・むぐ。(ぽりぽり)
おいしーね。あいあとー。」
「白ちゃん、私のサンドイッチも味見してみる?」
「らー。ひとつちょーだい。」
(ぱく)
「あ、白ちゃんの顔が青白くなってる!ってサンドイッチで!?」
「ど、どうしたの!?
のどに詰まった?」
「・・・これ、からい。」
「・・・へ?」
「さんどい、からい。
ますたーど、はいってた。
みず、ほしい。」
「あ、水ね!
すぐ持ってくるわ!」
・・・・
「にゃー、みずのんだらおちついた。あいあとー。」
「無事でよかったわ。ごめんなさいね。マスタードが入ってたなんて気づかなかったわ。
1個ごとに味違ったのね。」
「無事で、っていうけど、顔色今もかなり悪いよ?本当に大丈夫?」
「らー。
えるふは、血液で魔力循環させてるわけじゃないから、血が流れてなくてもあんまり問題ない。
だから普段から白いし、時々すごく白いけど、だから調子が悪いと言うわけじゃない場合もある。」
「え、って、血で魔力循環させてなかったら、どーやって生きてるの?無理じゃない?」
「むー。
せつめいしにくいけど、べつのばしょに、魔力のからだがある感じ?
ひつようなときだけ、そこから魔力借りてくる。
だから、血液の中には魔力入ってない。」
「そ、それで体維持できるんだ。すごいねエルフ。」
「血液に魔力入れてて自爆しない人間のほーがすごいと思う―。」
リアルの感覚で言うと「血液で酸素運んでない」くらいの発言です。